配信日時 2020/10/26 19:50

【本の紹介】『シリア原子炉を破壊せよ』(その3)

こんばんは、エンリケです。

秘密のベールに包まれた「シリア原子炉攻撃の真実」
が、ついに明らかになりました!

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ソフト・メロディー作戦

2007年9月6日深夜にイスラエル空軍(IAF)が
実施した、シリア・アルキバール原子炉破壊の軍事
作戦名
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イスラエルはなぜシリア原子炉を空爆したのか?
の軌跡を丹念にたどることを通じ、いまの中東情勢、
これからの中東情勢への正鵠を射た見方を得られる
だけでなく、イランとともに、中東・世界不安定化
の要因であり、わが脅威の一つでもある北鮮の動き
を正確につかむうえで欠かせない素材を提供してく
れる本です。

この本が伝えるのは、単なる「シリア原子炉攻撃」
だけにとどまりません。

現代の中東情勢をつかむうえで重大な意味を持つこ
の事件を知ることを通じ、いまの世界に潜む「重大
なリスク(危険)」をあなたは目の当たりにするで
しょう。


『シリア原子炉を破壊せよ
  ─イスラエル極秘作戦の内幕』
ヤーコブ カッツ (著), 茂木 作太郎 (翻訳)
発売日 : 2020/4/16
単行本(ソフトカバー) : 288ページ
出版社 : 並木書房 
https://amzn.to/37HiuA3


ではこの「秘密のベールをはいだインテリジェンス
ブック」の
中身を見ていきましょう。


■目次

はじめに 2

第1章 秘匿された原子炉攻撃 5
第2章 「シリア核科学者」急襲作戦 20
第3章 同じ間違いはできない 47
第4章 「原子炉攻撃」再び 79
第5章 時計の針は進む 110
第6章 オルメルトの戦い 137
第7章 攻撃のとき 158
第8章 アサドは何を考えるか? 188
第9章 開戦の準備 212
第10章 モサド・CIAの秘密作戦 231
第11章 イラン危機を見据えて 251

脚 注 273

訳者あとがき 280

解説 イスラエル諜報史上に残る極秘作戦(国際政
治アナリスト 菅原 出)


■特に次の3点が勉強になりました。

〇北鮮が行っている「核拡散」の実像がよく見える
ようになった。

・シリアと北鮮はミサイル協同開発だけでなく、核
の協同開発もしていた。
・シリアは北鮮と組んで国内に秘密に原子炉を作っ
ていた
・北鮮による核拡散は、世界規模の戦略的悪夢。
・破壊されたアルキバール原子炉は、北鮮の寧辺原
子炉とほぼ同じ形だった。
・シリア核開発を支援したのは北鮮とパキスタン
・北鮮・イラン・シリアのあいだには軍事協力関係
が存在する


〇中東状況把握のキモの一つはシリアとイランの関
係だとよくわかった

・イスラエルにとってヒズボラ(イランが支援。在
レバノン)がどれだけ重大な脅威か?


〇米の国益が他国と一致する確率は相当低いという
現実

・「アメリカの国益はイスラエルの国益と一致しな
い」(イヴリー元IAF司令官)
・シリア原子炉空爆に対して米が下した結論に、オ
ルメルト・イスラエル首相は強い反応を示した。
・安全保障に関して「国際社会」など存在しない
・米と対等に渡り合って、国家存立の核の部分に対
処する国イスラエル

それだけでなく、

・最も重要なのは「国家意思決定のプロセス」であ
り、国の動きを理解するには可能な限りここを明ら
かにすることが不可欠

・報道の論調の推移とそれが国家意思決定に与える
影響

・ウィーンはインテリジェンス工作の舞台。IAE
A本部があり、IAEAに対する各種工作が展開さ
れている。

・否認ゾーンという構想。

・学者の論文は、時とともに主張の核が変わること
がある。

といったことも興味深かったです。



きょうご紹介した本は

『シリア原子炉を破壊せよ─イスラエル極秘作戦の
内幕』
ヤーコブ カッツ (著), 茂木 作太郎 (翻訳)
発売日 : 2020/4/16
単行本(ソフトカバー) : 288ページ
出版社 : 並木書房 
https://amzn.to/37HiuA3


でした。


明日もつづきます。



エンリケ


追伸
イスラエルが行った「もうひとつの原子炉攻撃」を
描いたノンフィクション。
これを機会に是非読みましょう! シリアのケース
と比較しながら。

『イラク原子炉攻撃!―イスラエル空軍秘密作戦の
全貌―』
https://amzn.to/2He0Rgo






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