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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
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こんにちは、エンリケです。
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●月刊『軍事研究』(2020年3月号)で、
「国産製品が割高・低性能の誤解を解く!
『日本が弾薬を国産する理由』」という市川さんの
記事が掲載されました。不良弾や欠品が許されない
国内事情、継戦能力の確保だけではない弾薬を国産
する理由が解説されています。
ご一読をおススメします。
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「防衛予算から読み解く日本の防衛力」
の最終回です。
この連載は他に例を見ない内容で、
この分野では本邦初のオリジナルコンテンツ
といってよい画期的なものでした。
市川さんも大変だったろうと推察します。
最後まで書いていただけたことに対し、
心より感謝申し上げます。
幸いなことに、また連載を提供いただけますので、
ご意見やご感想等あれば、いつでもお寄せください。
<「日本の安全保障体制は逐次向上している」という
間違った認識を、「日本の安全保障体制の土台部分
は崩れつつある」との認識に速やかに改めることが
最も重要なことです>
との認識を共有し、国民と防衛部門をつなぐ唯一の
場「防衛予算」を動かせる主権者になりたいもので
す。
さっそくどうぞ
エンリケ
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防衛予算から読み解く日本の防衛力(最終回)
第2部 危機的状況にある日本の安全保障体制(23)
結言:今後の大綱、中期防はいかにあるべきか?
──大綱と中期防の矛盾の解消
市川文一(元武器学校長・陸将補)
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□はじめに
本連載も、いよいよ最終回となりました。長いお
付き合い、ありがとうございました。防衛予算の構
造から始まり、防衛予算が構造上抱える問題、防衛
予算を視点として大綱と中期が抱える問題を解説し
てきました。予算の視点、視座から日本の防衛力を
捉えたものは今までなかったと思いますが、いかが
でしたでしょうか。
できるだけ簡単にわかりやすい説明を心がけてき
ましたが、後半になるほど専門的な内容になってし
まったことを反省しています。このあたりが今の筆
者の能力の限界のようです。
N様から「日本の防衛予算は、毎年、確実に増加
しているので安心していたが、数字の誤魔化しでし
かなかったことが理解できた」という趣旨のご所見
を頂きましたが、まさに、筆者の述べたいことを端
的に表して頂いています。
最終回の結言でも締めくくっていますが、現在の
防衛力整備は非常に拙(つたな)い状況にあります。
今般のイージスアショアの配備計画停止も、その一
端を表しています。これを契機に、防衛省、政府関
係者、軍事問題の言論界が問題の所在を明確にし、
速やかに防衛費の倍増に踏み切ることを切に望みま
す。
しばらくの充電の後、防衛関連の新たなテーマで
連載を再開しますので、よろしくお願いします。そ
の間、今回のテーマも含めて、ご意見、ご質問、ご
所見がありましたら、ぜひお寄せください。
▼大綱と中期防の矛盾の解消
今後の大綱と中期防がいかにあるべきかを簡潔に整
理すると次の3つになります。
1.大綱に謳う所要防衛力として、将来を見据えた本格
的侵略事態への備えも明記すること
2.大綱に謳う所要防衛力を整備するのに必要な経費
を中期防で予算化すること
3.所要防衛力の整備に必要な経費は、GDP2%を目安
とすること
改めて整理してみると、自衛隊OBで構成される隊
友会や自民党国防部会などからの提言された内容で
あり、特に目新しいものではありません。本当に重
要なのは、
「現在の大綱と中期防の矛盾した関係が防衛力の機
能低下を拡大し、日本の安全保障にとって深刻な状
況を招く」ということです。
誤解を招くかもしれませんが、現状と比べれば、
「基盤的防衛力構想」に基づいて大綱と中期防が策
定されていた22年度以前の方がまだ良いということ
です。簡単に表現するならば、22年度以前は「装備
はやや古いが機能する自衛隊」、防衛費を2倍にし
た状態が「最新鋭の装備を持つ機能する自衛隊」、
現在の状況が続けば「最新鋭の装備を持つ機能しな
い自衛隊」となります。どのような順で望ましいか
は、説明を要しないでしょう。
しかしながら、当然、今から「基盤的防衛力構想」
を掲げることは、日本の安全保障政策として許され
ることではないし、政策的にも今さら後戻りするこ
とはできません。必然的に防衛費を倍増させる道し
かありませんが、現状が「最悪」であると認識する
のと「基盤的防衛力構想」を掲げていた16大綱まで
の時代から「一歩前進した」と認識するのでは全く
状況が異なります。
もし、「基盤的防衛力構想」を掲げた時代から真に
一歩前進しているのであれば、防衛費を倍増するま
でに期間の余裕があります。着実に防衛費を増額し
ていけばよいわけです。しかしながら、現状は大綱
と中期防が矛盾した最悪の状態であり、一刻も早く
防衛費を倍増しなければなりません。しかも、NSC
(国家安全保障会議)や防衛省をはじめとする政府
関係者、安全保障に関する言論界は「現状は『基盤
的防衛力構想』を掲げた時代から一歩前進した状態
だ」との認識が多数を占めます。
時間はありません。早急に、強い危機感をもって
「基盤的防衛力構想」とは何であったのかを問い直
し、現状が未だ「基盤的防衛力構想」に捉われた状
態にあるという認識を共有しなければなりません。
そして、5年後の中期防改定を待つことなく、速や
かに防衛費を倍増した新中期防を策定する必要があ
ります。
「日本の安全保障体制は逐次向上している」という
間違った認識を、「日本の安全保障体制の土台部分
は崩れつつある」との認識に速やかに改めることが
最も重要なことです。この認識に立ち、防衛費を早
期に倍増させなければ、近い将来、日本の安全保障
体制は崩壊の危機に直面することでしょう。
(おわり)
(いちかわ・ふみかず)
市川さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
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【著者紹介】
市川文一(いちかわ・ふみかず)
1961年生まれ。長野県出身。防衛大学校27期生。
1983年、陸上自衛隊に入隊。
2002年に1等陸佐に昇任後、第13後方支援隊長、統合
幕僚監部人事室長、装備施設本部武器課長、陸上幕
僚監部武器・化学課長、東北方面後方支援隊長、愛
知地方協力本部長として勤務、
2015年陸将補に昇任後、陸上自衛隊武器学校長の勤
務を最後に2017年8月に退官。退官後の9月には
YouTube「桜林美佐の国防ニュース最前線」に出演。
2019年9月に新刊『不思議で面白い陸戦兵器』を刊
行。
2017/9 YouTube「桜林美佐の国防ニュース最前線」
に出演。
https://youtu.be/6hPY3vgpidw
2017/10/21「桜林美佐の国防ニュース最前線」に出
演
https://youtu.be/jESYh1lIeSE
2018/2/10「桜林美佐の国防ニュース最前線」に出演
https://youtu.be/D_md0ZSJNds
2018/6/9「桜林美佐の国防ニュース最前線」に出演
https://youtu.be/eHnT9jvqQjk
2018/10/6「桜林美佐の国防ニュース最前線」に出演
https://youtu.be/aEOhNJ3twN0
著書に、
『猫でもわかる防衛論』(大陽出版)
https://amzn.to/2qBGuNJ
「不思議で面白い陸戦兵器」(並木書房)
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がある。
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