こんにちは、エンリケです。
284回目となる
「渡邉陽子のコラム」は、
「ゆうべつ最後の観艦式」の第二話です。
実に面白いです。
あなたの体験談やご感想もお寄せください。
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さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで、来年に思いを馳せます。
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「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
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『ライター・渡邉陽子のコラム (284)
―ゆうべつ最後の観艦式(2)―
渡邉陽子
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こんばんは。渡邉陽子です。
現在発売中の『丸』8月号にて、「陸自87式自走高射機関砲ガイド」
「高射学校陸曹高射火器課程密着ルポ」の記事が掲載されました。
「87AW」と言ったほうが通じやすいかもしれませんね。高射学校に
はいい取材をさせていただきました。高射学校長のお話も、記事に
収まりきらなかった興味津々の話題が山のようにありました。
また『PANZER』8月号には「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長
火箱芳文の半生」第16回が掲載されています。今回は北部方面総監
部幕僚長時代の話が中心です。異動とほぼ同時期にイラク戦争が停
戦、1次隊として派遣されることになったのは、北海道の「あの」
部隊でした。
記事掲載のお知らせです。
『丸』8月号にて、「陸自87式自走高射機関砲ガイド」「高射学校
陸曹高射火器課程密着ルポ」の記事が掲載されました。「87AW」と
言ったほうが通じやすいかもしれませんね。高射学校にはいい取材
をさせていただきました。高射学校長のお話も、記事に収まりきら
なかった興味津々の話題が山のようにありました。
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『PANZER』8月号には「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火
箱芳文の半生」第16回が掲載されています。今回は北部方面総監部
幕僚長時代の話が中心です。異動とほぼ同時期にイラク戦争が停戦、
1次隊として派遣されることになったのは、北海道の「あの」部隊
でした。
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月刊『正論』6月号に「自衛隊あってのオリンピック」
最終回が掲載されました。
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■ゆうべつ最後の観艦(2)
「ゆうべつ」には艦長の2佐のもと100名近い隊員が乗っており、
砲雷科、船務科、航海科、機関科、補給科、衛生科という6つの科
によって編制されています。それぞれの所掌に応じた業務に対し、
その実力と成果を発揮する機会が観艦式なのです。
今さらかもしれませんが、観艦式について説明しておきます。観艦
式とは自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣が艦隊を観閲するこ
とにより、部隊の士気を高め、国内外に自衛隊の精強さをアピール
すること、国際親善や防衛交流を促進すること、そして国民に自衛
隊に対する理解を深めてもらうことを目的として、3年に一度行な
われています。
海上自衛隊としての観艦式の歴史は、1956年に「自衛隊記念日」が
制定され、翌年に自衛隊記念日行事の一環として観艦式を実施した
ことから始まっています。「ゆうべつ」が最後に参加した第26回目
観艦式は、艦艇28隻(海上自衛隊28隻、海上保安庁1隻)、航空機
29機(海上自衛隊17機、陸上自衛隊3機、航空自衛隊9機)、隊員
約8000名が参加。
「ゆうべつ」は受閲艦としてだけでなく、展示艦艇部隊として対潜
ロケット弾であるボフォースを4発発射することになっています。
しかも「ゆうべつ」には、応募に当選した約150名の一般招待客も
乗り込んできます。
満員電車のごとく混雑している状態で、
乗客の安全を最優先に不快感を与えない操舵をしつつ、
一列縦隊の艦艇の列を乱すことなく時間通りに航行し、
混雑している海域に注意を払い、
ボフォースを正確に発射する。
これはなかなかの大仕事です。
10月25日の観艦式の前、21日と23日には観艦式予行も行なわれます。
1回目の予行が行なわれた日は波も穏やかで視界も良好、招待客に
とっては絶好の体験航海日和となりました。
艦に足を踏み入れると、まずは隊員たちの「おはようございます」
という声が迎えてくれます。
狭い艦内ですれ違う際にはかならず道を譲ってくれ、急な階段では
ときに一般招待客の手を取って上り下りのサポートをし、「トイレ
はどこ?」という基本的質問から「対空レーダーはないんでしょ、
どれが水上レーダー?」といったコアな問いまで的確に応え、「一
緒に写真撮って」のリクエストに付き合いつつ仕事をこなしている
隊員たち。自分のやるべきことがしっかり把握できているせいでし
ょう、動きに無駄がありません。観艦式に臨むために密度の濃い訓
練を行なってきたであろうことが、隊員たちを見ているとわかりま
す。
限られた期間で一定の練度に到達するため、特に苦労する点を艦長
はこう話していました。
「観艦式にあたっての訓練の前は2か月ほど、いわば艦を強くする
ための訓練を行なっていました。そういう訓練の後、今度は観艦式
のためにお客様を安全に航海させるという視点を取り入れた訓練を
行なうわけですから、乗員の頭の切り替えがかなり重要でした。そ
のため、幹部やCPO(先任伍長)を通じて“この訓練はなんのため
にやっているのか。お客様の安全を図るためにはどうしたらいいの
か”という意識付けを徹底するようにしました」
その結果、乗員の練度は艦長の目から見ても十分満足のいくものに
なったそうです。
(以下次号)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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