配信日時 2020/06/18 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (282)】  ― 千歳管制隊(7)―

こんにちは、エンリケです。

282回目となる
「渡邉陽子のコラム」は、
千歳管制隊の最終回です。

知らないことばかりで
すごく楽しいですね!

あなたの体験談やご感想もお寄せください。
https://okigunnji.com/url/7/

さっそくどうぞ


エンリケ


追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで、来年に思いを馳せます。
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「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
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『ライター・渡邉陽子のコラム (281)
 ―千歳管制隊(6)―

         渡邉陽子
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こんばんは。渡邉陽子です。
千歳管制隊は今回が最終回です。取材時、タワーでコー
ヒーを出していただいたのですが、私にとってあれほど
贅沢なひとときはありませんでした。タワーでコーヒー! 
この仕事やっていてよかったと、幸せをかみしめました
(笑)。あのときはほんの一瞬ですが、滑走路灯も点け
させていただきました。夜間はあれほど光っているのに、
日中は点灯してもまったくわからないんです。びっくり
しました。

管制官のKさま
現役管制官の方に目を通していただけて光栄です。取材
の件ですが、おそらく別の方ではないでしょうか。私は
アナウンサーではありませんし、その高校がらみの取材
をした記憶もないのです。もしも私が完全に失念してい
るのだとしたらお許しください!
タワーやラプコン、本当に心から再訪したいです。万事
うまくいけば9月に千歳を利用する予定ですが、それも
コロナ次第でして。メッセージありがとうございました。



記事掲載のお知らせです。

月刊『丸』7月号では珍しく海上保安庁の記事を書きました。
就役したばかりの観測船「平洋」の厨房拝見、海保の回転
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■千歳管制隊(7)

先週、2008年夏に開催された洞爺湖サミットについて触
れましたが、読者の方からメッセージを頂戴したので、
その一部をご紹介させていただきます。

<サミット時のミッションの大変さについて>
何が大変かというと、各国首脳はVIP Code NO1となり、
最優先で離着陸させます。したがってその間、自衛隊機
はもちろん、民間定期便でも優先順位は後回しです。し
かし民航機も速やかに離着陸させなければなりませんか
ら、間隔の取り方には相当苦労したでしょう。特にVIP 
機が重なった場合は、その優先順位にも配慮しなければ
ならず、普段経験していない事態だけに、それは大変だ
ったでしょう。

パイロットのK様、ありがとうございました。

ここからが今週のお話です。
管制隊長に続いて各部署の隊員にも話を聞きました。
まずは多様な業務をこなす総括班長。
「総括班では総務、人事、補給、服務指導、給料、秘密
保全、個人情報保護など、要は隊の雑用すべてを担当し
ています。施設が分散しているために隊員同士が顔を合
わせる機会が少なく、意識してコミュニケーションを取
る必要があるのが千歳の特色です」

航空管制官の2曹は、目の前の画面で広範囲に状況を確
認できるラプコンが好きだそうです。
「ハードな仕事には慣れました。慣れる以前のつらい日
々のことを思い出すと気持ち悪くなるので、思い出さな
いようにしています(笑)。忘れられないのは、タワー
にいるときに体験した2003年の十勝沖地震。ちょうど阪
神淡路大震災を体験した隊員と一緒にいたんですが、そ
の人が“阪神のときの比じゃない揺れだった”と言うほ
ど揺れました」

航空管制器材整備員の2曹は、千歳ならではの苦労を教
えてくれました。
「点在している器材を保守点検するために車で移動する
のですが、冬の積雪時は道路、器材とも除雪が大変です。
それから柵を越えて動物が入って来ちゃうんですよ。以
前、サイトからサイトへ車で移動中に危うく鹿をひきそ
うになって、かなり焦りました。ウサギやキツネは当た
り前、白鳥も見かけますよ」

飛行管理班の運用主任として現場を統括している飛行管
理員の3曹は、管制官になりたくて自衛隊に入隊したそ
うですが、現在は飛行管理にやりがいを感じているとい
います。
「サミットのときはイレギュラーの作業でラプコンに詰
めることになり、管制官と同じ部屋で仕事するという貴
重な経験もできました。飛行管理班と飛行管制班の両方
がある管制隊は千歳だけなので、ここならではの体験で
すね」

ちょうど取材時、日米共同訓練のため、嘉手納基地から
戦闘機が千歳基地へ飛来してきました。この戦闘機はパ
イロットなくして飛ぶことはありえませんが、そのパイ
ロットは管制のサポートなしに飛ぶことはありえません。
細かなピースを一片の誤りもなくあるべき場所へあては
めていくような緻密な管制業務が、千歳では今日も絶え
間なく続けられています。


(千歳管制隊 おわり)



(わたなべ・ようこ)


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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。


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