配信日時 2020/06/05 20:00

【加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編】世界の秘密兵器(25) 「米軍の最強兵器10「M2ブローニング重機関銃」」

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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽に
どうぞ
 
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp
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こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出まし
た。今回はMP5です。

「MP5サブマシンガン」
L.トンプソン (著), 床井雅美 (監訳), 加藤喬 (翻訳)
発売日: 2019/2/5
http://okigunnji.com/url/14/
※大好評発売中

日本の国内メディアは、米国デモに対する
トランプ大統領の対応への批判展開に終始しています。

ところが、以前から指摘されていたとおり、
暴動の実体はアナキストグループで、これはまさに国内テロです。
普通に考えれば、トランプの対応は当然との結論に至りますw

とりあえず、
米国事情報告については、
ものすごく怪しい国内メディアのそれには、
接しない、触れない、近寄らない。
が正解でしょうw



国民一人一人が、戦後日本的なくびきから
心身共に自らを解き放ち、
戦後日本的でない発想で、
わが国を導く感覚が必要です。

現実的=戦後日本的なもの・ことの枠内

な発想では、わが国はもう持たない感を持ちます。

そのために役立つ情報源として、
本連載は他で類を見ない貴重さがあります。

今後の加藤さんの米国発レポートが
楽しみです。

さっそくどうぞ

エンリケ


ご意見ご質問はこちらから
https://okigunnji.com/url/7/

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http://okigunnji.com/url/73/


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加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編     

世界の秘密兵器(25)
 「米軍の最強兵器10「M2ブローニング重機関銃」

Takashi Kato

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□トランプツイッター5月25日付

先日5月25日は「戦没将兵追悼記念日」でした。
任務遂行中に亡くなった全ての米軍人を悼(いた)
み名誉を讃えるこの日、 入隊間もない若い兵士や
ボーイスカウト、ガールスカウトの隊員、そして地
域のボランティアたちは最寄りの軍人墓地に赴き、
星条旗の小旗を一つ一つの墓標に手向けます。こう
して、日々なにげなく享受している自由と平和が
「ただ」ではなく、戦没将兵らの尊い犠牲で贖
(あがな)われたものであることを学ぶのです。

 同日トランプ大統領とファーストレディーのメ
ラニア夫人は、メリーランド州バルチモアにある米
英戦争の史跡マクヘンリー要塞を訪問。1814年、
新生国家アメリカを屈服させんと英国海軍艦艇がバ
ルチモア港に砲撃を加えた際、同地防衛の要となっ
た場所です。式典で大統領は、英国の侵略を跳ね返
した愛国者たちの勇気を讃え、国に対する忠誠心の
大切さを強調しました。ちなみに「自由の地、勇者
たちの国に星条旗は翻る」で知られるアメリカ国歌
『スター・スパングルド・バナー(星条旗)』は、
マクヘンリー要塞に対し一昼夜続いた艦砲射撃にも
関わらず、朝日の中に無傷の星条旗が翻っていた史
実に基づいています。
 
 実はこの前日、民主党のバルチモア市長は「親愛
なる大統領閣下、バルチモアに来ないでください。
当市は目下コロナ対策で外出禁止令発令中です」と
ツイートしています。党路線に沿った宣伝行為です
が、もちろん大統領は無視。自由を死守してきた米
軍人の尊い犠牲に敬意を表するのは、国の長(おさ)
として、また、米軍最高司令官としての義務であり、
権利であり、名誉であり、正道だからです。英霊へ
の追悼は野党の反対や外圧によって左右されるもの
であってはならない。トランプ氏はこの信念を決し
て曲げません。

 翻って靖国神社に思いを馳せるとき、わたしは2
013年を最後に参拝を見送ってきた安倍首相の判
断が残念でなりません。中共を刺激したくないとの
計算は、裏を返せば、国に殉じた人々を敬う心、す
なわち「日本人を束ねている心の箍(たが)」を外
してしまう亡国の行為。日本の顔である内閣総理大
臣にとっては禁じ手のはずです。

 武漢ウイルス被害を最低限に抑えた手柄にもかか
わらず、安倍首相は支持率急落で退陣説まで飛び交
う始末。一念発起して念願の憲法改正を目指すなら、
ここで「習近平国家主席国賓招待撤回」を通告する
ぐらいの胆力を見せるべきです。日中関係悪化は織
り込み済み。これを機にチャイナディスタンシング
(中共から距離を置くこと)を進め、トランプ大統
領と対中共同戦線を宣する。日本を愛す首相が腹を
決めれば、できないことではありません。

 本日のトランプ・ツイッター、キーワードは
replace。この文脈では「取って代わる」か「元に
戻す」という訳がよいと思います。

We can never replace them.
We can never repay them.
But we can always remember

彼らに取って代わることはできない
彼女らに借りを返すことはできない
しかし、戦没将兵たちを常に心に留めておくことは
できる



▼米軍最強兵器10「M2ブローニング重機関銃」

 兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。
「加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。今回から3回にわたり、
米軍で長年使われ続けている古参兵器を取り上げま
す。初回はM2ブローニング重機関銃です。

アラスカ州立大のROTCカデット(予備役士官訓練部
隊の候補生)時代、M2重機関銃を撃つ機会があり
ました。標的は廃棄処分になったM113装甲兵員輸送
車。おそらく400~500メートルぐらいの距離
だったと記憶しています。

銃口から出る.50口径(12.7mm)弾の爆風は強烈
で、土ぼこりを巻き上げます。腹ばい姿勢から照準
器で狙ってもじき視界が霞んでしまうので、飛び去
って行く曳光弾の軌跡を見ながら着弾点を修正する
よう指示されました。数発の連射を繰り返すうち、
微かな弾道を描いて飛んでいく弾丸がM113の側面に
命中。微かな閃光が飛び散り、一瞬置いてゴン、ゴ
ン、ゴンという乾いた金属音が聞こえてきました。
M113は小銃弾や砲弾の破片から乗員を守る程度の軽
装甲ですから、命中弾は貫通したはず。古参機関銃
の威力を実感させられました。

M2はアメリカ屈指の銃器設計家ジョン・ブローニ
ングが、第1次世界大戦中に開発した水冷式重機関
銃を空冷式に改良したものです。強大な火力、長大
な射程、高い命中精度、際立った信頼性を誇り、戦
車や装甲車の車載用、三脚に載せた地上戦闘用、航
空機の固定武装用、そして対空用などとして90年
近く使われてきました。また最近では、銃手が車内
から遠隔操作で射撃できる遠隔操作銃座(Remote
Weapon Station: RWS)にも採用され市街戦での乗
員被害軽減に貢献しています。

M2の代替えを目指す機関銃はいくつか試作されて
きましたが、完成度の高い同銃をしのぐものは現在
まで皆無。当面はM2が継続使用されるものと思わ
れます。車載、艦載、班運用機銃として、この古参
兵器は抑止力を発揮し続けるでしょう。

ちなみに、the whole nine yardsと言う口語表現が
あります。「すべて」「なにもかも」と言う意味で、
たとえば “I will take the whole nine yards”
(全部買います) “I got a sports car with every
option, the whole nice yards”(全オプション付
きスポーツカーを手に入れた。フル装備だ)
“For you, I will go the whole nine yards”
(あなたのためなら何でもする)と言うように使い
ます。この語源が第2次世界大戦中の戦闘機に装備
されたM2の弾薬ベルトの長さ(9ヤード)だった
との説があります。「敵に全弾お見舞いする」つま
り「徹底的にやっつける」と言うのが元々の意味だ
ったという解釈。本当なら、M2にまつわる興味深
いエピソードです。

教材ビデオ: https://www.youtube.com/watch?v=tdMlzXDgtag&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=87&t=73s

 (M2重機関銃のイントロダクションは0:01か
ら始まります)


基本語彙 (カタカナ発音表示はおおざっぱなもの
です)
Improvement(インプルーブメント)改良 改善
Replacement(リプレイスメント)代替品
In sight(イン サイト)まじかに 差し迫って
Ma Deuce(マ・デュース)M2機関銃の愛称

シナリオ(2:37から始まります)

Despite occasional improvements to the basic
design, there is no replacement for the M2
in sight and the Ma Deuce could very well
serve until the 22nd century.

(基本設計に何回か改良が加えられてきたものの、
M2に代わる重機関銃はいまのところなく、
マ・デュースは22世紀まで使用され続けるだろう)

(M2重機関銃のビデオは2:49まで続きます)


英語一言アドバイス: Deuceは数字の2を表す俗語
です。サイコロの二の目もdeuce。軍隊でも使われ、
たとえばMa Deuceは直訳すれば「ママ M2」。お
そらく Mother of all machinegunM2のことで、
「究極の機関銃M2」という意味になります。米軍
で半世紀以上使われたM35トラック(2.5t 6輪駆動)
も deuce and a half(2トン半)と呼ばれていました。

発音サイト:
deuceの発音
 https://www.howtopronounce.com/deuce

参考サイト: M2重機関銃
 https://en.wikipedia.org/wiki/M2_Browning
(本サイトの日本語版に移行してください)

遠隔操作銃座 https://en.wikipedia.org/wiki/Remote_controlled_weapon_station
(本サイトの日本語版に移行してください)



(かとう・たかし)



●著者略歴
 
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃(近刊)』(いずれも
並木書房)がある。
 
 
追記
「MP5サブマシンガン」
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『AK-47ライフル』
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『アメリカンポリス400の真実!』発売中
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『チューズデーに逢うまで』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063326X
 
『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X 
 
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
 
 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
 
 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。 
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac" 
と表現します。
 
 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
 
加藤 喬
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そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、
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