こんにちは、エンリケです。
280回目となる
「渡邉陽子のコラム」は、
千歳管制隊の五回目です。
冒頭でも取り上げられている
「ブルーインパルスの東京飛行」
目に見えるものだけでない何か
を通じ合えるわが国民とわが軍の姿に
誇りと感激を覚えました。
あなたの体験談やご感想もお寄せください。
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さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで、来年に思いを馳せます。
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「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
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『ライター・渡邉陽子のコラム (280)
―千歳管制隊(5)―
渡邉陽子
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こんばんは。渡邉陽子です。
ブルーインパルスが東京上空を飛びましたね。いろいろな意見があ
るようですが(なにかやってもなにもやらなくても、文句を言う人
はかならずいるものです)、医療従事者の方が病院で、そして道行
く人々が一様に立ち止まり、みんなスマホ片手に空を見上げている
光景は、本当に素敵でした。私もブルーから元気をもらいました。
4月から休業を余儀なくされている知り合いの飲食店経営者からは
「感動しました。彼らはただのアクロバット飛行隊ではないです。
飛行機乗りとして戦わずして日本を護ってくれています」とメッセ
ージが届きました。
現在発売中の「丸」7月号では珍しく海上保安庁の記事を書きまし
た。就役したばかりの観測船「平洋」の厨房拝見、海保の回転翼機
紹介、パイロット養成学校宮城分校についての3記事です。また同
じく発売中の「PANZER」7月号には、連載中の「神は賽子を振らな
い 第32代陸上自衛隊幕僚長火箱芳文の半生」第15回が掲載されて
います。今回はかつて中隊長として訓練に明け暮れたあの第一空挺
団に、団長として再び、の巻です。
輸送機パイロットOBさま
貴重なご意見ありがとうございます。そういうお話はもっと聞きた
くてたまらなくなります。いろいろな経験をされ、さまざまなエピ
ソードをお持ちのことでしょうね。機会がありましたら、ぜひまた
コメントお寄せいただければ幸いです。
記事掲載のお知らせです。
月刊『丸』7月号では珍しく海上保安庁の記事を書きました。
就役したばかりの観測船「平洋」の厨房拝見、海保の回転
翼機紹介、パイロット養成学校宮城分校についての3記事
です。
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月刊『パンツァー』7月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕
僚長火箱芳文の半生」第15回が掲載されました。
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月刊『正論』6月号に「自衛隊あってのオリンピック」最終回が掲
載されました。
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■千歳管制隊(5)
今週は、航空自衛隊の管制官になるまでの道のりからご紹介します。
最初は術科学校で管制のイロハを学び、卒業後に部隊に配置され現
場での訓練を積み、国交省の管制技能試験を受けます。
これに合格すると、まずはタワーで飛行場管制を担当できるよう、
経験を積んでいきます。ここまでの訓練期間は最短で約2年。
引き続き約1年の訓練を受けて再び国交省の技能試験に合格すると、
今後は着陸誘導管制が行なえるようになります。
そしてさらに2年の訓練期間を積み、最後の技能試験に合格すれば、
ターミナルレーダー管制と進入管制も行なえるようになり、フルレ
イティッド(全資格保有)となります。
飛行場によっては行なっていない業務もあるので、かならずしも4
つの資格すべてが必要というわけではありませんが、千歳の場合は
もちろんフルレイティッドが理想的です。
先週もご紹介した空自OBのK氏からいただいたコメントも、ご紹介
させていただきます。
「訓練機と民間機が交錯するもっとも多忙な時期には、飛行場全体
(ラプコンの管制状況も含めて)の状況を把握させるため、タワー・
ラプコンを統括する管制係長を管制塔に配置しております。
また、航空自衛隊の管制官は5種類ある国交省の管制業務の資格の
うち、航空路管制業務を除く4種類を取得しなければなりませんが、
以前は最初の資格取得のための訓練は、航空管制全体の流れをもっ
とも把握しやすい管制塔から開始し、管制塔の資格取得後ラプコン
の訓練に移行するようにしておりました。」
さて、資格が取得できたからといってほっとするわけにはいきませ
ん。
部署の異動などにより管制業務から離れたのち、再び管制官として
任務を行なうためには、OJTに付いて再訓練が必要となります。
それはどんなにキャリアを積んだベテラン管制官でも例外ではなく、
かつて自分が育てた教え子の指導を受けるというケースもあるとい
います。管制業務がそれだけ個人のスキルを求められる職種だとい
う表れでもありますね。
ところで、パイロットのサポート役として管制官が活躍するように、
管制官をサポートする部署もまた存在します。それが飛行管理と整
備です。
飛行管理は(約5年前のメルマガ第46~53回で飛行管理隊、飛行情
報隊をご紹介しました)、おもに政府高官などが乗る航空機を飛行
監視するフライトサービス業務や、警戒監視部隊のための彼我識別
業務支援として、国土交通省など関係機関とのパイプ役になって情
報を取り扱うAMIS(航空機移動情報処理)業務などを行なっていま
す。
飛行管理員が配置される部隊は千歳のような飛行場のほか、飛行群、
防衛部、飛行管理中枢などが挙げられ、配置部隊によってその業務
の内容が大きく異なるという珍しい職種でもあります。
華のある管制と違って縁の下の力持ち的存在ですが、情報処理の適
時性、迅速性と確実性が重視される、重要かつ不可欠な業務です。
整備業務も同様で、整備員はASR(捜索レーダー)、TACAN(極超短
波全方向方位距離測定装置)、AIS(着陸誘導装置)、PAR(精測レ
ーダー)など、管制官が空を立体的に管制しやすいようにサポート
する装置や、パイロットが欲しい情報を送信する装置の保守・点検・
整備を行ないます。
7か所に分散した器材は全部で12種類、整備員にはこれら複数の整
備をすべてこなす知識と技術が求められます。
当然業務はハードですがその分、千歳管制隊で整備をこなせれば、
日本中どこの管制隊に行っても通用するそうです。
器材は普通に使えて当たり前と思われがちです。その「当たり前」
を提供するために、整備担当の隊員は毎日各サイトを回り、保守点
検を欠かしません。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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PS
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