こんにちは、エンリケです。
きょうも面白いですよ。
私にとって三島は、憂国の士というよりは
「戦後日本では類まれな美の追求者、美と芸術の権化」
という印象があります。
石原さんとペギーさん、そして三島。
ビックリする組み合わせの三人が登場します。
さっそくどうぞ。
エンリケ
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今年4月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』
(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が発売されてい
ます。中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな
自衛隊派遣が行われているこの時期にタイミングを
合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何を
思い、どのような苦労をして、任務をこなしてきた
か、25人の自衛官のリアルな体験記です。
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桜林美佐の「美佐日記」(78)
「一生に一度は観た方がいい」もの
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』は令和2年6月の今回
で78回目です。
福岡というのは暖かい所だと思って来たのですが、
私の住む辺りは冬はとても寒く、ついつい外に出な
くなってしまいがちでした。
最近になってやっと朝夕の散歩や駆け足を再開。や
っぱり外に出ないとだめだなあと再認識しています。
今朝は、久しぶりに走ってみようと裏の麦畑に行く
と、むこうから軽トラックが近づいて来ます。
そして私の前で止まり、運転席のおじさまが「あの
ねー!」と言うので、ひえっと私は凍りつきました。
何か分からないけど怒られるに違いない!と。
すると、袋にいっぱいの玉ねぎを差し出しながら
「こないだ挨拶してくれたけん、渡そうと思って待
っとったんよ」と言うので驚きました。
ええっ~~っ。
確かに毎日、すれ違う人にはやたらめったら「おは
ようございます」「こんにちは」を言っていました
が、まさか挨拶で玉ねぎがもらえるとは!
「最近の人は、挨拶せんでしょ」と、感心してくれ
たようで、なんだか恐縮してしまいました。
いえ、人によっては無視されることもあって、そん
な時は「ちっ、無視かよ」などと悪口を吐いている
こともある自分がかえって恥ずかしい気持ちになっ
たのでした。
そんなわけで、近くの自衛隊に出勤する人たちが多
く通るなか、なぜかジャージで玉ねぎ袋を抱えて歩
いている私がそこに・・。
明日からもハリキッて挨拶をしよう!と誓いました。
そういえば、近所の猫、犬、飼い主、スズメ、カモ、
ヒバリ、カラス・・・なども必ず話しかけているの
で、日に日に近くに寄って来たり、親しくなってき
ているような気がしています。
この他にも、外に出ると色々なことがあります。
先日は、たまたまこれから草むしりをしようとして
いた知人たちとばったり遭遇し、「いいところに来
た!」ということで、結局1時間ばかり手伝うこと
になったり、田んぼにハマった車を助けたり・・。
前回はオンラインの効用を書きましたが、オンライ
ンでできることと絶対にできないことをバランスよ
く両立できれば、アフターコロナの暮らしはますま
す豊かになりそうですね!
また、在宅の状態での画期的な出会いもありました。
それはミュージカルです。
以前、映画を観てミュージカル女優を目指したくな
った話を書いたことがありますが、今回は本場の劇
場でのもの。
実はこのコロナ自粛期間中にYouTubeで無料でミュー
ジカル鑑賞ができるプログラムがあったのです。
「オペラ座の怪人」や「ジーザス・クライスト・ス
ーパースター」などの作曲家アンドリュー・ロイド・
ウェバーが期間限定のサイト「The Shows Must Go
On!」を開設し、週末に48時間限定でいくつかの
作品を公開していたのです。
因みに私はミュージカルに全く詳しくありません。
しかし、一度はホンモノを観てみたいとかねて思っ
ていました。
それはずいぶん前に聞いた話がきっかけでした。
その頃、私は石原慎太郎・元東京都知事の対談番組
の構成作家をしていました。
ある時、故ペギー葉山さんがゲストで出演すること
になり、石原都知事とは旧知の仲だったため、こち
らからゲストの資料を渡す必要もなく、ただお二人
の話を楽しく聴いているだけの時がありました。
その中で非常に印象に残ったのが、お二人が若かり
し頃に、当時よく集っていた仲間と市ヶ谷のステー
キハウスにいると(どこなんだろう・・)、そこに
ニューヨークから帰ったばかりの三島由紀夫が到着
し、興奮した様子で「ニューヨークで観たミュージ
カルが素晴らしかった!」と、ずっと喋っていたと
いう思い出でした。
三島氏についての逸話は、自衛隊に関わる仕事をし
ていると触れる機会が多いですし、また日本の国体
など論じる人たちの口からその名前を聞くことは頻
繁にあるわけですが、このようなリアリティのある、
息遣いが聞こえてきそうな話は初めて聞きましたの
で、忘れられないものでした。
しかも、ペギー葉山さんという、意外な方のお話で
したのでなおさらでした。余談ですが、私はこの時
にペギーさんのご自宅に打合せに伺っていたことも
思い出します。色々と貴重な経験をさせてもらって
いるものです。
話が逸れましたが、とにかくその三島さんが「一生
に一度は観た方がいい」と言ったというので、私は
その言葉をいつも思い出し、チャンスをずっと待っ
ていました。
まさかこのコロナ自粛が待望の機会を与えてくれる
とは!
で、このYouTube企画で何度か鑑賞しようと試みた
のですが、そのつど、中途でギブアップしなければ
なりませんでした。
なにせ、字幕もありませんし「オペラ座の怪人」と
かちょっと難しい・・・。そこで、何度かやり過ご
し、もう後がない最終回の「キャッツ」にトライ!
えーと、多分このメルマガを読んでいる皆さんの中
で「キャッツ」を観たことがある方って少ないんじ
ゃないかと思いますが、もしご覧になった経験がお
ありでしたら教えて下さい、この物語の内容をどの
ように説明するのかを・・。
むりやり鑑賞に付き合ってくれた家人に、あらすじ
を調べて説明したのですが、説明する自分でもよく
分からないという状況に陥るばかり。
このお話はT・S・エリオットによる詩集『キャッツ─
ポッサムおじさんの猫とつき合う法』(The Old
Possum's Book of Practical Cats)を元にしたミ
ュージカル作品だということで、元々、詩集を劇に
していることから難解なのは仕方がないようです。
しかし、このような超人気作品の内容が理解できな
いなんてどうしてくれよう!と途中で何度も頭を抱
えましたが、どうも調べるとみんなが難解だと思っ
ているということでしたので急に安心しました。
そんな中、ゴミ捨て場でボロボロになった猫が、あ
の名曲「メモリー」を歌うシーンになると状況は一
変します。
私は8年前に癌になって死んでしまった飼い猫「か
じた」のことを思い出し、かじた君が歌っているよ
うな気持ちになり号泣!!最後まで涙が止まりませ
んでした。
結局「キャッツ」というのは、猫を飼ったことがあ
る人の思い出に働きかける話なんじゃないかと、私
は理解しました。
みんなそれぞれの「キャッツ」(あるいはドッグ)
の記憶があって、それぞれの姿を脳裏に浮かべて涙
するのが「CAT’S」なのだと(※あくまで個人の感
想です。悪しからず)。
何はともあれ、これで私は「本場のミュージカルを
観た」ことになります。飛行機にも乗らず、高額な
チケットも買わずに無料で一つ経験値を積めたので
すからなんともありがたいではありませんか。
こうして私は三島由紀夫さんの言う「一度は観るべ
き」経験を達成できたのです。
(おわり)
<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップして
いる「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元
海将に解説をして頂き、私はリモート出演です。
(先週はお休みでした。ごめんなさい!)
http://okigunnji.com/url/42/
(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリ
ーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(PH
P研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。
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(代表・エンリケ航海王子)
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