配信日時 2020/05/29 20:00

【加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編】世界の秘密兵器(24) 「米軍の最強兵器9「F-35ライトニングII」」

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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽に
どうぞ
 
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp
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こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出まし
た。今回はMP5です。

「MP5サブマシンガン」
L.トンプソン (著), 床井雅美 (監訳), 加藤喬 (翻訳)
発売日: 2019/2/5
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いま中共を面と向かって非難できるのは、
アメリカ、というかトランプだけですね。

ポストコロナの世界秩序の構図は、
素人の目にも明らかなのですが、
そのために必要なすべてがわが国で行われていない
気がします。

ポスト冷戦時と同じ過ちを
あらためて繰り返しそうで
何ともイヤな気分です。

国民一人一人が、戦後日本的なくびきから
心身共に自らを解き放ち、
戦後日本的でない発想で、
わが国を導く感覚が必要です。

現実的=戦後日本的なもの・ことの枠内

な発想では、わが国はもう持たない感を持ちます。


とりあえず、
キンペーの国賓招待には
一日本国民として
「断固反対」します。


さっそくどうぞ

エンリケ


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加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編     

世界の秘密兵器(24)
 「米軍の最強兵器9「F-35ライトニングII」」

Takashi Kato

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□トランプツイッター5月17日付

昨今、日本の新聞を読んでいると「激怒」と「逆上」
の二言がやけに目につきます。中国外交部の紋切り
型表現「強烈な不満」同様、どのような基準で判定
されているのか不明ですが、トランプ大統領を描写
する際にもよく使われます。

先日「米国の新型コロナウイルス検査件数が世界一
になった」と発表した大統領に「多くの感染者が毎
日亡くなっているのに、なぜ検査数が重要なのか?」
と中国系米国人記者が迫りました。氏は「それは中
国に聞くべきだ。面白い答えが返ってくるだろう」
といなし、ほどなく会見を中止。日本の新聞各紙は
これを人種偏見や過剰反応と捉え、われ先に例の常
套句を大統領に張り付けていました。

しかしよく考えてみると、この数か月、明けても暮
れても「検査数が足りない」と政権を批判し続けて
きたのは当の主流メディア。ところが検査数で揚げ
足が取れぬと見るや、返す刀で「なぜ検査数が重要
か」とくる。これではトランプ氏でなくても、マス
コミの場当たり的やり方に辟易とします。

 大統領が中国寄りの世界保健機関(WHO) からの
脱退や中国との断交を示唆したことに関しては、
「暴走」と論評する日本の新聞もありました。また、
米中経済冷戦が「熱い戦争」になる可能性を憂慮す
る声も聴かれます。確かに、ワイルドカード大統領
の発言は問題の核心を容赦なく突いて相手を追い詰
め、かつ、極めて挑発的です。また強い自我を隠そ
うともせず、外交儀礼や慣例を意に介さぬ態度は
「御しがたいワンマン」とも映りましょう。しかし、
わたしはあまり心配していません。人目を引く奔放
な挙動は、恐らく周到な計算とリハーサルを重ねた
演技だろうからです。

 大統領就任前の10年間、トランプ氏は高視聴率
を誇るビジネスものリアリティ番組『アプレンティ
ス(見習い)』のホストを務めていました。実際、
同番組出演で得た知名度のお陰で、ホワイトハウス
への道が開けたと言われるほどです。

 不動産王トランプ氏の役どころは「極めてダイナ
ミックで有能だが辛辣きわまりないワンマンボス」。
大物実業家の右腕たらんと競う十数名の参加者のう
ち、毎回番組の最後で1名ずつ淘汰されていく筋書
きです。その際の決め台詞が「キミは馘(クビ)だ!」
つまり視聴者にとって、トランプ氏は「憎らしいが
惹きつけられる悪役」だったわけです。

 お察しの通り、このイメージは大統領ドナルド・
トランプにそのまま当てはまります。テレビホスト
と大統領は立場が違うと言うなかれ。生き馬の目を
抜く不動産業界で名を成し、かつ複数の破産からも
立ち直った経歴は、氏の大胆不敵な言動が、明晰な
思考に裏打ちされたものであることを示しています。
テドロスWHO事務局長や習近平国家主席に対するあか
らさまな挑戦も、持ち前のビジネス感覚から割り出
された布石でしょう。

 ただし今回のツイッターにも滲ませているように、
武漢ウイルスによって右肩上がりだった米国経済を
台無しにされた憤慨と屈辱は演技ではありません。
堅調な景気から確実視されていた再選に注意信号が
灯ったのですからなおさらです。

 中国共産党に向けられたトランプ氏の失望をパフ
ォーマンスと読み違えては命取り。安倍政権が習国
家主席の国賓招待に固執し、これからも中国寄りの
政策を続けると、正真正銘の「激怒」にさらされま
しょう。同盟パートナーとして「君はクビだ!」と
言われてからでは遅すぎます。

 本日のツイッター、キーワードは blow someone
away。「相手を吹き飛ばす/完全に負かす」と言う意
味です。

Why is it that China, for decades, and with a
population much bigger than ours, is paying a
tiny fraction of $’s to The World Health
Organization, The United Nations and, worst
of all, The World Trade Organization, where
they are considered a so-called “developing
country” and.......are therefore given massive
advantages over The United States, and everyone
else? Prior to the Plague floating in from
China, our Economy was blowing everybody away,
the best of any country, EVER. We will be
there again, and soon!

「米国より人口がはるかに多い中国が、国際保健機
関や国連、そして一番困ったことに、世界貿易機関
への拠出金のほんの一部しか払っていないのはなぜ
だ? 中国がこれらの機関に「開発途上国」とみな
され、アメリカやその他の国々より大幅に優遇され
ている理由は? 中国で蔓延していた伝染病にやら
れる前、わが国の経済は他のいかなる国も寄せ付け
ないほど右肩上がりだった。米国はほどなくあの好
況を取り戻す!」


▼米軍の最強兵器9「F-35ライトニングII」


 兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。

「加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。今回はF35ライトニングII
ステルス戦闘機とレーガン大統領が起ち上げた戦略
防衛構想(SDI)の共通点を考察します。

戦略防衛構想(SDI)とは、1984年レーガン大統
領が「核兵器を時代遅れにすることで真の世界平和
を実現する」との信念に基づき起ち上げたもので、
軌道上に配備されたレーザー衛星によってソビエト
から飛来する大陸間弾道弾を撃墜する計画でした。
その壮大なスケールから「スターウォーズ計画」と
も呼ばれました。当時すでに財政が疲弊していたソ
ビエトにとって、SDIに対抗する軍拡が国家崩壊の引
き金になったと言われています。スターウォーズ計
画は予算超過と技術的困難から実現しなかったもの
の、レーガン氏の思惑通り東西冷戦を終結させる役
割は果たしたことになります。

F-35ライトニングIIステルス戦闘機は、これまでに
見てきたB-2爆撃機やF-22戦闘機などと同様、レーダ
ー反射断面積(Radar Cross-Section: RCS)を極力軽
減することで、敵レーダーに探知されにくいステル
ス性を実現しています。敵側にすれば、ステルス性
の高い米軍機を発見できる新たなレーダー技術開発
を強いられる訳です。

本ビデオでも指摘されているように、大は空母を守
る対空ミサイルのレーダーから小は携帯対空ミサイ
ルのレーダーまで、あらゆる防空体制の見直しと更
新が必要になるのです。

武漢ウイルスで疲弊した中国経済は、パンデミック
終息後、世界各国が中国から資本を引き揚げるチャ
イナディスタンシングとサプライチェーン外しでさ
らに弱体化しましょう。そこに持ってきて、F-35を
はじめとする米ステルス機への対応で巨額の軍事支
出を余儀なくされます。F-35などのステルス機が第
二のSDIになるかどうか、今後の米中軍事・経済情勢
を注視する必要がありそうです。

(F35ステルス戦闘機のイントロダクションは11:1
4から始まります)


基本語彙 (カタカナ発音表示はおおざっぱなものです)
Air defense(エア・ディフェンス)防空 防空手段
Man-portable(マン・ポータブル)一人で持ち運べる 携帯式
Optimize(オプティマイズ)最大限に高める 最適化する

シナリオ (12:30から始まります)

  All of China’s air defenses, from missiles
guarding aircraft carriers to man-portable
systems, would have to be optimized against
stealth crafts.

(空母を守るミサイルから一人で持ち運べる携帯ミ
サイルまで、中国のあらゆる防空システムはステル
ス機に対する探知能力を最大限に高めなければなら
なくなる)

教材ビデオ: https://www.youtube.com/watch?v=oVB30NgFg8w&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=116&t=17s

(F-35ステルス戦闘機のビデオは最後まで続きます)


英語一言アドバイス:
 man-portable はman(人)+portable(運搬できる)、
すなわち「一人で持ち運びできる」とか「携帯式」
を意味します。「一人で持ち運べる発電機」は
man-portable generator。「兵一人で使える対戦車
ミサイル」なら man-portable anti-tank missile
になります。

発音サイト:
manの発音https://www.youtube.com/watch?v=jLP0WEdiav8
Portableの発音 https://www.youtube.com/watch?v=UFpgmsI_hk8

参考サイト:
F-35ライトニングIIステルス戦闘機 https://en.wikipedia.org/wiki/Lockheed_Martin_F-35_Lightning_II
(本サイトの日本語版に移行してください)

戦略防衛構想 https://en.wikipedia.org/wiki/Strategic_Defense_Initiative
(本サイトの日本語版に移行してください)



(かとう・たかし)



●著者略歴
 
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃(近刊)』(いずれも
並木書房)がある。
 
 
追記
「MP5サブマシンガン」
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『チューズデーに逢うまで』発売中
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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X 
 
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
 
 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
 
 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。 
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac" 
と表現します。
 
 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
 
加藤 喬
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