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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
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こんにちは、エンリケです。
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は、陸戦兵器や装備に興味ある人にとっては、
知的体力を養う上で欠かせない
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得難い本です。
●月刊『軍事研究』(2020年3月号)で、
「国産製品が割高・低性能の誤解を解く!
『日本が弾薬を国産する理由』」という市川さんの
記事が掲載されました。不良弾や欠品が許されない
国内事情、継戦能力の確保だけではない弾薬を国産
する理由が解説されています。
ご一読をおススメします。
『軍事研究』
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「防衛予算から読み解く日本の防衛力」第二部の
十五回目です。
今回のコロナ対処。
「外国ガー」とか「出羽守」であれこれ屁理屈つけ
て文句を言う向きもありますが、現実を素直に見れ
ば、わが国は対処に成功したとみるのが自然です。
そんなことを思っていた時、文中で
<一部だけ見て海外ものが優れると考えるのは、
装備品の輸入と国産の優劣にも繋がるところです。>
とありました。
まさにそのとおり
思わず手を打ちました。
コロナでも兵器国産でもなんでも、
わが国内では、同じ仕組みで世論操作が行われてい
るわけです。
では今日の記事、
さっそくどうぞ
それにしても、きょうの記事は
「なぜ防衛産業はもうからないか?」
ともいうべき内容でw、ほぼすべての国民が
知らない、いや、真逆の内容を脳内に植え込まれて
いるはずの、「目からうろこの内容」です。
危機の深刻さに身震いしました。
エンリケ
追伸
冒頭文にもある、民主党政権への批判は
永遠に伝えていかなきゃいけませんね。
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防衛予算から読み解く日本の防衛力(36)
第2部 危機的状況にある日本の安全保障体制(15)
FMS調達の増加と防衛産業の衰退(その2)
市川文一(元武器学校長・陸将補)
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□はじめに
過去に2度、自民党以外の革新系政権時に、今回の
新型コロナ感染のような国難ともいえる事案が生起
しています。社会党の村山政権での阪神大震災と民
主党の菅政権での東北大震災です。菅政権での災害
対応が非常に稚拙であったのは記憶に新しいところ
ですが、村山政権時の対応も酷いものでした。
何が拙かったのかの例を挙げると切りがないので
省略しますが、中でも阪神大震災での自衛隊の運用
と東北大震災での原発対応は、人災と言った方が的
確なほど酷いものでした。歴史に「もし」は禁句で
すが、自民党政権であれば被害はもっと小さく抑え
られたはずです。原発についても、水素爆発は起こ
らず、逆に、安全性が認められ開発が加速していた
かもしれません。
今回は、3度目の正直で、革新系政権でなかった
ことは不幸中の幸いだったといえます。本コーナー
で感染初期の政権の対応の拙さを指摘しましたが、
国民のガバナビリティ(被統治能力)と相まって、
総じて、上手く対応できているかと思われます。そ
れは、感染者数の爆発的な拡大を封じ込めた事実が
物語っています。
他国の政策のいいとこ取りをして、日本政府の対応
を批判することは簡単ですが、国民性や国内事情、
法律や政府権限も違う国で同じことができるかどう
かは疑問が多いところです。一部だけ見て海外もの
が優れると考えるのは、装備品の輸入と国産の優劣
にも繋がるところです。
経済対策にしても、国難ともいえる状況下で全てを
救えるわけではありません。また、マスコミは一部
の不満の声を大きく伝えますが、それが全国の現状
を正確に表しているわけではありません。経済対策
の基本は、まずは個人が最低限の生活ができること
と、国家規模の経済的混乱を起こさないことです。
それ以上は、日本の財政と行政機関の規模では不可
能です。
行政機関の能力も公務員削減の煽りで限定的になっ
ています。「規制を緩和して民間活力を使い行政機
構を小さくする」というのが、ここ20年間の流れで
す。その流れを作った主体は国民とマスコミ、実行
は小泉政権です。
不測事態や国難に備えるということは、普段は使用
しないものを持つということです。保険と同じで、
無駄とも思えるものです。不測事態や国難において
国に対して万全の対応を求めるならば、平素の準備
が必要でお金もかかります。その最たるものが防衛
力です。
▼国産装備品の価格はどうやって決まるのか
全体の防衛予算が変わらない中でFMS調達の増加に伴
い減少するのが国産装備品の調達です。国産装備品
の調達が減れば、今まで防衛専用品を製造していた
国内メーカーの売り上げに直接ダメージを与えます。
国産装備品は防衛省の調達部門(現在の装備庁)に
より厳格に単価が管理されてきたため、その利益も
限定されています。防衛産業は儲かるという認識は
完全に間違っています。
防衛装備品は、一般市場で取引されるものと異なり
価格が定まっていません。一般市場では商品の需要
と供給や希少価値性、流行やブランド価値などの要
素から価格が変動しながらある一定値に収束してい
きます。ところが国産の防衛装備品は需要が自衛隊
のみであるために価格が定まりません。
これに対して、海外産の兵器のように大量生産され
世界で売買されているものについては、一般の商品
と同様に価格が定まります。なお、米国のFMSのよ
うに国の秘密が含まれる兵器については生産国の政
府の意向が反映されます。このように一般商品と同
じ仕組みで合理的に価格が決められていることも、
装備品の輸入を推奨する大きな理由の一つとなって
います。
国産装備品は市場で価格が定まらないために、装備
品の価格がメーカー有利に決められているだろうと
いう誤解が、防衛産業は儲かるという認識に繋がっ
ていると思われます。しかしながら、そのあたりは
防衛省の装備庁、古くは防衛庁の調達実施本部でし
っかりと管理されています。
市場で価格が決まらない装備品は、原価計算方式に
より装備庁が価格を計算してから、メーカーとやり
取りをして最終的に価格が定まります。当然、装備
庁はできるだけ安い価格に、メーカーはできるだけ
高い価格にという交渉となります。また、競争性が
働くように競争入札と同様の制度も取り入れられて
います。
原価計算方式とは、材料の価格、材料を加工して部
品を作る際の労務費、部品を組み立てて本体を作る
際の労務費、材料を加工したり組み立てたりすると
きに使用する工作機械や工具の費用、工場を運営す
るための光熱水料、労務管理や品質管理、販売に要
する費用等、装備品が鋼材等の原料から本体ができ
あがるまでにかかった費用を全て積み上げます。
このよう積み上げられた価格に利益を乗せます。乗
せる利益についても、日本の各種メーカーが上げる
利益の平均値を基準に装備品の特性や装備品を製造
するメーカーの特性を若干加味して定めます。当然、
日本全国には利益をたくさん上げているメーカーも
あれば、ほとんど利益のでないメーカーもあります
から、平均的な利益は決して高い数値ではありませ
ん。
なお、原材料価格や光熱水料の費用、メーカー内で
発生する人件費等の費用も証拠書類によりチェック
します。材料加工、部品の組み立てに関わる労務費
も他のメーカーの費用と比較し、妥当なものである
かを審査します。さらには、定期、または不定期で
メーカーに装備庁の担当者が赴き現地でメーカーの
提出した資料の確認も行なっています。
装備品については、過去に何度かメーカーからの過
大請求事案(ほとんどは労務費の水増し)が発生し
ているため、そのつど、原価計算方式の適用は厳格
になっており、少しの誤魔化しも許されない制度に
なっています。防衛産業の利点は、取引先が政府で
あり、国内装備品調達が安定的にあれば将来の売り
上げが予測でき安定した企業経営ができるというこ
とです。決して、大きな利益が得られるからではあ
りません。しかし、その利点も、国産装備品の調達
量の減少で失われつつあります。
(つづく)
(いちかわ・ふみかず)
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【著者紹介】
市川文一(いちかわ・ふみかず)
1961年生まれ。長野県出身。防衛大学校27期生。
1983年、陸上自衛隊に入隊。
2002年に1等陸佐に昇任後、第13後方支援隊長、統合
幕僚監部人事室長、装備施設本部武器課長、陸上幕
僚監部武器・化学課長、東北方面後方支援隊長、愛
知地方協力本部長として勤務、
2015年陸将補に昇任後、陸上自衛隊武器学校長の勤
務を最後に2017年8月に退官。退官後の9月には
YouTube「桜林美佐の国防ニュース最前線」に出演。
2019年9月に新刊『不思議で面白い陸戦兵器』を刊
行。
2017/9 YouTube「桜林美佐の国防ニュース最前線」
に出演。
https://youtu.be/6hPY3vgpidw
2017/10/21「桜林美佐の国防ニュース最前線」に出
演
https://youtu.be/jESYh1lIeSE
2018/2/10「桜林美佐の国防ニュース最前線」に出演
https://youtu.be/D_md0ZSJNds
2018/6/9「桜林美佐の国防ニュース最前線」に出演
https://youtu.be/eHnT9jvqQjk
2018/10/6「桜林美佐の国防ニュース最前線」に出演
https://youtu.be/aEOhNJ3twN0
著書に、
『猫でもわかる防衛論』(大陽出版)
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「不思議で面白い陸戦兵器」(並木書房)
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