こんにちは、エンリケです。
千歳管制隊のニ回目です。
思わぬトリビアを得られました!
あなたの体験談やご感想もお寄せください。
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さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
東京五輪は一年延期されました。
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
を読んで、来年に思いを馳せます。
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「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
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『ライター・渡邉陽子のコラム (277)
―千歳管制隊(2)―
渡邉陽子
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こんばんは。渡邉陽子です。
先週はお休みさせていただきましたが、今週からまたよろしくお願
いいたします。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、ジャズピアニストの
小曽根真さんが、毎晩2100から1時間、自宅リビングからライブ配
信をしています。基本的に2度同じ曲を演奏することはなく、ジャ
ズのスタンダートからポップス、はては「ドラえもん」まで、レパ
ートリーの豊富さと小曽根さんのトークで、ときに口ずさみ、とき
に涙して、あっという間の1時間です。先月から毎晩欠かさず配信
してくださっていて、殺伐とした毎日ながら、1日の終わりは穏や
かな気持ちで迎えることができています。Facebookの小曽根さんの
ページから(公式と2つありますが、公式ではない小曽根さん個人
のページのほうです)毎晩配信されていますので、興味のある方は
ぜひ聴いてみてください。リビングの雰囲気も、照明やカメラワー
クも素敵ですよ。この演奏を毎晩無料で楽しませてもらえるなんて、
コロナ禍における数少ない「うれしいこと」のひとつです。
記事掲載のお知らせです。
月刊『正論』6月号に「自衛隊あってのオリンピック」最終回が掲
載されました。
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月刊『丸』6月号に「現代の工兵/陸自施設科部隊の任務と装備」
「オスプレイは危険な航空機か」のふたつの記事が掲載されました。
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月刊『パンツァー』6月号に「神は賽子を振らない 第32代陸上幕
僚長火箱芳文の半生」第14回が掲載されました。
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■千歳管制隊(2)
千歳管制隊のお話、今回は管制業務の花形ともいえるタワーと、そ
この管制官の仕事をご紹介します。
高い場所から分刻みで離発着する航空機を誘導する華やかにも思え
る職場は、実際には重圧と緊張の連続というきわめてハードなとこ
ろです。
隊長以下約160名。
管制隊の規模としては自衛隊の中でも最大級である千歳管制隊の業
務は、大きく3つにわけられます。
まず、飛行場管制業務、着陸誘導管制業務、ターミナルレーダー・
進入管制業務という3つの管制業務からなる航空交通管制業務。
そして飛行管理および航空機移動情報業務、さらに保有機器の保守・
整備業務が挙げられます。
隣接している2つの飛行場の特性は大きく異なります。
千歳飛行場では任務機(スクランブル、救難、海上保安庁)の迅速
な発進帰投、空自訓練機の訓練効率を高めることが求められます。
一方、新千歳空港では民航機に不可欠な定時性が求められます。飛
行機の遅延って降りた後のスケジュールに大きく影響するので、嫌
なものですよね。千歳管制隊も、そこはもちろんよくわかっていま
す。
安全確保を大前提に相反するニーズの両立を図る、それが千歳の特
性であり難しさでもあるわけです。
さて、飛行管制隊と聞いてもっともイメージしやすいのは、おそら
く管制塔とそこで働く管制官でしょう。
「タワー」とシンプルに呼ばれる飛行場管制所は、ビル16階分に相
当する高さ。飛行場管制業務が行なわれている管制室は、地上61.
8mに位置しています。
ここでは飛行場に離着陸する航空機および飛行場の周辺を飛行する
航空機、ならびに滑走路と誘導路上の航空機・車両に対する管制業
務を、11~15名の管制官で行なっています。
ノンストップで数10mを上るエレベーターを降り、最後の2階分を
階段で上がると、そこは360度の展望が開けている管制室です。
左右の飛行場に向かい合う形で3つずつ座席が並び、コンソール
(管制卓)には無線機の操作盤、風向風速計、スピーカー、飛行場
情報表示装置、各席とのインターカム、車両無線、ターミナル管制
所とのホットラインなどが、ところ狭しと配置されています。
千歳飛行場側から見て、向かって右手は誘導路上の航空機や車両な
どのコントロールを行う地上管制席です。
その隣は航空機の運航などに関し関係機関と連絡調整する副管制席、
そして航空機の離発着の許可や指示などを航空機に伝達する、飛行
場管制業務の中心ともいうべき飛行場管制席と続きます。
これとまったく同じ3席が、新千歳空港側にも並んでいます。こう
やって、同じタワーの同じフロアにいながら、ふたつの異なる飛行
場の管制業務を一元的に行うのです。
ただし、自衛隊側ではタッチアンドゴーの訓練やスクランブル発動
など複雑で入り組んだ管制が、民航側では過密な運航スケジュール
を1分の狂いもなくこなす管制が求められます。
左右の管制席の間に位置するのが、この隣接した両飛行場の離着陸
を安全かつ効率的に行なえるよう統制する統制管制席。
自衛隊が使用する飛行場の中で統制管制席が設けられているのは、
ここ千歳だけです。
その隣は現場指揮を司る運用主任席。階級に関係なく必要な資格を
保有したベテラン管制官が担当するので、幹部自衛官が空曹の指揮
下で管制業務を行なうという珍しい現象もときには生じます。ちょ
っとトリビアですよね。
そして統制管制席と運用主任席の背後には、計器飛行方式で出発す
る航空機に対し、管制区管制所から受領した管制承認を伝達する管
制承認伝達席と副運用主任席があります。
つまり座席の数だけ異なる役割があるわけで、管制官ひとりひとり
にかかる責任の重さとプレッシャーの大きさは並大抵のものではあ
りません。
管制官たちは基本的にどの席の業務もこなせなければなりませんが、
とりわけ極度の緊張を強いられるポジションは飛行場管制席だそう。
そのため、ほぼ1時間ごとに配置を変更し、長時間同じ業務を担当
しないようになっています。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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