こんにちは、エンリケです。

生の声から伝わることは多々ありますね。

では今日の記事、さっそくどうぞ。


エンリケ


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今年４月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第２弾『自衛官が語る海外活動の記録』
（桜林美佐監修・自衛隊家族会編）が発売されてい
ます。中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな
自衛隊派遣が行われているこの時期にタイミングを
合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何を
思い、どのような苦労をして、任務をこなしてきた
か、２５人の自衛官のリアルな体験記です。

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桜林美佐の「美佐日記」（７５）

「今だからこそ」できること

桜林美佐（防衛問題研究家）
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』は令和２年５月の今回
で７５回目です。

拙い日記に対しメッセージをお寄せ頂きました。ま
ずは元陸自幹部のＧさんから激励頂き、ありがたい
です！

弟さんが休業補償に関連したお仕事をされていると
いうことですが、自宅にいなければならないにもか
かわらず「役人の作る資料が難しすぎて計算がとて
も厄介と愚痴をこぼしていること。何のための支援
なんだか」ということで、やはり、どこもそのよう
ですね・・。

さらに自衛隊のアウトソーシングについて、ご自身
の経験からも「部隊は大丈夫かと、とても心配にな
ります。ちょっと昔のように一部の糧食勤務を復活
して、調理師免許も取得させれば隊員のためにもい
いのになぁと思った次第です」というご意見でした。

自衛隊が色々な機能を削減してきた苦悩の経緯を思
うと胸が痛みます。当然、自衛官はそんなことはし
たくなかったのでしょうが、限られた資源でやって
いくためにカットせざるを得なかったものは多々あ
ると想像します。

今でこそ「防衛費を増額すべき」と言う人も増えま
したが、長い間、とにかく効率化することが要求さ
れてきましたし「有事になったら困る」という説明
は「仮定の話」だと切って捨てられてきたのです。
悔しいですね。

そしてもう一つ頂いた反響は、自衛官の奥様Ｎさん
から。

「今回の美佐日記で少し元気が出ましたのでお礼の
お便りです」と頂き、感激しました。

Ｎさんも元自衛官で「これまでの災害派遣から現在
のコロナ禍に至るまで、ずっとモヤモヤした気持ち
で過ごしておりました」と言われます。

「何でも世間の不満が公務員に向けられる……給付
金は辞退せよ等……」とあり、周囲の理解がない中
で過ごさねばならないご家族の苦労が分かります。
「人知れず黙々と国民のために働いている姿を知っ
ているだけに悔しいです」と。

また、自衛隊を「何でも屋」扱いにして欲しくない
と訴えられています。「自粛中に遊び歩いてる奴が
いるから自衛隊出動して抑えろ！等、国民自らが律
すれば良いことを人任せにして欲しくない……。彼
らには本来国防という任務があるからで、そちらに
備え常に待機している事を忘れないで欲しいので
す……」と。

　本当におっしゃる通りですね！また、コロナによ
る自粛もあり家族の対面ができない日数も重なって
いるようです。

「主人は現在単身赴任をしています。転勤してから
1年半ほど経ちますが、自宅に帰宅できたのはたった
の１日のみ。私も元自なのでそれは当然だと理解し
ていますが、やはり中年は健康面が心配です」

年に数回は様子見に訪問することはできても、今は
それも自粛するしかない状況だということで、ご主
人の様子を知ることができる様々な情報（たとえば、
その地域のニュースとか）は、やはり気になること
と思います。

最近はテレビ電話を使って家族と食事をする方もい
るとはいいますが、まだまだ少数派でしょうし、電
話をしても、どこで何が起きたとか、たくさんお喋
りしない自衛官のほうが主流でしょうから、今回の
ように会えない期間が長くなると心配ですよね……。
「QA」を作って！？（Answerはこっちが作らないで
しょうけど！）根掘り葉掘り聞くしかありません。

また、健康面についても、自衛隊だとお昼は栄養士
さんが考えた献立を食べられますが（自前でお弁当
などを持って行く人もいるようですが）、朝晩や休
日はどうしているのか、気になるところです。

近所の幹部自衛官の方は「電子レンジ作れる」シリ
ーズを買いそろえ、ご飯を炊くのも焼き魚もレンジ
で行なうのだそうです。

毎朝、かなり早くから起きて朝食を作るとのことで
「かなりクオリティは高い」（本人談）のだそうで
す。

なお、レンジ調理グッズはけっこう多種多様で、
１００円ショップに行けば手に入るものばかりです。
ラーメンもパスタもOKです。このあたりは自衛官の
方が詳しいかもしれませんが。

ちなみに私は最近「圧力パック」というものを購入
しました。これは袋に材料と調味料を入れてレンジ
でチンすると肉じゃがなどが出来上がるというもの。
レンジグルメは進化し続けております。

上記のような自分で作る方はあまり心配ないと思い
ますが、ここ福岡は、ラーメンやうどんばかり食べ
に行く可能性が高い場所、愛好家も多いと思われま
すが、できるだけ皆さんには地元のご飯を食べて欲
しいと私は思います。

九州オリジナルのファミレスが近くにあるのですが、
ここはドリンクバー付き朝定食がなんと１日中頼め
て、お米もとっても美味しいのです！

東京には赤坂にあり、けっこう通いました。福岡に
引っ越すことが決まり、東京を離れる前に最後のラ
ンチ（といっても朝定食ですが）を味わおうと午後
２時くらいに入り、ひとりで堪能していると、ここ
に来ればいるだろうということで大学時代の友人が
次々に会いに来て、結局、晩ご飯まで食べて９時頃
まで長居したことがあります。

で、福岡に着いたら、なんと同じ店がたくさんあっ
てビックリ。最後の晩餐、別の店でよかったんじゃ
ないの～～！！というのが、福岡上陸時の心の叫び
でした。

そんなことはどうでもいいのですが、とにかく福岡
や佐賀はお米もとても美味しく食べられますので、
単身の方にも積極的に取り入れてもらいたいなあと
思っています。

さて、Ｎさんは県外ナンバーの件も心配されていま
す（自衛官の自家用車は県外ナンバーが多く、自粛
要請の中で県外から遊びに来たと勘違いされている
事案）。

地元の自衛隊に属することを示すカードを提示する
試みは、福岡県の一部で実施されているようですが、
他の部隊等ではどのようになっているか承知してい
ません。

もし、自衛隊関係者の方が読者の中にいらっしゃる
ようでしたら、ぜひこの取り組みを全国の自衛隊に
知ってもらえるよう広めて頂ければありがたいです。

「夫は大人なので放置？で済みますが、ご子息ご息
女を入隊させた親御さんらはさらに不安でしょうね。
最近はSNS発信も増えましたが、世代によって従来
の紙の広報誌もまた有難いのにな……と感じました」

ともありました。そうなんですよね、SNSは万能で
はないですし、紙媒体はまだまだニーズが高いと思
います。広報関係者はTwitterなどで忙しいとは思
われますが、ぜひ紙のほうも引き続きお願いしたい
ものです。

　先の見通せない状況が続いていますが、何か「今
だからこそ」できることを見つけられたらいいなと
思っています。特に新隊員さんとそのご家族には試
練の時ですが、ひとつでもこの期間の目標を設定し
て頑張って欲しいと思います！


＜おしらせ＞

１.ムック本の『データで読み解く　日本の真実』
（エイムック　１２００円）が今月発売され「防衛」
のページを担当しました。他に「政治」「経済」
「情報」「社会」「教育」「医療」「ジェンダー」
「宗教」のデータが収録されています。

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２.YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップし
ている「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元
海将に解説をして頂き、私はリモート出演です。

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（さくらばやし・みさ）



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【著者紹介】
桜林美佐（さくらばやし・みさ）
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリ
ーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業［改訂版］』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
（いずれも並木書房）、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』（PH
P研究所）、『日本に自衛隊がいてよかった』（産
経新聞出版）、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』（ワニブックス）。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。


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