配信日時 2020/05/04 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(74)】コロナ禍でも充実した連休を過ごされますように

こんにちは、エンリケです。

<ケチなことは言いたくありませんが、自衛隊の自
己完結のためのあらゆる能力を使い勝手のいい道具
と勘違いしている政治家の先生はいませんか? 皆
さん、自分のことじゃないと思っているかもしれま
せんが、よくよく振り返って下さいね~~。>

に、激しく深く広く(もっと言葉ないかな?)同意
します!


さて桜林さんは、
ことしも、夕刊フジGW特別号に寄稿されたそうです。

外出する楽しみが一つ増えました。


ラジオ番組の台本も新しく書かれたそうです。


では今日の記事、さっそくどうぞ。


エンリケ


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今年4月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』
(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が発売されてい
ます。中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな
自衛隊派遣が行われているこの時期にタイミングを
合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何を
思い、どのような苦労をして、任務をこなしてきた
か、25人の自衛官のリアルな体験記です。

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桜林美佐の「美佐日記」(74)

コロナ禍でも充実した連休を過ごされますように

桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』は令和2年5月の今回
で74回目です。

 前々回の市川文一さんのメルマガからも、毎年予
算を使い切らなくてはいけない官僚の方々には、な
かなか民間の人の資金繰りの感覚は分かり得ないこ
とが改めて分かります。

このように「分からないことを知っている」人はま
だいいのですが、分かっていないのに「商売してる
んだからもっと努力しないといけない」とか「ビジ
ネスライクにしなければだめだー」なんて発言を、
制服を着た(あるいは脱いだ)自衛官や官側の人が
する光景というのは、ちょっと滑稽でもありますよ
ね・・。

別に、誰が言ったということではありませんよ、こ
れはあくまでイメージですので。

 ついでに言うと、よく「アイディアを凝らして乗
り切るべきだ」とかいう意見を聞くことがあります
が、テイクアウトに切り替えて損失をリカバーでき
るなんて商売はほんの一部で、全てに当てはまるは
ずはありません。

 先日、個人で事業をしている知人とオンラインで
話す機会がありました。その方はこんなことを言っ
ていました。

「医療従事者は本当に大変だと思うけど、でも、こ
んなこと言ってはいけないんですが・・、仕事があ
るだけ羨ましいと思っちゃうんですよ・・」と。

 これは何を意味しているのか。収入がストップし
ている人たちにはもう心の余裕がなくなっていると
いうことなのだと思います。

 どん底の状態から知恵を絞って活路を見出す、そ
んなサクセスストリーが生み出されるのは稀で、多
くの人は焦りと恐怖で脳もうまく働かなくなってし
まいます。とても前向きな思考などできなくなって
しまうのです。

 そういう人たちは心が弱い人間だから切り捨てら
れて仕方がない、ということなのでしょうか?

その一方で、「弱い人を助けなければいけない」と
言う人は多くいます。

「アフリカの貧しい子供たちに愛の手を」募金はす
るけど、同じ日本人で弱っている人には厳しい言葉
を言い放って憚らない、というのは矛盾した光景に
見えますが、どうなんでしょうか。

 本当は身近にもいる、追い詰められどうしても前
向きに考えられない人も、弱い立場の人と言えるの
ではないか、思います。

 因みに話しをしたその知人は、協力金の申請を試
みていますが窓口が混みあっていて問い合わせにす
らまだ辿り着いていない状態です。すでに手持ちの
お金で2月、3月、4月の支払いを済ませながらも・・。

 それと、荒木先生もご指摘のように、給付金10
万円をもらうもらわないで議論したり、公務員だか
ら拒否するとかなんとかいうのはナンセンスでしょ
う。

 もらないということは財務省にそのまま入ること
になり、もらって使えば経済活性化につながります
(消費税が取られるという点はありますが)。

 使ってしまえばいいのではないでしょうか。わざ
わざ今これを議題に世論を分断させる必要は全くな
いと思います。

 そうこう言っているうちに、暦はいつの間にかゴ
ールデン・ウイーク、GWですね(GW=「ジョージ・ワ
シントン」でも「トイレのマーク」でもありません。
念のため)。

 自衛隊でも、帰省したり普段は離れて暮らしてい
る家族と会うことを楽しみにしていた方も多いはず
ですが、今年は訓練を行なうなど、各所で例年にな
い連休となっていると聞きます。

 5月の連休は実家で田植えを手伝うことになって
いるという自衛官の話をあちこちで聞いたことがあ
りますので、みんなどうしているかなあ、親御さん
は人手不足で大変じゃないかなあと考えています。

 ちょっと気になるのは、全国異動をする自衛官は
車のナンバーが地元のものでない場合が多く、各地
で「よそ者は来るな」と言われる事案が多発してい
るとのこと。

 今、人々が非常に過敏になっていますので、致し
方ないのかもしれません。わが街の自衛隊ではダッ
シュボードに「福岡県○○駐屯地所属の隊員」と分
かるようなカードを置く措置をしたようです。

「こいつは県外から来たのか」
「県外から来たと思われているのではないか」

 と、お互いに疑心暗鬼になるよりはいいですよね。
この時期は、気を使って過ぎるということはないと
思います。

 もう一つ、懸念しているのは、最近は様々な面で
アウトソーシングを増やしていますので、例えばご
飯を作る人たちが感染を恐れて来なくなるとか、民
間側が休んでしまうことです。

 これは東日本大震災の後もかなり問題視されたの
ですが、何ら改善策は取られていないようです。

 これを機に、自衛隊における自己完結機能の再点
検をお願いしたいと強く思います。

また、「最後の砦」のための「砦」である自衛隊病
院が人々を助けることや、世の中で高く評価される
ことは素晴らしいと心から思いますが、自衛官のた
めの余力を残してもらわなければ自衛隊は安心して
危険な任務に赴くことはできません。その点は考慮
されているものと信じたいです。

 ケチなことは言いたくありませんが、自衛隊の自
己完結のためのあらゆる能力を使い勝手のいい道具
と勘違いしている政治家の先生はいませんか? 皆
さん、自分のことじゃないと思っているかもしれま
せんが、よくよく振り返って下さいね~~。

 このあたり、現在出ている雑誌『wedge』(*)の
「国防の盲点」を読むと、なるほど納得のことが記
されています。

https://wedge.ismedia.jp/list/wedge

連載する勝股秀通・日本大学危機管理学部教授が掲
げたテーマは「コロナ禍で再浮上する病院船構想」
です。多くの人に読んで頂きたいです。

 こうした読み物に触れて頂き、皆さんがコロナ禍
の中でも充実した連休を過ごされますことをお祈り
します!



<おしらせ>
今年も夕刊フジGW特別号に寄稿しています!

5月3日(日)ニッポン放送報道スペシャルで今年
も構成台本を担当しました。
 「死と向き合った10代~16歳の語り部・いざ
社会へ」
25時30分~26時30分という深い時間ですが、
Radikoのタイムフリー機能を使うと1週間いつでも
聞くことが可能です!

3、YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップし
ている「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元
海将に解説をして頂き、私はリモート出演です。

http://okigunnji.com/url/42/




(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリ
ーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(PH
P研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。


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