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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
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どうぞ
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こんにちは。エンリケです。
加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出まし
た。今回はMP5です。
「MP5サブマシンガン」
L.トンプソン (著), 床井雅美 (監訳), 加藤喬 (翻訳)
発売日: 2019/2/5
http://okigunnji.com/url/14/
※大好評発売中
冒頭で取り上げられている
トランプと同じジレンマを
わが安倍首相も抱えています。
対岸の火事ではありませんね。
さっそくどうぞ
エンリケ
ご意見ご質問はこちらから
https://okigunnji.com/url/7/
ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
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加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編
世界の秘密兵器(20)
「米軍の最強兵器5「フォード級原子力空母」
Takashi Kato
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□トランプツイッター4月14日付
このところ、ウイルスによる破滅テーマを扱った小
松左京のSF大作『復活の日』をしばしば思い起こし
ます。小説や映画なら、本を閉じ劇場の灯りが点く
と同時にさっきまでの生活に戻れます。ところが昨
今、その「さっきまでの日常」そのものが、小松の
設定した「SF的極限状況」とすり替わってしまった
かのようです。
未知のウイルスへの対応は、その実態を完全に理
解する者が誰もいないのですから手探りにならざる
を得ません。各国とも自国の政治形態、文化、習慣、
国民性、そして過去のパンデミック体験を総合し、
ウイルス拡散防止策に漕ぎつけた訳ですが、これは
ある意味で賭け。
当初、英国は閉鎖政策をとらず「集団免疫」獲得
による危機回避を目指したものの、感染急拡大によ
って厳格な自宅待機命令に舵を切りました。これに
対しスウェーデンは、高齢者層を保護しつつ集団免
疫策を貫き、報道では達成間際だとされています。
知事の権限が強いアメリカは、各州が独自の対応
策を取っており、州によって制限の度合いが異なり
ます。いっぽう、先の大戦の記憶から法的強制を厭
(いと)う日本は外出・移動の「自粛要請」という
方法を選んだと聞いています。
どの方法が功を奏するかは終息後の検証を待たな
くてはなりませんが、ワクチンも治療薬もない現状
では、感染ピークを遅らせて医療崩壊を避けるのが
正攻法。この意味でなら、程度の差こそあれ多くの
国々が発動した「出勤も含めた外出を制限し、人と
の接触を減らす閉鎖措置」は妥当なものです・・・。
しかし、ヒトが生きていくためには仕事をして稼
がなくてはなりませんし、国と社会が機能するため
には経済活動が不可欠です。カンフル剤にあたる巨
額の景気刺激策も閉鎖が何か月にも及べば効果がな
くなります。経済再開が遅れれば完全失業率が上が
り、自殺率も連動して上昇しましょう。この状況に
陥った場合、コロナ禍がいっそう惨(むご)たらし
い様相を呈するのは必至です。
ちなみにアメリカには祖国のために戦った復員兵
が1800万人おり、その多くが心的外傷後ストレ
ス障害(PTSD)に苦しんでいます。自ら命を絶つ者
が後を絶たず、復員兵の自死は社会問題になってい
ます。『チューズデーに逢うまで:介助犬と戦傷兵
士の深い絆』の著者であり、翻訳者としてわたしが
親交を深めたルイス・カルロス・モンタバン大尉も
その一人でした。外出規制が長引けば、ただでさえ
ストレスに脆弱で、かつ孤立しがちなこれらの戦傷
復員兵を追い詰めてしまうのではないかと憂慮しま
す。
国家や都市の閉鎖は最悪の事態を避ける一時の非
常手段。いつかどこかの段階で封鎖を解き、経済活
動を再開させなければなりません。その困難かつ非
情な決断を、国と民族の生き残りのために下すのが
真の政治家です。
トランプ大統領はそのタイミングを見計らってい
ますが、ペロシ下院議長は「大統領の経済再開案は
極めて軽率だ。いま封鎖を解けば人が死ぬ」と、よ
り多くの検査実施を要求しています。しかし3億人
超の米市民の何割検査すれば「安全」なのかには言
及していません。議長と民主党の州知事らが恣意的
に検査人数を増やせば、それこそ際限なく閉鎖措置
が続くことになります。実はそこに、議長の真の狙
いがあるようです。
わずか数か月前、アメリカは空前の好景気を謳歌
し、近年まれにみる低い失業率を更新していました。
経済が堅調である限り現職大統領の再選は確実。ロ
シア疑惑や弾劾騒動でトランプ追い落としを画策し
てきた民主党は追い詰められていたのです。そこに
降って湧いたのがコロナ禍。「千載一遇の危機を政
争の具にしない手はない」がモットーの民主党がみ
すみすこの国難を無駄にするはずがなく、ペロシ議
長の人命尊重発言に至っては「経済を停滞させ失業
率を高止まりさせる方便」に過ぎません。ペロシ氏
とその取り巻きにとっては、トランプ再選阻止がす
べて。国家と同胞を顧みずトランプ氏への私怨を優
先させる姿に、国家分断もここに極まった感があり
ます。
小松左京の『復活の日』は人類社会の再生は可能
との希望的メッセージで締めくくられています。対
照的なのが、テドロス世界保健機構事務局長の「世
界は元に戻ることはできない」発言。中国政府にお
もねるあまりパンデミック阻止の機を逸した大失態
は棚に上げ、まるで他人事です。
しかし、わたしは「コロナ禍以前の『世はなべて
こともなき』日常は必ず取り返せると考えています。
医学が未発達だった14世紀の欧州で猛威を振るっ
た黒死病(ペスト)は1億人の命を奪いましたが、
中世の人々は日常を復活させました。また、第1次
世界大戦中に発生したスペイン風邪の世界的大流行
後も、人類は「以前の生活」を取り戻しています。
現代医学という知恵を手にした我々に、それができ
ないはずはありません。
本日のトランプツイッター、キーワードは
talking point。「政治上の話題」という意味です。
“Dems say President Trump is trying to open the
United States Economy too quickly”, but, if I
took even a little more time, they would loudly
chant that I am moving too slowly. Just political
talking points for them. For me it’s about
lives & the future of our Country!
「民主党員らは『トランプが目指す経済再開は時期
尚早だ」と言う。仮にわたしがもっと時間をかけた
なら、連中は『トランプは動きが鈍い』と声高に唱
えるだろう。経済再開は民主党にとっては政治的ト
ピックに過ぎない。だがわたしには、同胞の命と祖
国アメリカの未来に他ならない!
▼米軍の最強兵器5「フォード級原子力空母」
兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。
「加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。今回は浮かぶ航空基地、
米海軍最新鋭のフォード級原子力空母です。
戦艦や巡洋艦、潜水艦などとは異なり、航空母艦
そのものには固有の攻撃兵器が装備されていません。
空母の強大な火力は艦載機 (carrier-based aircraft)
が発揮するのです。フォード級空母の場合、F/A18C
スーパーホーネット戦闘攻撃機とF35Cステルス
多用途戦闘機各2個飛行隊などを含む計75機を搭載。
艦隊防空戦闘から対水上艦・対潜水艦作戦、そして
敵地攻撃まで幅広い任務をこなします。
米海軍は空母を中核に、巡洋艦、駆逐艦、潜水艦、
補給艦などで構成される11の空母打撃群(Carrier
Strike Group: CSG)を運用しています。CSGは制海任
務に加え、艦載機による「敵地への力の投射」も行
ないます。言い換えれば、小国の総空軍力に匹敵す
る航空戦力を世界中に展開できるわけです。係争国
の沖合を遊弋するCSGによる威圧・牽制効果には有
無を言わせぬものがあり、空母打撃群の存在は米国
の外交力を裏打ちしているとも言えるでしょう。し
たがって空母の持つ抑止力は絶大です。
しかしながら兵器の開発は常にイタチごっこ。先
進技術満載の米海軍空母に敵わないことを悟った中
国は、ある新兵器を考案します。中距離弾道弾を空
母攻撃用に改修した対艦弾道弾「東風21」がそれ
です。極超音速で落下してくる弾頭を迎撃する艦載
兵器は今のところ存在しないと言われています。ま
た、命中すれば空母を1発で撃沈できるうえ射程も
1500キロあり、台湾有事などの際、西太平洋におけ
る米空母の行動が著しく妨害される恐れがあります。
フォード級空母は、将来レーザー兵器システムを
装備することを念頭にスペースと電力供給に余裕を
持たせた設計になっています。ことによると、指向
性エネルギー兵器が対艦弾道弾を迎え撃つ日が来る
かもしれません。
教材ビデオ:
https://www.youtube.com/watch?v=oVB30NgFg8w&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=116&t=17s
(フォード級空母のイントロダクションは1:10から始まります)
基本語彙 (カタカナ発音表示はおおざっぱなものです)
Visible(ビズィブル)目に見える 明白な
Reminder(リマインダー)思い出させるもの
Inferiority(インフェリオリティ)劣っていること
Electromagnetic catapult(エレクトロマグティック
カタパルト)電磁式カタパルト
Hurl(ハール)強く投げる
Showcase(ショーケース)陳列用のガラス箱 ショ
ーケース 優秀性を見せる展示
シナリオ (2:33から始まります)
Aircraft carriers such as the USS Ford are also
visible reminders of Chinese technological
inferiority from the nuclear reactors to
electromagnetic catapult systems designed to
hurl aircraft into the air to the integrated
anti-air warfare system.
(空母フォードをはじめとする航空母艦は、原子炉
から航空機を発艦させる電磁式カタパルト、統合対
空戦闘システムに至るまで、中国の技術的劣勢を一
目瞭然にするものだ)
American carriers represent a showcase of
technologies that China hasn’t mastered.
(米海軍の空母は中国が未だに修得していないテク
ノロジーのショーケースなのだ)
(フォード級空母のビデオは3:28まで続きます)
英語一言アドバイス:
reminderは「思い出させる」を意味する動詞remind
の名詞型で「思い出させるもの」「合図」「注意」
などと訳されます。
「コロナ禍は『災害は忘れた頃にやってくる』と言
うことを思い出させてくれた」は“The Corona
pandemic is a reminder that disaster strikes
when least expected”になります。
発音サイト:
reminderの発音
https://www.google.co.jp/search?sxsrf=ALeKk03JO8XLwgamQXOTI2C_aL6uFJ95Bg%3A1587751192954&source=hp&ei=GCmjXp-5N4_K0PEPuaizmAg&q=reminder&oq=reminder&gs_lcp=CgZwc3ktYWIQDDICCAAyAggAMgIIADICCAAyAggAMgIIADICCAAyAggAMgIIADICCAA6BQgAEIMBOgQIIxAnOgUIABCRAjoKCAAQkQIQRhD5AVDjD1iVGWDMJmgBcAB4AIABfogBjweSAQMwLjiYAQCgAQGqAQdnd3Mtd2l6&sclient=psy-ab&ved=0ahUKEwifpeGO0oHpAhUPJTQIHTnUDIMQ4dUDCAg
参考サイト:
航空母艦
https://en.wikipedia.org/wiki/Aircraft_carrier
米海軍フォード級空母
https://en.wikipedia.org/wiki/Gerald_R._Ford-class_aircraft_carrier
(本サイトの日本語版に移行してください)
中国人民解放軍海軍の空母「遼寧」
https://en.wikipedia.org/wiki/Chinese_aircraft_carrier_Liaoning
(本サイトの日本語版に移行してください)
電磁式カタパルト
https://en.wikipedia.org/wiki/Electromagnetic_Aircraft_Launch_System
(本サイトの日本語版に移行してください)
中国人民解放軍ロケット軍の東風―21対艦弾道ミサイル
https://en.wikipedia.org/wiki/DF-21
(本サイトの日本語版に移行してください)
F/A18E スーパーホーネット
https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_F/A-18E/F_Super_Hornet#Origins
(本サイトの日本語版に移行してください)
F35CライトニングII
https://en.wikipedia.org/wiki/Lockheed_Martin_F-35_Lightning_II
(本サイトの日本語版に移行してください)
(かとう・たかし)
●著者略歴
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃(近刊)』(いずれも
並木書房)がある。
追記
「MP5サブマシンガン」
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※大人気継続中
『AK-47ライフル』
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『M16ライフル』発売中♪
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『ガントリビア99』発売中!
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633456/
『アメリカンポリス400の真実!』発売中
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633405
『チューズデーに逢うまで』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063326X
『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320
オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
きょうの記事への感想はこちらから
⇒
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ブックレビューの投稿はこちらから
http://okigunnji.com/url/73/
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac"
と表現します。
『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
加藤 喬
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最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
ています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
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心から感謝しています。ありがとうございました。
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