こんにちは、エンリケです。
読みごたえたっぷりです。
では今日の記事、さっそくどうぞ。
エンリケ
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今年4月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』
(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が発売されてい
ます。中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな
自衛隊派遣が行われているこの時期にタイミングを
合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何を
思い、どのような苦労をして、任務をこなしてきた
か、25人の自衛官のリアルな体験記です。
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桜林美佐の「美佐日記」(73)
女優・岡江久美子さんの早すぎる死
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』は令和2年4月の今回
で73回目です。
前々回の加藤喬さんのメルマガでは、奥様が看護
師長としてこの大変な時期に医療に従事されている
こと、そして同僚のスタッフの中にはキャンピング
カーなどで自主隔離生活をしている方もおられると
いうことで、本当に胸が痛みます。
医療従事者の皆さんが無事にこの難局を乗り越えら
れることを祈り続けるばかりです。
それにしても、最も必要な現場にマスクや防護衣
が足りず、ゴミ袋を被っているとか、そういうこと
が起きている現実にショックを受けている人も多い
と思います。
私も日本は医療先進国なのかと思っていましたが、
近所のクリニックの先生が洗って使っているのであ
ろうヨレヨレのマスクをしているのを見て、悲しい
気持ちになりました。
最前線で戦っているのは医療関係者なのに、武器
を持たせない状態になっているわけです。国内生産
基盤がいかに重要か、改めて思い知らされます。
自衛隊も同じだと思うのですが、こうした戦略物
資の安定供給のために海外依存をやめるべきなどと
言う人は平時は疎(うと)ましがられるものです。
それだけでなく、国内生産だと思っていても実際は
原材料や部品が中国からの輸入だったりすると、結
局は緊急増産できない場合もあります。
そんな落とし穴も含め、サプライチェーンの国内
回帰、とりわけ医療や防衛など国民の生命に関わる
ものは徹底的な見直しが急務です。
中国は今「健康シルクロード」なる言葉を掲げ始
めています。
どの口が言っているんだ!と言う力さえ抜けてし
まいますが、とにかく中国はイタリアなどに医師団
を派遣して医療機器を配っています。
この「マスク外交」で築かれるのが「健康シルクロ
ード」だというわけです。
習近平は60か国のトップに経済や医療の支援を申
し出て、すでに130の国や国際機関にマスクや防
護服などを提供したといいます。
「一帯一路」の挙句にコロナ感染の拡大で大変な目
に遭ったイタリアやスペインですが、それでも同じ
欧州のEUではなく、中国に助け船に乗らざるを得な
いという状況下にあるわけです。
一方で、米国はじめドイツ、イギリス、フランス、
オーストラリアの首脳が武漢のウイルス研究所をめ
ぐり、その査察や透明性を求め始めています。
このことをニュースで報じた民放テレビでは「日
本としても冷静に動向を見守らなくてはいけませ
ん・・」みたいなコメントをしていました。
「はあ?」
なんで、各国が「あんたの所の研究所の実態を明
らかにして、コロナウイルス発生源の究明に協力し
ろ!」と言っているのに、日本だけがまるで雲上人?
「日本としても厳として情報の公開を求めていかな
くてはなりません」
ではないの??
つまり、日本はイタリアやスペインのことをあれ
これ言える国ではなく、とても中国に口答えなどで
きない立場にあるのだと言わざるを得ません。
私たちは今、中国依存の経済から脱却をすること
が日本の防衛に不可欠な条件であることを、身をも
って教えられているのです。もちろん、これを読ん
で下さっている方はよくよく分かっていることだと
思いますが。
そんな中、女優の岡江久美子さんが新型コロナ肺
炎で亡くなりました。私はかつてTBSの「はなまるマ
ーケット」でディレクターをしていたことがあり、
ご一緒していました。
共に仕事をしたスタッフと何年かぶりに連絡を取
り合い、早すぎる死を悼みました。私はたった1年
間でしたが、あのような、いわば集団生活の中で制
作の仕事をしたことは今となっては得難い経験でし
た。
本を書いたり、番組の構成台本を書く作業はどう
してもひとりよがりになります。チームで何かを創
り出すことは正直、うっとうしい指導を受けたりし
て、好きではなかったのですが、私の場合、一度そ
ういう経験をしたほうがいい、そうすべきだという
周囲の声に推されて、また番組の人手不足もあり、
投入されたのでした。
ただ、私自身が未熟すぎて、当時は文句ばかり言
って過ごしていたことを改めて思い出しました。岡
江さんがよく「何でも楽しんで臨めば楽しくなる」
と言っていたけれど、そういう余裕が全くありませ
んでした。
まあ、期間限定だったので乗り切れたわけですが、
その頃の私のように、自分が潰れていくのがはっき
り分かる職場で働かざるを得ない人を見ると(自衛
隊でも多いと思いますが)、10年いや20年も経
ったら、あの経験があって良かったーという心境に
必ずなるから、なんとか楽しくやり過ごして!と、
いつも心の中で叫びます(言っても耳に入らないと
思うので)。
先週24日の午後3時、「はなまるマーケット」
のメンバーみんながそれぞれの場所で黙祷を捧げる
ことになりました。17年続いた放送ですので、ス
タッフの数はのべ何百人になるか分かりませんが、
奇しくも心を一つにした瞬間となりました。そして、
この時間はあの辛かったチームプレイの経験に悪態
ばかりついていた自分自身の罪の償いにもなった気
がしたのでした。
<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップし
ている「国防ニュース最前線」、今週は伊藤俊幸・
元海将に解説をして頂きます。
http://okigunnji.com/url/42/
(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリ
ーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(PH
P研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。
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(代表・エンリケ航海王子)
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