配信日時 2020/03/19 12:52

【本の紹介】『歪められた古代天皇『古事記』『日本書紀』に隠された真実(宝島社新書 574)』家村和幸(著)

【歪められた古代天皇『古事記』『日本書紀』に隠された真実(宝島社新書 574)】
 著:家村和幸
 宝島社新書
 定価:980円+税
 発行:3月9日
 https://amzn.to/32DSBwc


こんにちは、エンリケです。

本書は、崇仏派によって改ざんされた天皇の歴史

 〇幼帝・武烈天皇は、なぜ悪逆非道の老君に描か
  れたのか?
 〇神道と仏教の共存を命がけで目指した聖徳太子
  と秦河勝
 〇神話にさせられた神武以前の天皇

も描いています。

前作「新説『古事記』『日本書紀』でわかった大和
統一」の続編であるとともに、『記・紀』では「神
話」の世界に閉じ込められてしまった神武東征以前
の日本の歴史について、あらゆる書物を紐解いて解
明しようと試みたものです。

『古事記』『日本書紀』には、明らかな間違いや不
明確な箇所、さらに故意に史実を書き換えている部
分も存在します。
それは、『記・紀』が、仏教と唐風文化が蔓延する
時代に日本の歴史をリセットする目的で書かれたか
らだと著者は言います。
そこで本著を通じ、『記・紀』に隠された「本当の
日本の歴史」を再現しています。

記述が簡潔で面白く、読みやすい格好のボリューム
でもあります。国史入門書としておススメできる内
容です。

個人的に興味深かったのは、

第十章と第十一章です。

大化の改新
天智天皇(中大兄皇子)
白村江の戦い
大海人皇子(天武天皇)
大友皇子(弘文天皇)
壬申の乱

という一連のキーワードで感じられる時代。

実はこの辺りの
「外来文明とわが固有文明のせめぎ合い」
に伴う「わが国大激動・大波乱の時代」は、

わが文明を考える上で極めて重要な時代
ですが、今生きる一般の日本人は、
あまり状況を正確に把握していません。

本著を読み、
あらためてあの時の状況を整理でき、
わが国史への思いを新たにスタートできました。


■もくじ

 はじめに『古事記』『日本書紀』に隠された本当
      の歴史を解明する
 序 章 『古事記』『日本書紀』によって隠され
      た超古代史
 第一章  秦人と日ユ同祖論
 第二章  顕宗天皇と仁賢天皇
 第三章  継体天皇と安閑天皇・宣化天皇
 第四章  欽明天皇と聖明王
 第五章  敏達天皇とオシサカヒコヒトノ太子
 第六章  蘇我氏系天皇二代と神仏戦役
 第七章  推古天皇・聖徳太子と秦河勝
 第八章  舒明天皇と皇極天皇
 第九章  孝徳天皇と大化の改新
 第十章  天智天皇と白村江の海戦
 第十一章 弘文天皇と大海人皇子


壬申の乱以前と以後で
我が国の国柄は本質的に大きく変わったとされます。

その渦中にあった弘文天皇への言及が第十一章でな
されており、実に興味深く読みました。

おススメします。

『歪められた古代天皇『古事記』『日本書紀』に隠
 された真実(宝島社新書 574)』
 著:家村和幸
 宝島社新書
 定価:980円+税
 発行:3月9日
 https://amzn.to/32DSBwc


エンリケ


追伸
家村さんの本には、魅力がありますね。
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