こんにちは、エンリケです。
「日本に初めてオスプレイが配備されたとき」
の四回目です。
こういう「カラクリ」を察知できる国民でいたいものです。
さっそくどうぞ
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (270)
―日本に初めてオスプレイが配備されたとき(4)―
渡邉陽子
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こんばんは。渡邉陽子です。
最近取材した若い自衛官3人のうち、2人の入隊理由が
「東日本大震災で被災地にボランティアに行ったとき、
現地で自衛隊の働く姿を見たこと」というものでした。
そのうちのひとりは隊員たちががれきの山の中で作業を
する姿を見ただけでなく、被災者の方から自衛隊にどれ
ほど助けられているかということを聞いたことが、とて
も大きかったそうです。
今年の3月11日14時46分は自宅にいたため、自宅で黙と
うしました。9年前の当時は昨日のことのように覚えて
います。今の日本は自然災害とは異なる形で不安定な状
態が続いていますが、すべての国民が冷静さを失わず、
これ以上買いだめなどの愚行に走らず、感染の拡大を防
ぐ努力をしなければいけませんね。世界中が同じ状況で
ある今、国家と国民の品格が問われているとも感じてい
ます。
■日本に初めてオスプレイが配備されたとき(4)
オスプレイが配備されたタイミングで、仲井真知事(当
時)は沖縄振興に関する2013年度の予算を2012年度より
もさらに上乗せし、3000億円を要求しています。2012年
度の2937億円も前年度より27・6%増でした。あの沖縄
タイムスですら社説で「復興予算を最優先しなければな
らない厳しい財政事情の中で、概算要求額より500億円
余も上積みが認められたということは、異例の措置」と
述べています。
確かに、普天間飛行場の移設問題が停滞していることの
打開を期待するという意味合いもあったのでしょうが、
移設問題の迷走は当時いきなり始まったことではありま
せん。その一方で、オスプレイが2012年に沖縄に配備さ
れることはすでにわかっていました。オスプレイがさま
ざまな思惑に駒として使われている一例を、この予算に
見るようです。
報道されないだけで、現実には沖縄県内にもオスプレイ
を歓迎する団体は複数存在していました。
彼らの「中国による尖閣、沖縄への侵攻という危機に即
した際、オスプレイが普天間に配備されている意義は大
きい」という言い分がまっとうな意見に思えるのは、私
だけではないはずです。反対を声高に唱える人もしくは
集団は、オスプレイのみならず在日米軍の存在自体を否
定、反対しています。
軍事評論家であり元航空自衛隊戦闘機パイロットの佐藤
守氏は、オスプレイ配備反対を唱える主張の矛盾を「普
天間基地周辺に墜落する危険があるというのであれば、
速やかに辺野古への移転を協力して推進すべき」と指摘
しています。しかし肝心の辺野古住民の声は聞こえてき
ません。
2012年当時あった名護市辺野古区の公式ホームページは、
那覇市や宜野湾市など沖縄南部に位置する自治体のそれ
とは対極とも言える、親米一色でした。地元は歓迎して
いるというどのマスコミも報じない事実を、国民のどれ
ほどが知っていたでしょう。そして反対しているのは誰
なのか。
佐藤氏は「各種左翼連合、労働組合などによる反米活動
であり、中国の手が回っていると見て間違いない。沖縄
県民の大半は今も昔も無関心。さらに沖縄県の内情で言
えば、この問題の本質は利権争い。今まで得ていた特権
が北部の辺野古に持って行かれることを恐れている那覇
を中心とした南部の反抗である。そこに関連代議士らの
票争いと利権争いが絡んでいる。オスプレイ問題は、単
にそれに利用されているに過ぎない」。
マスコミと共にオスプレイを徹底的に叩くことで、彼ら
は在日米軍や在沖米軍基地への反感を高めることに成功
したと言えます。なぜなら多くの国民は「オスプレイは
危険だ」という先入観を抱いたからです。
尖閣諸島が国有化されて以来、中国の海洋監視船は尖閣
諸島の領海や接続水域内の航行を繰り返しています。地
元の反発や中国を刺激するのを恐れ、2012年11月に予定
されていた自衛隊と在日米軍による共同の離島奪還訓練
は、模擬演習に差し替えられました。そんな状況を喜ぶ
日本国民はいるのでしょうか。
オスプレイ反対を唱えて利益があるのは誰なのか、どこ
なのか。少なくとも2020年の今を生きる日本人は、それ
を知っているはずです。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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