配信日時 2020/03/12 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (269)】  ― 日本に初めてオスプレイが配備されたとき(3)―

こんにちは、エンリケです。


「日本に初めてオスプレイが配備されたとき」
の三回目です。

オスプレイに関する
非常に重要な知識が記されています。


さっそくどうぞ

エンリケ



「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/



ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
https://okigunnji.com/url/7/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『ライター・渡邉陽子のコラム (269)
 ―日本に初めてオスプレイが配備されたとき(3)―

         渡邉陽子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんばんは。渡邉陽子です。
政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、韓国からの入
国者に指定場所で2週間待機するよう要請しました。韓国政府はこ
れに対する対抗措置として、日本人に対し短期滞在の際にビザを免
除している制度や、すでに発行済みのビザの効力を9日午前0時か
ら停止すると発表しました。韓国がらみのニュースは精神衛生上悪
いので目にするのも嫌なのですが、韓国海軍が海自哨戒機P-1に火
器管制レーダーを照射した際に匹敵する、今回の主権国家にあるま
じき稚拙な言い分と対応に、こういう国が隣国に存在していること
がしみじみ恥ずかしく、情けなくなりました。
いつもは日本叩きに加担する中央日報も、さすがに「韓国政府の日
本たたきに近い対応は、中国への対処とも対照的」「韓国政府の感
情的な対応には『総選挙を1カ月後に控えて反日感情にまた火をつ
けようとしているのか』という指摘も野党を中心に提起されている」
と記しています。
韓国には仕事でも観光でも訪れたことがありますし、日本で何人も
の韓国人に取材もしてきましたが、一度も不快な思いをしたことは
ありません。どうして国家になると、ああなのか……



■日本に初めてオスプレイが配備されたとき(3)

オスプレイが普天間飛行場に配備され訓練が始まってからは、「市
内上空では禁止されている垂直離着陸モード(いわゆる回転翼、ヘ
リの状態です)で飛んでいた」という苦情が相次ぎました。
しかしエンジンナセル(エンジンを収容している両翼端の円筒部分)
が84度までが転換モード(固定翼から回転翼、あるいはその逆に切
り替わる状態)、85度から垂直離着陸モードというこの1度の差を、
上空を見上げて肉眼で判別できるものでしょうか。

確かに政府側にも対応のまずさはありました。
オスプレイの配備は昨年からわかっていたことでありながら、国民
に向けてパンフレットを用意したのは1年後、2012年6月でした。
しかもそのパンフレットには空軍のオスプレイCV22や、近年の墜落
事故については触れておらず、指摘されてからその部分を後出しす
る形になるなど、信用されにくい状況を自ら招いた感は否めません。
米国側も「配備計画に変更はない」とおうむ返しに繰り返すだけで
なく、地元住民の不安に理解を示す姿勢をもっと見せていれば、印
象がまた違ったものになっていたことでしょう。

航空自衛隊の基地周辺でも騒音に対して苦情を言う住民はいます。
国家行事で展示飛行を依頼されるほど人気と技術に定評のあるブル
ーインパルスでさえ、「うるさい」「危ない」と、地元での飛行を
反対する人はいます。だからこそ自衛隊は地元とよりよい関係を築
こうと、各種イベントを通じて地域住民とのコミュニケーションを
密にしています。
「小学校の運動会があるからその時間帯は飛ばないで」、「斎場の
上空を飛ばれるとお経が聞こえないから告別式の間は訓練しないで」、
そんな地元の要求にすら、調整が可能な場合は対応しています。こ
ういった気遣いを米軍も少しは見習ってもらえないかと、つい思っ
てしまいます。
米ハワイ州の空港2か所で「考古学的資源に対するダウンウォッシュ
の潜在的影響を懸念」という理由から訓練が中止されたことについ
ても、「では自分たちは考古学的資源以下の扱いか」と、普天間飛
行場の間近に暮らす人々を不快にさせたことでしょう。これについ
ての説明責任も果たすべきでした。

ただ、日本政府や沖縄に対し、米側が従来では考えられないほどの
配慮を行なったという点も忘れてはなりません。
オスプレイ墜落事故に関する日本の自己分析チームの受け入れ及び
情報公開は異例のことだし、騒音を軽減するため、普天間飛行場で
の着陸方法は転換モードで飛行場に入ってから垂直着陸モードにす
るとしました。
岩国基地では防衛省の要望に応え、自治体の首長などを招きオスプ
レイの体験搭乗も実施しました。
自分たちのルールでしか動かない米国がこのような譲歩を見せてい
ることも、見逃すべきではないでしょう。

たとえオスプレイが他機種に比べて危険なわけではないと理屈では
理解できたとしても、たて続けに墜落事故を起こした航空機が地元
に配備されるというのは不安だという心情はわかります。
その一方で、首をかしげたくなることもあります。

たとえば、沖縄南部の複数の自治体が率先して市民へオスプレイ配
備反対集会への参加を呼び掛けていたことです。
市が大型バスをチャーターして市民を反対会場に運んだり、交通費
を支給したりした自治体もありました。沖縄では「公」の定義はど
うなっているのでしょう。
中城村と宜野湾市の職員労働組合はオスプレイ配備反対を示すバッ
ジを作成、職員に配布しました。
反対派の一部が行なった風船や凧揚げによる飛行の妨害活動に至っ
ては、オスプレイに反対する理由と行動の矛盾にあ然とさせられま
した。「オスプレイは危ないから反対」と言いながら、危険を誘発
している反対派とはいったいなんなのでしょう。
さすがに仲井真弘多沖縄県知事(当時)もまずいと思ったのか、あ
るいは渡米中にコメントを求められたからか、それらの行為は行き
過ぎと懸念を示しましたが……




(つづく)


(わたなべ・ようこ)


「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/

ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
http://okigunnji.com/url/7/



□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。

 
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個人情報を伏せ
たうえで、メルマガ誌上及びメールマガジン「軍事情報」が主催
運営するインターネット上のサービス(携帯サイトを含む)で紹
介させて頂くことがございます。あらかじめご了承ください。


最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。

 
----------------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
メインサイト:https://okigunnji.com/
問い合わせはこちら:
http://okigunnji.com/url/7/
メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に
置き換えてください)
----------------------------------------
 

 
●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com


<丸谷 元人の講演録&電子書籍>
謀略・洗脳・支配 世界的企業のテロ対策のプロが明かす…
知ってはいけない「世界の裏側」を見る
 http://okigunnji.com/url/13/
---------------------

投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権は
メールマガジン「軍事情報」発行人に帰
属します。
 
Copyright(c) 2000-2020 Gunjijouhou.All rights reserved