配信日時 2020/03/09 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(66)】 こうした時だからこそ、人々を元気にする何かができたら…

こんにちは、エンリケです。

非常事態下にあるわが国ですが、
こういう時に、次代の中核となる
新しいものが一気に拡大すると感じています。

さて、世の中には、
いろいろなカウントがあるようです。

記事を読み、久しぶりに
カウントベイシーを聞きたくなりました。
(なんでやねん)


さっそくどうぞ。

エンリケ



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今年4月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』
(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が発売されてい
ます。中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな
自衛隊派遣が行われているこの時期にタイミングを
合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何を
思い、どのような苦労をして、任務をこなしてきた
か、25人の自衛官のリアルな体験記です。

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桜林美佐の「美佐日記」(66)

こうした時だからこそ、人々を元気にする何かができたら…

桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』は今回で66回目です。

コロナウイルスによる世界的な影響が現在のところ
拡大を続けています。トイレットペーパーが足りな
くなるとのデマにより人々が売り場に殺到した日、
何も知らずにスーパーに行き、何やら異様な雰囲気
に驚きました。

実は私は元来ストックがないと落ち着かない性格の
ため、ペーパー類の予備は常にある状態です。

一昨年の秋、近所に住む自衛官の奥様が「Costco」
(コストコ)に誘ってくれて、車で1時間ほどかか
る場所にある店舗に連れて行ってくれたことが全て
の始まりです(何の!?)

これは私にとって、ある意味、生涯忘れられない思
い出となりました(おおげさ!)。というのは、こ
うやって女同士で買い物に行くというのは初めての
ことでしたし、「コストコ」という未知の世界を教
えてもらったことで、ものすごく幸せな気分になれ
たからです!

この後、私も晴れてコストコ会員となり、コストコ
に行くことが数か月に1度のお楽しみイベントとな
ったのでした。

初コストコを経験した直後は嬉しくて、人に会えば
「行きましたよ~コストコに!」と話して聞かせて
いました。ノリのいい反応をしてくれる人はいい
人、「へー」と聞き流す人は悪い人と、密かに判別
していました。

 気づいたのは、ここでトイレットペーパーを買っ
ている人が非常に多いことです。

 そこで、最初に行った時、かの奥様がペーパーを
買い込んでいる夫婦に大胆にもインタビューを敢行
したのです。

「すみません、ちょっといいですかー、そのトイレ
ットペーパーそんなにいい物なんですか?」

 ひえっ、なんか変な人だと思われるんじゃないの
私たち、と私はたじろぎましたが、その夫婦は全く
驚きもしない様子で回答してくれました。

「はい、最高です。他のものより長持ちするし、う
ちは必ずこれを買っています」と。

 それはまるでテレビのインタビューを観ているか
のような模範的なコメントでした。

 そんな素晴らしい物を今まで知らなかったとは、
なんて損をしてきたんだろう!よし勇気を出して買
ってみよう!ということで、以降は愛用しています。

実際に使ってみて、この言葉が決して大げさではな
いと個人的には実感している次第です。それゆえ、
今回の騒ぎで「あのペーパーは詰まる」などとSN
Sで書いている人がいると、まるで自分が悪口を言
われたかのように不機嫌になっています。

 どうでもいい前置きが長くなりましたが、案じて
いるのは、この自粛ムードで仕事が減ると余裕を持
った買い物などできなくなることです。

 10%への消費税増税が開始され、今のところキ
ャッシュレス決済によるポイント還元の恩恵を受け
られますが、これも6月まで。それ以降、どうなっ
てしまうのか、非常に気がかりです。

 ただでさえ消費税増税の影響で経済に影響が出始
めていた時に、これはダブル・トリプルの打撃どこ
ろではなくなるでしょう。

 一方で、考えようによっては、人々は「消費増税
による経済の悪化」を意識する前に新型コロナによ
る経済への影響を自覚し、よって、消費増税の悪影
響は気づかれないまま過ごすことになります。ま
た、今後、消費税「減税」も含めた大きな経済政策
を打ち出せば、消費増税で安倍政権にダメ出しをし
ていた層からの不信も取り除けるかもしれません。

 また、習近平氏の来日が延期になったことで、国
賓での来日という政権にとって支持層を離れさせる
失点となりかねない一大イベントをとりあえず先延
ばしできました。コロナウイルスはまさに国難です
が、習近平の国賓来日は違う意味で政権を揺るがし
た可能性もあります。

 などなど考えると、色々とありますが、なんだか
んだこの政権の運は強いのではないでしょうか。

 何はともあれ、今、私たちは感染者数がカウント
されるニュースを観ているしかありません。しか
し、そんな中、こんなことをカウントしている人が
いることを知り。驚きました。

 3月2日に大分県知事が東京で河野防衛大臣と面
会したといいます。何かと思うと、日出生台演習場
で行われた米海兵隊の実弾射撃について、日数が8
日間の訓練の予定が9日間になっていたことと、訓
練時間も約束の夜8時を過ぎても続けていたという
ことを抗議しに行ったのだそうです。

「防衛省との協定の趣旨に反する行為で、断じて容
認できない」などとして再発防止を求める要請書を
手渡したとのこと。

 ひっ、暇なん!?

いえ、もとい!本当に、ご苦労様でございます・・・・。

このような国民あげてコロナウイルスに対峙してい
る状況下において、その影響で経済が停滞し、その
対策も早急に考えねばならない時に。こんなことを
している人がいるとは、と思いました。いえ、こん
なことなんて言ってはいけませんね、重要なおつと
めなんですね、はい。

 報道によると、演習場の道路脇には市民団体が監
視小屋を立ててチェックしているのだそうです。

こういう監視小屋、確かにあちこちにありますよ
ね。炎天下で、また寒空の下で、頑張っている人、
見たことあります。

気力と体力を必要とする、とてもハードな活動だと
思います。そして、知事さんも、抗議申し入れに行
くことは首長としての欠かせないおつとめなのだと
思います。

でも・・・

どうでしょう?今こそ、その労力を他のことに使っ
てみては?余計なお世話ですが。

新型コロナの影響で、ネット上では何かと批判的な
コメントが目立つようですが、中止されたコンサー
トの代わりにオンライン・コンサートを実施するな
ど、色々なこれまでにない試みも始められていま
す。こうした時だからこそ、いつもは考えたことも
なかった、人々を元気にする何かができたらいいな
あと、つくづく思います。


 <おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしてい
る「国防ニュース最前線」、今週は伊藤俊幸・元海
将に解説をして頂きます。

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(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリ
ーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(PH
P研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。


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