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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
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どうぞ
 
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WEB http://wos.cool.coocan.jp
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こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出まし
た。今回はMP5です。

「MP5サブマシンガン」
L.トンプソン (著), 床井雅美 (監訳), 加藤喬 (翻訳)
発売日： 2019/2/5
http://okigunnji.com/url/14/
※大好評発売中

きょうの潜水艦ばなしは
「ポンプ・ジェット」です。
実に面白く読みました。

トランプツイッターも
非常に面白いです。

なかでも、
民主党のブティジェッジ氏に対する見方は
非常に参考になります。


さっそくどうぞ

エンリケ


ご意見ご質問はこちらから
https://okigunnji.com/url/7/


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加藤大尉の軍隊式英会話：兵器編　　　　　

世界の秘密兵器（１０）

　戦う潜水艦「ポンプ・ジェット」

Takashi Kato

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□トランプツイッター２月７日付

11月に本選挙を控えたアメリカでは、各党の候補者
を決める大統領予備選挙が始まりました。アイオワ
とニューハンプシャーを皮切りに、６月まで州ごと
に行なわれます。

わたしは人生の半分以上をこの国で過ごしてきまし
たが、左傾化甚だしい民主党候補者らの論戦を聞く
につけ、最近とみに「機会均等」「国への献身」
「力による平和」など、米国を米国らしくしている
価値観を見直すようになりました。かつて党派を超
えて尊（とうと）ばれたこれらの美点が喪失の危機
にさらされていると感じるからです。
 
　機会均等とは、各々の潜在能力を開花させ立身出
世する機会が誰にも等しく保障されているというこ
と。出自や身分ではなく、夢見る力と努力によって
成功を勝ち取ることができる「アメリカン・ドリー
ム」の母胎です。歴史の浅い移民国家を超大国に押
し上げた「アメリカの屋台骨」と言えます。

　アメリカン・ドリームの世の中はユートピア的平
等社会ではありません。成功のための機会と、夢を
追求する自由が平等に与えられている以上、競争の
結果生じる格差は認めるのがアメリカ流。たとえば、
軍人や警官、消防士そして教師や会社員に比べ、起
業家や経営者、ハリウッドの俳優、スポーツ選手な
どが桁違いの収入を得るのはこのためです。わたし
は格差を奨励する者ではありませんが、アメリカン・
ドリームがこの国を活性化してきた事実は認め、賞
賛します。

　格差なき社会実現を錦の御旗に、政府が富の再配
分を画策するとは、言い換えれば、アメリカの屋台
骨を破壊し活力を奪うことに他なりません。急進左
派や社会主義政権がもたらす「自由なき平等社会」
はアメリカの自死も同じです。

　国への献身。これはジョン・F・ケネディ第35代
大統領の就任演説の一節「国家が何をしてくれるか
を問うなかれ。国のため自分に何ができるかを問い
たまえ」が雄弁に物語っています。当時は党派にか
かわらず、愛国心がアメリカ市民全般に通じる心意
気だったのです。ちなみに、軍人として国に尽くし
た復員兵への恩典に無償大学教育がありますが、こ
れは将兵が命を懸けて獲得した権利。ただではあり
ません。にもかかわらず、この復員兵の特権を社会
福祉として全市民に提供すべきと主張する民主党議
員がいます。愛国心の何たるかを知らぬ彼女は元ソ
マリア難民。アメリカの伝統と制度を無視し、蔑む
言動で知られた存在です。アメリカをまとめる唯一
の箍（たが）「国に尽くす心」が新参者によって蝕
まれているというのに、ミレニアル世代は目先の
「無償」に騙されて気づくことがありません。

　力による平和は、たとえばキューバ危機でケネデ
ィ大統領がソ連に対してとった政策です。キューバ
に核ミサイル基地を建設したフルシチョフ政権に対
し、ケネディは海上封鎖で毅然と対抗。大統領の読
み通り、ソ連側が核戦争一歩手前で折れ危機は回避
されました。後年、レーザー衛星などで敵の大陸間
弾道弾を迎撃する戦略防衛構想、いわゆる「スター
ウォーズ計画」を推進してソ連を経済崩壊に追い込
んだレーガン大統領も力による平和の信奉者でした。
テロリストやテロ支援国に対し武力行使を厭わない
トランプ氏もこの系譜を引き継いでいます。

　さてここで、前述のアイオワとニューハンプシャー
両州における予備選挙において１位と２位を獲得し
たピート・ブティジェッジ氏についての考察です。
アメリカの分断を修復できる大統領候補との下馬評
に惹かれ、氏の人となりや政策を見てみました。中
道穏健派と評される38歳は精悍かつ理知的。けんか
腰で持論の社会主義政策を展開するするサンダース
候補や、大企業を目の敵にするウォーレン上院議員
に比べ、「まとめ役」に適した人当たりの良さを感
じます。一方、ソレイマニ司令官に対する斬首作戦
について聞かれると、「後先考えずに悪玉を取り除
くやり方は好ましい政策ではない」と力による平和
政策を非難し、「自分が大統領だったらソレイマニ
司令官はまだ存命だったろう」と述べています。ま
た、不法移民に関しては「国外退去は重犯罪人に限
って適用する」とし、事実上オープンボーダー（検
問なき国境）を容認。銃問題では「没収」や「買戻
し」などには言及していないものの、犯罪抑止効果
のない銃規制を支持している点では他候補となんら
変わりません。急進左派が台頭する現在の民主党で
こそ「中道穏健派」と評されるものの、氏が掲げる
政策はやはりリベラル過ぎる印象です。米国に穿た
れた断層は「人当たりの良さ」で癒せるほど浅いも
のではありません。

　機会均等の下、天与の能力と努力で活路を開くア
メリカン・ドリーム人生より、政府の保障や福祉を
当てにする人たちが増え、そこにつけ込んだ左派勢
力が台頭し保守派と対立するようになった・・・。
これが現下のアメリカ分断の構図ではないかと思い
ます。

　愛国心はもちろん義務感も責任感も持ち合わせず、
「学資ローンを棒引きにせよ」などと国を搾取の対
象としてしか見ないリベラル派が増えたのです。同
じアメリカ人とは言え、義務、名誉、国家を尊ぶ保
守層と相容れる訳がありません。

　日本の皇室に相当する「民族の箍」を持たないア
メリカは、確かに、人種がらみの内憂に脆弱です。
しかし、単一民族国家日本といえど油断禁物。戦後
75年たった今も、日本には進駐軍に植え付けられた
「祖国を憎む倒錯の心」を正義と称して恥じない政
治家や教育者、ジャーナリストが蔓延（はびこ）っ
ています。日本人からしてこの有様。外国人労働者
受け入れに舵を切った以上、いずれ「外国人の視点
から日本を変える」と主張する移民も現れるでしょ
う。米国を苛（さいな）む分断は、対岸の火事とば
かりは言っていられません。

　本日のトランプツイッターは、ブティジェッジ氏
の発言を報道したABCニュースをトランプ氏が再投稿
したものです。キーワードは alive。「生存して」
「存命中の」という意味です。

Pete Buttigieg says if he was president,
terrorist leader Soleimani would still be
alive https://youtu.be/Ty7nWIjsesg
ABC News Democratic Debate

「ピート・ブティジェッジは『もし私が大統領だっ
たらテロリストの首領ソレイマニはまだ存命してい
ただろう』と述べた」ABCニュースの民主党討論会より
　

▼戦う潜水艦「ポンプ・ジェット」


　兵器は人が生存を懸けて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。

「加藤大尉の軍隊式英会話：兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。これまで、シーウルフ級
攻撃原潜、オハイオ級ミサイル原潜、そうりゅう型
攻撃潜水艦などを見てきました。今回は攻撃型潜水
艦の任務をおさらいし、その特徴の一つである新型
推進システム「ポンプ・ジェット」に焦点を当てま
す。

攻撃型潜水艦は敵のミサイル原潜や水上艦艇を捕捉・
追尾し、状況によっては撃沈するのが任務です（最
近では、対地攻撃用の巡航ミサイルを搭載した攻撃
型潜水艦も配備されており汎用性が向上しています）。
したがって高速性能が重要になりますが、スクリュ
ー（プロペラ）の回転数を上げるとキャビテーショ
ン現象で気泡が生じ、これが騒音と振動および推進
力低下の原因になります。ちなみに1987年に起きた
東芝機械ココム違反事件では、共産圏に輸出された
工作機械によってソ連海軍がキャビテーション発生
を抑えるプロペラ・ブレードを開発し、潜水艦の静
粛性を向上させたとされています。

ポンプ・ジェットの登場により、スクリュー（プロ
ペラ）推進では得られない35ノット（時速65キロ）
の高速性能が可能になりました。同時に、推進部が
シュラウドで覆われているのでキャビテーションを
起こしにくく、その分、静粛性も高くなっています。
ロシア海軍のボレイ型原潜、米海軍のシーウルフお
よびバージニア級原潜が当推進方式を採用していま
す。潜水艦の攻撃力と生存性に寄与するポンプ・ジ
ェットは、抑止力を高める陰の主役と言えそうです。

教材ビデオ: https://www.youtube.com/watch?v=DieKOCLokO4&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=109

(イントロダクションは３：１６から始まります)


基本語彙　(カタカナ発音表示はおおざっぱなもので
す)
Propulsion（プロパルション）推進力　駆動力
Pump jet（ポンプ・ジェット）高速航行に適した船
舶の推進方式。ウォーター・ジェットとも呼ばれる
Propeller（プロペラ―）飛行機や船舶のプロペラ
またはスクリュー

シナリオ（３：１６から始まります）

There is another futuristic propulsion system
called the pump jet which is considerably
quieter than a propeller.
（ポンプ・ジェットと呼ばれる斬新な推進システム
があり、スクリューよりかなり静粛性が高い）

（ポンプジェットの解説は３：５０まで続きます）

英語一言アドバイス：propellerは「進ませる」
「推進する」を意味するpropelから来た名詞です。
直訳すれば「前へ進ませるもの」とか「推進機」に
なります。日本語では飛行機のプロペラを指します
が、英語では船舶のスクリュー推進機もプロペラと
呼ぶことが多いようです。

発音サイト： プロペラの発音　https://www.google.co.jp/search?sxsrf=ACYBGNTkHfgO25YMx1i8aigLZsR4fh3_ww%3A1581456848087&source=hp&ei=0B1DXrCJA7-U0PEP1ci7mAo&q=propeller&oq=propeller&gs_l=psy-ab.12..0l7j0i131j0l2.1009.2438..4959...2.0..0.114.955.0j9......0....1..gws-wiz.......35i39j0i10.IUehZ4wxIFg&ved=0ahUKEwiwsZ_tucrnAhU_CjQIHVXkDqMQ4dUDCAc

参考サイト:　 ポンプジェット　https://en.wikipedia.org/wiki/Pump-jet
（本サイトの日本語版に移行してください）

潜水艦　https://en.wikipedia.org/wiki/Submarine
（本サイトの「攻撃型潜水艦」日本語版へ移行してください）

攻撃型潜水艦　https://en.wikipedia.org/wiki/Attack_submarine

キャビテーション　https://en.wikipedia.org/wiki/Cavitation
（本サイトの日本語版に移行してください）

東芝機械ココム違反事件　https://en.wikipedia.org/wiki/Toshiba-Kongsberg_scandal
（本サイトの日本語版に移行してください）





（かとう・たかし）






●著者略歴
 
加藤喬（かとう・たかし）
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授（2014年7月退官）。
著訳書に第３回開高健賞奨励賞受賞作の『ＬＴ―あ
る“日本製”米軍将校の青春』（TBSブリタニカ）、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『Ｍ16ライフル』『ＡＫ―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃（近刊）』（いずれも
並木書房）がある。
 
 
追記
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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事（桜林美佐氏）：
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス　戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X　
 
『レックス　戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
　⇒ https://okigunnji.com/url/7/
 
 
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代　(passage of
lines)　を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
 
　同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は　"Repeat"　ではなく　"Say again"　です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
 
　兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。　
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac"　
と表現します。
 
　『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
 
加藤　喬
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PS
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くことがございます。あらかじめご了承ください。


最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
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マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、
心から感謝しています。ありがとうございました。

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発行：おきらく軍事研究会
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