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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
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どうぞ
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WEB
http://wos.cool.coocan.jp
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こんにちは。エンリケです。
加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出まし
た。今回はMP5です。
「MP5サブマシンガン」
L.トンプソン (著), 床井雅美 (監訳), 加藤喬 (翻訳)
発売日: 2019/2/5
http://okigunnji.com/url/14/
※大好評発売中
米における銃規制は、
想像以上に深刻な課題のようです。
とはいえ思うのは
「国論を二分する課題」は
世界中どこの国にも日常レベルで普通にあるよな
あ、ということです。
ことさらに
「国論を二分するようなことは~」
と、意見表明に無言の圧力をかける
超少数の一部の人々がいますが、
その大声にふらつかない
性根ある日本人でありたいものです。
エンリケ
ご意見ご質問はこちらから
https://okigunnji.com/url/7/
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加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編
世界の秘密兵器(7)
戦う潜水艦「海自そうりゅう型潜水艦」
Takashi Kato
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□トランプ・ツイッター(1月20日付)
米国社会を分断している争点のひとつに「市民が銃
を所持し携行する権利」があります。イギリス国王
ジョージ3世による圧政と植民地搾取に反発した武
装市民が隆起、英国正規軍を相手に独立を勝ち取っ
た史実に鑑み、米国憲法修正第2条 (the Second
Amendment) で保障されています。民兵として外敵
から国を守るだけでなく、人々の信任を失った政府
による暴政を防ぐために個人が持つ銃所持権利は、
「市民の義務と権利」をなにより重視する米国流民
主主義の神髄とも言えます。
これに対し、一般人の銃所持権利を制限しようと
いうのが「銃規制」。相次ぐ乱射事件への対応が名
目ですが、銃所持を警察や軍隊に限定し現在個人が
所有する銃器は没収するのが最終目標。民主党の各
大統領候補が公約に挙げています。将来、丸腰にな
った市民を抑圧する社会主義政権誕生を助長する恐
れがあります。
今回のツイッターは、バージニア州で行なわれた
「銃所持権利擁護集会」に関するものです。毎年恒
例の行事なのですが、今年は同州議会が可決を目指
す銃規制法案を受け、全米から銃所持権利支持者ら
が駆けつけました。民主党選出のノーサム知事は州
都リッチモンドで行なわれる2万人規模の示威活動
に恐れをなし「非常事態」を宣言。参加者らが銃器
を携行する権利を一時的にはく奪したのです。
銃所持に批判的な主流メディアも「参加者の中に
は白人至上主義者や政府転覆を主張する武装集団が
いる」との誇大報道で視聴者の不安を煽りました。
当日、黒人や女性を含む参加者たちは口々に「米国
への忠誠の誓い」を唱え平和裏に集会を決行。「憲
法で保障された権利を踏みにじる政治家には投票し
ない」との強いメッセージを送ったのです。銃権利
を擁護するトランプ氏に呼応するように、アメリカ
の伝統を誇る普通のアメリカ人たちは「選挙におけ
る愛国的有権者の強さ」を示しました。
銃権利にせよ、国境の壁と移民政策にせよ、テロ
との戦いにせよ、対中政策にせよ、トランプ氏は論
争の核心に果敢に切り込み、立ち位置がブレません。
たしかに、やり玉に上がるお行儀の悪さや過剰な自
我など、彼の性格は理想的とは言い難いものですが、
あえて火中の栗を拾い、一貫して結果を出してきた
トランプ氏は、内憂外患時の大統領としては理想的
な存在だと言えましょう。
本日のトランプ・ツイッター、キーワードは take
away。「取り上げる」「奪う」を意味します。
The Democrat Party in the Great Commonwealth
of Virginia are working hard to take away your
2nd Amendment rights. This is just the beginning.
Don’t let it happen, VOTE REPUBLICAN in 2020!
「バージニア州の民主党は憲法修正第2条で保障さ
れた権利を市民から奪おうと必死だ。これはほんの
はじまりに過ぎない。銃権利を奪われてはならない。
2020年の選挙では共和党に投票を!」
▼戦う潜水艦「海自そうりゅう型潜水艦」
兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」のごとく、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的
な破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を
手放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの
裏面が「抑止力」なのです。
「加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。しばらくの間、ことに抑
止効果が高いとされる潜水艦に焦点を当てることに
します。今回は海自の最新鋭潜水艦「そうりゅう型」
を採り上げます。
原子力潜水艦は真水も酸素も艦内で作り出すことが
でき、潜ったまま数か月も任務を継続することが可
能です。したがって、大洋の深海を常時パトロール
するミサイル潜水艦や、敵のミサイル原潜を追跡・
撃沈するハンター・キラー(攻撃型潜水艦)は原潜
の独壇場です。
しかし、通常型潜水艦にも長所は多々あります。た
とえば、日本の領海に侵入してくる敵潜水艦を要所
で待ち伏せする任務には、静粛性の高い通常型のほ
うが優れています。また、原潜に比べ建造費が格段
に安いことや、事故による放射能汚染の心配がない
こと。そして、廃艦にともなう原子炉と核燃料廃棄
作業が要らないこともプラスです。
とは言うものの、蓄電池の電気を消耗してしまうと
ディーゼルエンジンを回して発電しなければなりま
せんし、艦内空気の換気も必要。このため浅深度ま
で浮上しシュノーケルで空気を取り入れるわけです
が、この際、敵対潜哨戒機や水上艦のレーダーで発
見される可能性が高く攻撃に脆弱になります。
この欠点を改善する目的でそうりゅう型潜水艦に採
用されたのが非大気依存推進(Air Independent
Propulsion:AIP)と言われるものです(詳細は下
記の参考サイトを参照してください)。これによっ
て数週間にわたる連続潜航が可能になったと言われ
ています。
そうりゅう型は従来の涙滴型から葉巻型に船形を改
良し、大型ソーナーを側面に装備できるようになっ
ています。また、船体には音波を反響しにくい塗装
が施され静粛性も向上しています。
武装としては89式有線誘導魚雷とハープーン対艦
ミサイルを装備するなど、攻撃能力も充実。通常型
としては攻守ともに特筆すべき性能を持つ本艦は、
高い抑止効果を発揮しているものと思われます。ち
なみに、そうりゅうは「蒼(あお)い龍」と書き、
姉妹艦11隻にもすべて「龍」を用いた命名が行わ
れています。
教材ビデオ:
https://www.youtube.com/watch?v=G-pUmIfshg4&list=PLk2kWhtlkeERNmHhjjwD0qbox5r9ZGvvh&index=96&t=0s
(そうりゅう型潜水艦のイントロダクションは7:4
4から始まります)
基本語彙 (カタカナ発音表示はおおざっぱなものです)
Hull(ハル)船体
Anechoic(アネコイック)無響の 反響しない
Wire-guided(ワイヤーガイデッド)有線誘導の
Torpedo(トーピードウ)魚雷
Aggression(アグレッション)攻撃
シナリオ (8:40から始まります)
The hull has an anechoic or echo resistant coating.
(船体には無響、すなわち反響を抑える塗装が施さ
れている)
As well as Harpoon brand anti-ship missiles,
it (Soryu) carries a wire-guided torpedo
called Type 89 bearing a warhead of 267
kilograms.
(ハープーン型の対艦ミサイルはもちろん、そうり
ゅうは89式有線誘導魚雷を装備している。89式の弾
頭には267キロの炸薬が装填されている)
Soryu combines both efficiency and aggression.
(そうりゅう型は効率の良さと攻撃力を兼ね備えて
いる)
英語一言アドバイス:
torpedoは「魚雷」のことです。動詞として「魚雷
攻撃する」「魚雷で撃沈する」という使い方も出来
ます。
発音サイト:
torpedoの発音
https://www.youtube.com/watch?v=BUXeoinoFJM
参考サイト:
そうりゅう型潜水艦
https://en.wikipedia.org/wiki/S?ry?-class_submarine
(このサイトの日本語版に移行してください)
ハープーン対艦ミサイル
https://en.wikipedia.org/wiki/Harpoon_(missile)
(このサイトの日本語版に移行してください)
89式魚雷
https://en.wikipedia.org/wiki/Type_89_torpedo
(このサイトの日本語版に移行してください)
非大気依存推進
https://en.wikipedia.org/wiki/Air-independent_propulsion
(このサイトの日本語版に移行してください)
(かとう・たかし)
●著者略歴
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃(近刊)』(いずれも
並木書房)がある。
追記
「MP5サブマシンガン」
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『AK-47ライフル』
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『M16ライフル』発売中♪
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『ガントリビア99』発売中!
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『アメリカンポリス400の真実!』発売中
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633405
『チューズデーに逢うまで』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063326X
『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320
オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
きょうの記事への感想はこちらから
⇒
https://okigunnji.com/url/7/
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac"
と表現します。
『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
加藤 喬
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