配信日時 2020/01/13 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(58)】 来てはいけない場所だった?

こんにちは、エンリケです。

立花宗茂は好きな武将です。
立花うどん、食べたいですねえ!

ことし最初の「美佐日記」。
さっそくどうぞ。

エンリケ


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桜林美佐の「美佐日記」(58)

来てはいけない場所だった?

桜林美佐(防衛問題研究家)
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 新年あけましておめでとうございます。桜林です。
「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて
するなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』。令
和2年は58回目からスタートです。本年もどうぞ
よろしくお願い申し上げます。

 年末は案の定、引きました。くじ引きで大当たり、
ではなく風邪を・・。気管支炎に進行し、レントゲ
ンを撮ったらカゲが映っているということでCTま
で撮影することになり、連日、長時間病院で過ごす
ことになってしまいました。

結果的にこのカゲは血管が浮き出ていただけだとい
うことで異常ナシでしたが、この結果が出るまで丸
1日あり、色々と考ることになりました。2年前、
父親から咳が出ると電話があり「葛根湯でも飲めば?」
と冷たく言い放ったことを。結局、肺ガンだと分か
り、間もなく亡くなったのですが、やはりこういう
冷酷な対応をすると、自分にはね返ってくるのだな
と。

 思えば体調悪化には予兆(原因?)がありました。

年末に、ぜひ行ってみようということで赴いたのが
福岡県・柳川市。目的は「立花家史料館」です。

武勇の誉れ高い柳川城主・立花宗成のゆかりの場所
です。立花宗成は関ケ原の戦いを西軍側で戦い敗れ
ましたが、東軍の将軍たちからの引き抜きの試みが
相次ぐなど異例の人材でした。

妻の誾千代(ぎんちよ)は美女で、しかも武芸の達
人だったといいます。このふたりは大河ドラマの候
補になっているようです。

 で、その史料館に向かうため家を出発すると、歩
を進めるごとゲホゲホと咳が出てきます。なんだか
おかしいけど、まあ行こうということで前進。

実は柳川に行ったのは初めてで、テレビやガイドブ
ックで観ていた川下りの情緒ある景色を実際に見る
のも楽しみにしていました。冬場の川下りは船にコ
タツが用意されているとのこと、あわよくばそんな
体験もできるかも!などと期待に胸膨らませていた
のでした。

 しかし、柳川に近づくにつれ段々と厚い雲が立ち
込め、とても景色を楽しむような天気ではなくなっ
ています。一抹の不安を覚えながら行くと、立花家
をそのまま使用した旅館「柳川藩主立花邸 御花」を
発見。この中に史料館はあるのです。

 近くの有料駐車場に車をとめると、その途端に雨
がざーっと降り出すではありませんか!果敢に史料
館の入り口へ走ると、な、なんと、目の前に現れた
のは「休館」の張り紙!

なんてこった!年末だから事前に調べるべきでした
が、今日はまだクリスマスだし大丈夫だろうとたか
をくくっていたのでした。

 いかん!ここで動揺している間はない!速やかに
有料駐車場から車を出さねば!ということで普段か
ら身体を鍛えている旦那さんは全速力で駐車場へ。

 しかし!車を出そうとした瞬間に車止めが上がり、
ガガガッツーという鈍い音がっ!ああ・・・絶句。

仕方がなく、降りしきる雨の中、330円の駐車料
金を払って立花家を後にしたのでした。

「これは立花家とうちの先祖に何か因縁があるので
はなかろうか、近づいてはいけない何かが」

そのように考えるしかありません。いえ、それくら
いに考えないと受け入れ難い現実です。自分のリサ
ーチ不足は棚に上げて、ここは来てはいけない場所
だったに違いないと勝手に結論付けることになりま
した・・。

「で、うなぎも食べないで帰って来たとですかあ?」
と、後でみんなに言われましたが、こんな時に人の
心を慰めるのは、なんといっても「うどん」でしょう。

打ちひしがれて立ち寄ったのは「立花うどん」!実
は「筑後うどん」というカテゴリーの、讃岐うどん
とは全く違うモチモチして柔らかいうどんも福岡名
物のひとつなのです。

因みに「立花うどん」の名称は創業者が立花宗成か
ら名前を取って店名を決めたとのこと。

 「モチやわ」のうどんで心が落ち着いた帰路、通
りがかった大川市で「古賀政男記念館」を見つけま
した。

そう、ここは古賀政男の故郷なのです。思いがけず
来られるなんて!と、入ったが最後、1時間以上も
古賀メロディに興じてしまいました。やっぱり古賀
メロディは裏切らない!入館者が他にいないのをい
いことに歌いまくり、段々と風邪は進行していきま
した。そして、この日記の冒頭に戻ります・・・。
 
 さて、昨年末に読者のFさんから感想を頂きました。

「いつもメルマガ配信楽しみにしています。この度
の山本三男三郎少尉特攻によるB29撃墜の事実を知り
ませんでした。太刀洗平和記念館は仕事で何度も近
くを通る機会があったのに立ち寄ったことがありま
せんでした。
少尉の名前でWebを探ってみると「青森空襲を記録す
る会」のページにたどり着き、更にそこから本土に
墜落したB29の記録があり、そこに記事にあった亡
くなった女性通信士軍曹の名前も・・。
 こんなに詳細に記録されているのかと驚きました。
敵味方を問わず戦争で失われる1人1人の命に人生
があってそれでも先の対戦で米軍航空兵力の損害が
全体の1%に及ばなかったという冷徹な事実が残さ
れています。そういう歴史の上に我々の生活が今あ
ることをもっとしっかり考えたいと思いました。」

Fさんありがとうございます。皆さまにとって素晴
らしい1年となりますように!

<おしらせ>
1. 1月14日~17日まで、夕刊フジにて短期連載を
します。

2. .YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップ
している「国防ニュース最前線」、
今週も伊藤俊幸・元海将に解説をお願いします。
http://okigunnji.com/url/42/


<おしらせ 2>
今年4月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』
(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が発売されまし
た! 中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな
自衛隊派遣が検討されているこの時期にタイミング
を合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何
を思い、どのような苦労をして、任務をこなしてき
たか、25人の自衛官のリアルな体験記です。

https://amzn.to/38gvhr1



(つづく)



(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリ
ーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(PH
P研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。


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