────────────────────
ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応
予備自衛官でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽に
どうぞ
E-mail
hirafuji@mbr.nifty.com
WEB
http://wos.cool.coocan.jp
────────────────────
こんにちは。エンリケです。
加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出まし
た。今回はMP5です。
「MP5サブマシンガン」
L.トンプソン (著), 床井雅美 (監訳), 加藤喬 (翻訳)
発売日: 2019/2/5
http://okigunnji.com/url/14/
※大好評発売中
「今週のトランプツイッター」で見る米の模様・雰囲気。
国内で報道されているそれとずいぶん空気感が違います。
こういうことが大事なんですよね。
エンリケ
ご意見ご質問はこちらから
https://okigunnji.com/url/7/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編
世界の秘密兵器(2)
常軌を逸した発明「神の杖ソアー」
Takashi Kato
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□トランプツイッター
米下院司法委員長がトランプ大統領に対する弾劾
条項を発表しました。ウクライナ疑惑をめぐる「権
力乱用」と「議会妨害」が訴追の理由だそうです。
今後、下院本会議で弾劾裁判を開くかどうかの採決
を行ないます。大統領罷免の是非を決める「裁判」
は上院が行ない、有罪評決には上院議員の3分の2
の投票が必要になります。仮に弾劾裁判が開かれる
ことになっても、与党共和党が主導権を握る上院で
トランプ氏が有罪になる可能性はありません。
勝算が皆無であるにもかかわらず、なぜペロシ下
院議長ら野党民主党重鎮らは弾劾という最後の手段
に打って出たのか? 抑えきれなくなった党内急進
左派のガス抜きとの見方もありますが、性急に過ぎ
る弾劾手続きの裏には強い「反トランプ感情」が
滾(たぎ)っているように思えます。
ドナルド・トランプという「ワシントン政界のア
ウトサイダー」に対する、剥き出しの嫌悪と敵意に
分別を奪われた結果でしょう。わたしの目には、野
党のエリート政治家や高学歴の進歩主義者、主流メ
ディアは3年前のトランプ勝利が受け入れられず、
ワイルドカード大統領就任以来1日も欠かさず「ト
ランプ追い落とし」を画策してきたように見えます。
その結果が、2016年の大統領選挙結果を無効にしよ
うと始められた「ロシア疑惑」であり、また今回の
弾劾騒動なのです。
もちろん野党の存在価値は政権奪取の能力に尽き
ます。あらゆる機会を捉え与党を非難糾弾するのが
政治の定石。とは言うものの、大統領への抑制なき
敵意が党員を束ねる箍(たが)で、弾劾支持が党派
心の証となる民主党の現状は不健全かつ嘆かわしい
ものです。野党にとって国政に参与するとは、政策
立案で与党と勝負することでしょう。
分断が進むアメリカの政情は日本の有権者にも対
岸の火事ではありません。「モリカケ」から「桜を
見る会」まで、野党議員諸氏を束ねているのはひた
すら「安倍憎し」の感情だからです。もっとも日本
の場合、野党はまず政策立案能力があることを国民
に示す必要がありましょう。揚げ足取りと審議拒否
ばかりでは国は動きません。
本日のトランプツイッター、キーワードは
smoking gun。まだ銃口から煙が出ている銃、すなわ
ち「動かぬ証拠」を意味します。
“The Democrats haven’t come up with a smoking
gun. Nancy Pelosi, by raising this to the level
of Impeachment, has raised the bar impossibly
high. This comes after three years of nonstop
investigations of Trump, the Russian collusion
narrative, the Mueller Report, & now the.........
American people are supposed to believe that
this simply isn’t a part of everything they’ve
been trying to do for the last three years?
I think it is really a hard sell for Nancy Pelosi.”
(ウクライナ疑惑に関し)民主党議員らは、動かぬ
証拠をまだ示していない。にもかかわらず、ナンシ
ーペロシは弾劾にまでハードルを上げ、自らの目標
を達成不可能にした。しかも(この弾劾騒動は)3
年にも及んだロシア疑惑調査、(ロシア疑惑の特別
検察官だった)ロバート・モラーの報告書に続くも
のだ・・・この弾劾が3年間行なわれてきた一連の
「トランプ下ろし」の続きではないと、アメリカ市
民に信じろと言うのか?ナンシー・ペロシ、そいつ
は無理な注文だ。
▼常軌を逸した発明「神の杖ソアー」
兵器は人が生存を賭けて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の中の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。
「加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。シリーズ再開第2弾は、
地球軌道上から運動エネルギー兵器で地下掩蔽壕な
どを攻撃する「プロジェクト・ソアー(神の杖計画)」
をとりとりあげます。ソアーとは北欧神話に出てく
る雷神のことです。
同計画は、高度1000キロの軌道を周回する衛星か
ら極めて重く硬いタングステン製の飛翔体を地上に
落下させ、地下深くに構築された敵指揮所や首脳部
用掩蔽壕を破壊するというものです。利点には、地
球のどこでも攻撃できる。マッハ10の極超音速で垂
直に落下してくる電信柱ほどの飛翔体を迎撃するこ
と不可能。発射から着弾までは12?15分でICBMの約
半分。軌道離脱用エンジンは小型で発射を探知され
ない。核爆弾に匹敵する破壊力がある。敵のICBMの
迎撃に転用可能・・・などがあります。
敵国の指揮中枢のみをいつでも迅速かつ確実に破
壊できる能力は、防御手段がないことと相まって、
相手側指導者に強い威圧感を与えます。プロジェク
ト・ソアーが発揮する抑止力は、ことに指揮系統が
トップダウン型で脆弱な独裁国家に対し極めて大き
なものになると考えられます。
運動エネルギー兵器搭載衛星を複数基打ち上げ、
恒常運用するには巨額の予算が必要です。費用対効
果がネックになり、神の杖および類似プロジェクト
は現在までのところSF映画のプロップとして登場す
るだけです。しかしながら、米ロ中が宇宙軍設立を
競う時流に沿って実用化の動きが出てくるかもしれ
ません。ちなみに、宇宙条約(Outer Space Treaty)
は大量破壊兵器(Weapons of Mass Destruction: WMD)
の軌道投入と運用を禁じていますが、運動エネルギ
ー兵器は局部攻撃(surgical strike)に限定できるの
で除外される可能性があります。
教材ビデオ:
https://www.youtube.com/watch?v=fZvTuNKTW8M&t=648s
(イントロダクションは4:38から始まります)
基本語彙 (カタカナ発音表示はおおざっぱなもの
です)
Penetrate(ペニトレイト)貫く 貫通する
Equivalent(イクウィバラント)同じ 同等の
Nuclear blast(ニュークリア ブラスト)核爆発
Fallout(ファールアウト)放射性降下物
シナリオ(5:21から始まります)
It (The projectile) would be capable of
penetrating hundreds of feet into the Earth’s
crust and the destruction would be the
equivalent of a nuclear blast but without
fallout.
(投射体は地下数百メートルまで貫通可能で、その
破壊力は核爆発に匹敵する。しかし、放射性降下物
は発生しない)
(ポセイドンのビデオは6:00まで続きます)
英語一言アドバイス: falloutは核爆発に伴って地
上に降ってくる放射性粒子のことです。日本語では
「死の灰」という表現もあります。
発音サイト: falloutの発音
https://www.youtube.com/results?search_query=fallout+pronunciation+
参考サイト
運動エネルギー宇宙兵器:
https://en.wikipedia.org/wiki/Kinetic_bombardment
(このサイトの日本語版を参照してください)
宇宙条約:
https://en.wikipedia.org/wiki/Outer_Space_Treaty
(このサイトの日本語版を参照してください)
加藤喬(たかし)
●著者略歴
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK―47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃(近刊)』(いずれも
並木書房)がある。
追記
「MP5サブマシンガン」
http://okigunnji.com/url/14/
※大人気継続中
『AK-47ライフル』
http://amzn.to/2FVniAr
※大好評発売中
『M16ライフル』発売中♪
http://amzn.to/2yrzEfW
『ガントリビア99』発売中!
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633456/
『アメリカンポリス400の真実!』発売中
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633405
『チューズデーに逢うまで』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063326X
『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320
オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
きょうの記事への感想はこちらから
⇒
https://okigunnji.com/url/7/
---------------------------------------
日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。
同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。
兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac"
と表現します。
『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。
加藤 喬
----------------------------------------
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個
人情報を伏せたうえで、メルマガ誌上及びメールマ
ガジン「軍事情報」が主催運営するインターネット
上のサービス(携帯サイトを含む)で紹介させて頂
くことがございます。あらかじめご了承ください。
最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
ています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、
心から感謝しています。ありがとうございました。
-----------------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
メインサイト:
https://okigunnji.com/
問い合わせはこちら:
https://okigunnji.com/url/7/
メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に置
き換えてください)
------------------------------------------
配信停止はコチラから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
----------------------------------
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権はメー
ルマガジン「軍事情報」発行人に帰属し
ます。
Copyright (C) 2000-2019 GUNJIJOHO All rights reserved.