配信日時 2019/12/19 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (259)】明野駐屯地航空学校(9)

こんにちは、エンリケです。

明野駐屯地航空学校の九回目です。

「空の騎兵」、陸軍ヘリ部隊の
はなしを、きょうもお楽しみください。
さっそくどうぞ。

冒頭文も、、w


エンリケ


「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/



ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
https://okigunnji.com/url/7/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『ライター・渡邉陽子のコラム (259)
 ― 明野駐屯地航空学校(9)―

         渡邉陽子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんばんは。渡邉陽子です。
軍事情報のメルマガは、私も愛読者のひとりです。12月16日に配信
された桜林美佐さんの『「1日基地司令」初体験!』はあまりの面
白さに、声を上げて笑ってしまいました。実は築城基地の航空祭は
行きたくて取材申請する寸前だったのですが、結局動かせない仕事
とかぶって断念したのです。行っていたらゆるキャラもどきの(笑)
桜林さんにお会いできたかもしれません。でも笑ったのはそこでは
なく、「ああ、まさに空自!」と思うシーンがてんこ盛りだったこ
とです。ミリミリで動く陸自の人がその場にいたらめまいをおこし
てしまいそうなアバウト、もとい、おおらかさ。デモスクランブル
下令のシーンなんて、もう大爆笑でした。
けれど防空の任務は日々が実任務、ゆるさとは無縁の世界です。桜
林さんのメルマガからは、そこへの敬意も伝わってきました。書い
てくださった桜林さんにも、配信してくださった管理人様にも感謝
です。


■明野駐屯地航空学校(9)


取材時の第1教育部長の1等陸佐は、単・複ローター合わせて約600
時間の飛行時間を誇る操縦士でした。
東日本大震災の時はちょうど霞目駐屯地に勤務、東北方面航空隊長
として地震発生から15分後には映像伝送装置付きのUH-1Jを上がら
せ、そこから連続30時間にわたる人命救助活動を行なったそうです。
真っ暗闇の仙台で夜間もヘリを飛ばせたのは、日頃からナイトビジ
ョンゴーグルを用いて行なっていた訓練の賜物です。ヘリは有視界
飛行が原則なので、陸自の航空部隊では夜間訓練はあまり多くあり
ません。限られた訓練の成果をしっかり発揮できたということです
ね。
ちなみにこの第1教育部長、第12ヘリ隊長のときは平成19年7月の
新潟県中越沖地震にも遭遇しています。そういった経緯から、陸自
航空科が極度に即応力を求められること、災害派遣で航空機がその
役割を最大限に発揮するのは最初の2~3日間であることを、身をも
って知っている方でした。

第1教育部長のコメントです。
「第1教育部は師団や関係他職種部隊と密接に共同した部隊の運用
についての教育を行っています。陸自航空科は、航空機を用いて時
間的空間的に縦横無尽に行動する、いわば現代戦における空の騎兵
だと思います。騎馬に当たる航空機の能力を最大限発揮するために
は、航空科の特技を有機的に結集する、つまり特技者が集まる各部
隊を有機的に組織化することが重要です。どの機能が欠けても航空
科として機能を発揮することはできません。現在学生たちが不眠不
休で取り組んでいるMMは、まさにそれを図上で実践しているわけで
す。彼らはこの先、陸自航空科職種を背負って立つ立場になります。
自衛官ですから、国家の存亡を担う場面に遭遇する可能性もありま
す。だからこそ、今できることを淡々とやりなさいと話しています。
また、上に立つ人間が部隊で失敗すれば部下から笑われますが、こ
こではみな同期。学生の間はプライドを捨て、大いに恥をかけとも
言っています」

さて、今春に教育支援飛行隊から改編されたのは飛行教導隊です。
学生が航空偵察をしたいと言えば航空機を出し、展開地での行動を
見たい、ヘリ火力戦闘の場面を見たいなどという要望には見本を見
せ、時には敵役をこなし、幹部レンジャー課程の支援も行なうなど、
各種訓練を航空機で支援しています。
要望が多岐にわたるため、それに応じるべく保有している航空機は
UH-1、UH-60J、CH-47JA、OH-1、AH-1Sと5機種にもなります。隊員
たちも最低2機種の操縦資格を保有しています(取材時、案内して
くれた副隊長はなんと4機種の操縦資格を持っていました!)。
もともと教導隊と名の付く部隊にはその道のスペシャリストが集ま
るので、教育支援飛行隊にも腕に覚えのある操縦士がずらりと揃っ
ています。これだけの機種を運用していること自体が、この部隊の
レベルの高さを何よりも物語っています。

飛行教導隊の主任務は学生の教育支援やヘリを使った教導の研究支
援ですが、中部方面総監部から要請があればチヌークで山火事の消
火にも繰り出します。
かつては航空機の実用試験や運用試験も行なっていましたが、現在
は飛行実験隊が担っています。ただし操縦用の教本に書かれている
数値の領域を広げる検討などについては操縦士の腕が大いに関わっ
てくるので、飛行教導隊が支援しています。



(以下次号)


(わたなべ・ようこ)

※現在連載中

「PANZER」1月号
「神は賽子を振らない」第9回
https://amzn.to/33CaB8Y

「正論」12月号
「自衛隊あってのオリンピック」第6回
https://amzn.to/31UaMf4



「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
https://okigunnji.com/watanabe/

ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
http://okigunnji.com/url/7/



□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。

 
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個人情報を伏せ
たうえで、メルマガ誌上及びメールマガジン「軍事情報」が主催
運営するインターネット上のサービス(携帯サイトを含む)で紹
介させて頂くことがございます。あらかじめご了承ください。


最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。

 
----------------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
メインサイト:https://okigunnji.com/
問い合わせはこちら:
http://okigunnji.com/url/7/
メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に
置き換えてください) 
----------------------------------------
 
 
●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com 


<丸谷 元人の講演録&電子書籍> 
謀略・洗脳・支配 世界的企業のテロ対策のプロが明かす… 
知ってはいけない「世界の裏側」を見る
 http://okigunnji.com/url/13/
---------------------

投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権は
メールマガジン「軍事情報」発行人に帰
属します。
 
Copyright(c) 2000-2019 Gunjijouhou.All rights reserved