こんにちは、エンリケです。
こんかいのように、
「主役」ご自身から、うら話を伺えるのは
実にありがたいですね!
笑顔でいっぱいの読後感です。
軍種間の風土の違い(?)もうかがい知れたし、
(三自衛隊を表現した熟語のことをふと思い出しま
したw)「スクランブル」な体験談も面白いです。
詳細は以下でどうぞ。
エンリケ
ご意見・ご感想はコチラから
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桜林美佐の「美佐日記」(56)
「1日基地司令」初体験!
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』は今回で56回目です。
前回、ご紹介した久留米と第九のエピソードに対し、
Kさんからご質問を頂きました。
「毎回興味深く拝読しています。日記55号で、1919
年12月3日久留米で捕虜ドイツ兵によるベートーヴ
ェンの交響曲第9番「第九」の演奏が初めて行なわれ
たとありました。「初めて」というのは「久留米で」
ということでしょうか? 日本初は徳島坂東収容所
で行なわれた1918年(大正7年)6月1日ではないで
しょうか」
ありがとうございます!そうなんです。演奏その
ものはそれ以前に徳島で行なわれていました。前回
の日記では久留米では「演奏会」が行なわれたとい
う書き方でごまかしてしまいましたが、詳しい解説
は、前回もご紹介した久留米市HP『ドイツさんと久
留米』にばっちり載っていましたので、そのまま引
用します!
『この「第九」の国内初演は、大正7年(1918)6月
1日に坂東捕虜収容所(徳島県鳴門市)で行われた全
楽章演奏とされることはよく知られています。しか
しあくまでも収容所内での演奏で、日本人向けのコ
ンサートではありませんでした。
久留米でも遅れること約1年半。大正8年(1919)
年12月3日、久留米高等女学校(現県立明善高等学
校)で第二・三楽章が演奏されました。これが日本
人の聴衆を対象とした「第九」の初演奏となります』
(久留米市HP ドイツさんと久留米より)
さて、ご案内していたように、先日は行ってまい
りました!築城(ついき)基地航空祭!「1日基地
司令」としての参加となりました。
当日の朝は曇り空でしたがまずまずのお天気、基
地へ向かう車中、まずは聞いてみました。「1日基
地司令は、これまではどんな方が務めたんですか?」
と。
すると答えは「去年はシンガーソングライター、一
昨年はゆるキャラでした」とのこと。
なるほど。ならば私は「ゆるキャラでも、シンガ
ーでもない役割を果たそう!」(当たり前)と決心
し、制服に恐る恐る袖を通したのでした。
ここで、すでに失敗に気づいたのは、連絡してい
た私のサイズは「平時」のもので、この日は防寒対
策のためインナーを着すぎ、必死でズボンのボタン
を止める状態になり、ぱっつんぱっつんの人になっ
たことです。「今年もゆるキャラなのか?」と言わ
れそうです。
そんな、ぎこちない動きの私の最初の仕事は、リ
アル築城基地司令である佐藤信知・空将補から「1
日基地司令」のタスキを頂く委嘱式です。
この日、エスコートしてくれたS田3尉からは、事
前の説明として、「ここから入って行きます、そし
て礼をして・・・えーっと・・・あとは司令の動き
に合わせて下さい!」と指示がありました。
おおっ、久しぶりに航空自衛隊のアバウト、いえ、
即応性を重視したかんじ!と、ちょっと感動さえし
ました。
当日の私のスケジュールは、「ラジオ出演」「デ
モスクランブル下令」「祝賀会での挨拶」「ブルー
インパルスへの花束贈呈」で、それ以外の時間は「自
由」とのこと。
同じ自衛隊でも陸上自衛隊の催しに行くと、分刻
みで動きが決まっていますので、それに慣れてしま
うと「自由」な時間に何をすべきかサッパリ分から
なくなります。航空自衛隊は、ある意味「自分で考
えなさい」という組織なのかもしれません。
結局、この「自由」時間は基地内を歩き、隊員の
皆さんにできる限り「ご苦労様です」と声をかけよ
うと思いました。そして歩き始めると、来場者の皆
さんから写真撮影など求められ、まるでタレント気
分!「誰なのあれ?」と言われるとばかり思ってい
ましたので、ちょっと救われました。
そんなことをしているうちに、時間がなくなって
しまい、もっと効率よく回って、全ての展示ブース
も訪れたかったと反省していますが、お声掛け下さ
った来場者の皆さんの優しい言葉に非常に励まされ
ました。
ラジオの生放送出演の後は「デモスクランブル下
令」です。
ここで私はなにをするのかというと「ブザーを押し
て合図をします」「スクランブルっと大きな声で号
令をします」「声は出さずに手で合図だけします」
と、3人の空自の方が違うことを教えてくれます。
S田3尉と一緒に付いていてくれた可愛らしいWAFさ
んも心配そうな様子。とにかく段取りは「出たとこ
勝負」でしたが、デモの数秒前に私のすべき動き
(スクランブルの号令をかけると同時に手を振り下
ろす)が判明し、デモスクランブルは無事終了。
どうも私自身の動作がまさにスクランブルだったの
ではないか!?と、後で気づきました。
ブルーインパルスへの花束贈呈は、滑走路で目の前
に機体が止まりクルーが降りて来ている段階で「ど
こで?どなたに?花を渡すの?」のか、誰も知らな
いなかでのワクワク体験でしたが、これも無事に終
了!
終わってみれば「航空祭」、全てが何も滞りなく完
遂されました。お天気もブルーインパルスが登場す
ると快晴になったのですからお見事です。
私の動きなどは全体に影響はないでしょうが、それ
にしても、細部が決まっていなくて大丈夫かなと案
じたのも杞憂で、ちゃんと成功裏に終わらせるとこ
ろが、さすがだと、本心からつくづく思いました。
読者の皆さん、実は、この築城基地航空祭リポート
はまだまだ続きがあります。
この日、最もしたかったことを拙ブログの『桜林美
佐の新・国防日記』に書きました。写真も掲載しま
したので、ご覧頂ければ幸いです。
https://ameblo.jp/misakura2670/
それにしても、つくづく感じたのは、空自の、と
りわけ戦闘機を運用する基地司令は担うものが重い
なあということです。
騒音を巡る周囲の人々との関係(1日司令である
私にも周辺自治体の方がそれを言ってきたくらいで
すから)、事故のリスクも常に考えていなければな
らず、個性豊かで多様な隊員さんたちを束ねる力も
求められる。
築城基地では今年、F2の墜落など事故が続きまし
たので、そんな時はメディアでは気が緩んでいるの
では?などと言われがちですが、実際の運用状況が
どのようになっていたかは語られません。
築城基地のHPによると、今年度の上半期は、航空
自衛隊全体では緊急発進回数が前年より減少したも
のの、築城基地が所属する西部航空方面隊としては、
2倍近くにもなっていたそうです。
みんなを楽しませてくれる航空祭は、そうしたな
かで準備され行なわれたものだったのです。関係者
の皆さん、本当にありがとうございました!
<おしらせ1>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしてい
る「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸 元海
将に解説して頂きます。
http://okigunnji.com/url/42/
<おしらせ 2>
今年4月に刊行された『自衛官が語る災害派遣の記
録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』
(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が今週発売にな
ります! 中東シーレーンの安全確保をめぐって新
たな自衛隊派遣が検討されているこの時期にタイミ
ングを合わせたような出版です。現地で自衛官たち
が何を思い、どのような苦労をして、任務をこなし
てきたか、25人の自衛官のリアルな体験記です。
https://amzn.to/38gvhr1
(つづく)
(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリ
ーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(PH
P研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。
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(代表・エンリケ航海王子)
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