配信日時 2019/12/05 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (257)】明野駐屯地航空学校(7)

こんにちは、エンリケです。

明野駐屯地航空学校の七回目です。

マスメディアに悪く言われ、危険人物扱いされる
政治家や公人ほど信用できる。

わたしにとって、
その最初の実例が中曽根さんだった気がします。

合掌。

さっそくどうぞ


エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (257)
 ― 明野駐屯地航空学校(7)―

         渡邉陽子
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こんばんは。渡邉陽子です。
中曽根康弘氏が101歳で亡くなりました。彼が首相だった頃の自分
はまだ子どもで、「ずいぶん長く総理大臣でいるけど、それはいい
ことなの?」という漠然としたイメージしか抱いていませんでした。
ただ何歳になってもその発言は注目され、第一線から身を引いた後
も持論を発信する姿が、次第に気になり始めました。
決定的だったのは、防衛白書を編集するチームを取材した際に、第
1回防衛白書の巻頭あいさつ文を読んだときです。当時の防衛庁長
官が中曽根氏でした。約2600文字もの長い冒頭文は、少なくとも平
成15年以降の防衛白書にはありません。しかも内容が、決まりごと
のようなあたりさわりのないあいさつ文ではなく、どうも中曽根氏
自ら書いたのでは(口述筆記かもしれませんが)と思われるほど、
自らの主張が色濃く出ているのです。中曽根氏は日本初の防衛白書
の発行が、きっとうれしかったに違いありません。これを読んだと
き感動してコピーさせてもらったので、今も私の手元にあります。
近いうちにこのメルマガでご紹介できたらと思っています。合掌。


■明野駐屯地航空学校(7)

先週は幹部航空操縦課程に入校中の学生たちに話を聞きました。そ
の学生たちを指導する教官2名のコメントを紹介します。

学生に操縦の指導をする第2教育部の、指導する側である教官にも
話してもらいました。
第2教育部教官室長の2佐はUH-60JA、AH-64Dの操縦を学ぶために2度
の米国留学を経験した経歴を持ちます。AH-64Dでは帰国後に国内で
AH-64Dの操縦士を育てる教育も担っていたため、操縦技術のみなら
ず教育の方法も同時に教わったといいます。
「初めて操縦する学生の成長は、卵から孵った雛が育っていく姿を
見ているようで、教育に携わる者にとって最大の喜びです。ここで
は学生に厳しいことも言いますし叱りもしますが、それはすべて部
隊でかわいがられるため。プレッシャーも与えますが、部隊ではも
っと大きなプレッシャーを受ける場面にかならず遭遇します。それ
に負けない人間を作るのも、第2教育部の役目です」
最近の学生には、戦闘ヘリよりも多用途ヘリの人気が高いそうです。
「災害派遣で役立ちたいと考える子が多く、戦闘ヘリを希望する学
生は以前よりも多くありません。私も東日本大震災の際、帯広駐屯
地の第5飛行隊は被災地に向かったのに、同じ駐屯地に所在する私
が隊長を勤めていた第1対戦車ヘリ隊には声がかからなかったとい
う経験があります。『行かせてくれ』と懇願する部下をなだめつつ、
士気を維持するのは大変でした。とはいえ、陸自にとって戦闘ヘリ
が不可欠な装備であることも揺るぎのない事実です。現在第2教育
部で学んでいる学生には、ここでは飛行に集中できる環境を与えて
いるのでしっかり専念し、四六時中フライトのことを考えろと伝え
ています」

第2教育部でAH-64Dの教官班長を務めている3佐は、AH-1Sの教官も
兼任しています。戦闘ヘリの操縦士になることを胸に抱きつつ少年
工科学校(当時)へ入校、ホークのレーダー整備を経て陸曹操縦課
程へと進みました。航空学校の教官は取材時、6年目とのことでした。
「戦闘ヘリは多用途ヘリや輸送ヘリ以上に機器が複雑なため、それ
を使いこなせるだけの知識と柔軟に対応できる頭の回転の速さが必
要です。これは戦闘ヘリ操縦士に求められる資質ともいえるでしょ
う。また、操縦席に座ると目の前にさまざまなシステムがあるので
そちらに意識が集中しがちですが、常に客観性を持つことが必要で
す」
「操縦に関しては当然ながら余裕のある技術が求められます。現在
教えている学生はOH-6かUH-1JからAH-1Sへの機種転換組です。階級
も部隊経験の長さも練度もすべて異なるので、それぞれの学生の能
力に合わせた教え方をする必要がありますが、いずれも複雑なシス
テムをわかりやすく伝えることを心がけています。年齢もいろいろ
ですが、若い学生は部隊から選抜されてきているという高い意識が
ありますし、もう少しベテランの場合は部隊長要員として期待され、
送り出されて来ています。今後やって来る操縦課程を終えたばかり
の学生も、自ら希望して来るだけに向上心があります。このような
さまざまな学生を一人前の戦闘ヘリパイに育て、優秀な隊員を部隊
に送り出すことがわれわれの任務です」



(以下次号)


(わたなべ・ようこ)

※現在連載中

「PANZER」1月号
「神は賽子を振らない」第9回
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「正論」12月号
「自衛隊あってのオリンピック」第6回
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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。

 
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