配信日時 2019/12/02 08:00

【桜林美佐の美佐日記(54)】医薬品の安全保障も重大課題 ──ジェネリック医薬品への不安

こんにちは、エンリケです。

さいきん、我が国は本当に大丈夫なんだろ
うか?という気が増し続けています。

何とかしなけりゃいけません。

さっそくどうぞ。

エンリケ

追伸
桜林さんが「一日基地司令」をされるそうです。
直接、桜林さんに会えるレアチャンス!
詳しくは以下で。


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桜林美佐の「美佐日記」(54)

医薬品の安全保障も重大課題
──ジェネリック医薬品への不安

桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』は今回で54回目です。

前回の「中東派遣は日光の手前!」(勝手にタイト
ルをつけています)には、なんと、約1名の方から
直接反響があり、喜んでおります。

そして、それ以外の部分に対する感想を頂きました
ので、ご紹介します。

「毎回興味深く拝読しています。53号でおっしゃ
っている、自衛官への保険については小生も疑問で
す。
不勉強で申し訳ないのですが、自衛隊には「建軍の
本義」にあたる規定はあるのでしょうか。日本国及
び日本国民を外敵から守る(自然災害を含み)組織
として規定されているのであれば、国家が補償する
のは当然のことと思うのですが。
現役時代、海外担当として頻繁に出張していました
が、出張に際しては会社が渡航保険を掛けていまし
た。これが普通と思っていましたが、自衛隊員にと
っては普通ではないのですね」

F様ありがとうございます。そうなんです。当たり
前のはずのことが当たり前じゃない、というのが自
衛隊には多々あります。

その理由は、自衛官の地位が「特別職国家公務員」
であることに起因すると思います。多くの制度が公
務員と横並びになっています。例外化はできません。

いま現在、行なわんとしている憲法改正は、「自衛
隊」というものを法的に明らかにすることで、組織
の特殊性に適する地位が与えられるための第一歩
(すぐには変えられないまでも)を踏み出すことだ
と私は理解しています。

「国軍」になることを理想とすれば、これはとりあ
えず入門証を取得するだけ、といった感じですが、
大きな違いになると思います。

公務員って言ったって、自衛官は生命を賭す宣言ま
でしているのだから特別な人たちじゃないかと訴え
たくても、憲法にその存在すら明記されていなくて
は議論さえもさせてもらえないからです。

さて、話は変って、中国と米国で繰り広げられる
「新冷戦」がますます激化していることについて。

日本ではまだ「米中の貿易摩擦」といった言い方を
していますが、その言葉をはるかに超える大きなう
ねりが起こっていると言ってよく、米国の「中国離
れ」の動きは急速に広がっています。

多くの関連会社も含めたファーウエイへの禁輸措置
はもちろん、米軍の装備品が中国産レアアースに依
存していた実態を改善すべく、国内生産や豪州との
連携に乗り出しているようです。

そして、これまではそんなに手を付けられていなか
った「人」についても厳格になっていて、中国人留
学生や研究者が次々に締め出され、スパイ行為の摘
発も相次いでいます。

この一連の動きの中で、ちょっと驚いたのは「薬品」
の分野です。米国防総省保険局理事長は「軍事医薬
品の中国依存度が高い」として警告したそうです。

中国は現在、世界の医薬品市場のトップランナーと
いうことで、米国の消費者向け医薬品の主要成分の
実に80%以上が、主に中国からの輸入品と推定さ
れるそうです。

今年、ジャーナリストのキャサリン・イバン氏の新
著『ボトル・オブ・ライズ──ジェネリック医薬品
ブームの内幕』がニューヨーク・タイムズ紙のベス
トセラーリスト入りを果たしたということで、米国
内では驚愕の事実が知られるようになったようです。

米国におけるジェネリック医薬品は、その40%を
インドが生産しているといいますが、成分は中国製、
不純物や異物の混入に加え検査のデータ改ざんなど
が明らかになったのです。

米国民に対する処方薬の90%は安価なジェネリッ
クになっているという現状からすると、遠からずこ
の医薬品分野についても大幅なてこ入れがあるので
はないでしょうか。

で、日本はどうかって?

はい、もちろん同様に中国やインドまた韓国も参入
しています。ただし、みかけは国内企業が作ってい
るようになっています。

現在、国は医療費削減のためジェネリック医薬品の
使用を推進しています。2020年9月までに使用割合
80%の到達を目標とするとのこと。薬局でやたら
とジェネリックを勧められませんか? 自衛隊にお
けるジェネリック拡大も心配です。

私はしばらくジェネリックにしていましたが、なん
となく効き目が悪い気がして、お金はもったいない
と思いましたが、最近は先発薬にしてもらっていま
した。

成分の輸入事情は全く知りませんでしたが、なんと
なくそうしたのは正解だったようです。ただ、サプ
リメントを飲んだりしていますので、どこかで口に
しているのでしょうけど・・。

症状が改善されると信じて飲む薬が、重篤な病気を
招いてしまった例も報告されているようです。この
分野、医薬品の安全保障も重大課題にすべきではな
いでしょうか。

とにかく、今、米国で進められている中国製品を掘
り出す動き、日本としても真剣にウォッチする必要
があるでしょう。

<おしらせ>
1、12月8日(日)の航空自衛隊・築城基地航空
祭にて、なんと「1日基地司令」を務めます!お近
くの方はぜひお運び下さい!

2、YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップし
ている「国防ニュース最前線」は、今週はお休みで
す。

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(つづく)



(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリ
ーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(PH
P研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。


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(代表・エンリケ航海王子)
 
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