配信日時 2019/11/25 08:00

【桜林美佐の美佐日記(53)】ホルムズ海峡の手前では「イマイチ」?!

こんにちは、エンリケです。

「週刊新潮」での桜林さんの探しもの、
ご覧になりましたか?

予想とは違う内容でしたが、
個人的には非常に興味ある件なので、
ぜひぜひいっぱい集まって、本になればいいなあ
と思っています。

きょうのはなしは旬な内容です。
全く同意です。

さっそくどうぞ。

エンリケ



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桜林美佐の「美佐日記」(53)

ホルムズ海峡の手前では「イマイチ」?!

桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』は今回で53回目です。

 若かりし頃のことでした。「さくらばやしさん
は、おやじギャグを言わなければ魅力的なんだけど
なあ・・」と言われたことがありました。

それから十数年の年月を経た今、私の「おやじギャ
グ」はますます磨きがかけられたと自負しています
が、適切な評価を受けていません。

 だんだん歳をとってくると「何でウケないんだ!」
日本人の理解レベルが低いんじゃないかと、自分が
受け入れられないことを人のせいにしたりします。

 先日はチャンネルくららの『国防ニュース最前線』
で「ホルムズ海峡の手前までしか行かない自衛隊派
遣は、日光に行こうとして手前の駅で降りちゃった
のと同じ!=イマイチ(今市)です!あはははは・・」
と、かましたのですが、コメント欄を見ても一つも
反響ナシ。

みんなちゃんと聞いてないしっ!と不機嫌になって
いる今日この頃です。

 しかし、よく考えたら不機嫌になるべきはそんな
ことではありませんでした。

米国が提唱する枠組みに加わらないことで、イラン
を刺激しないようにしようという試みなのかもしれ
ませんが、「ホルムズ海峡の手前まで」「防衛省設
置法の調査・研究」ということでは、あまりにも中
途半端でしょう。

そこで取れる情報とは、いかほどのものなのかと。
それならば、行かない方がましではないかとすら思
います。

 この番組中では「派遣される自衛官の身分保障は
どうなるのか?」と疑問を投げかけましたが、その
数日後に派遣隊員への特別手当を検討すると報じら
れました。

「日光の手前」が不発で密かに落ち込んでいた私に
は救いでもありましたが、やはりどうもしっくりこ
ない。

 以前、ご紹介した国連PKO支援部隊早期展開プ
ロジェクト(RDEC:The UN Project for Rapid 
Deployment of Enabling Capabilities)もひっか
かっていたのは、自衛官の派遣が「出張」扱いであ
ることでした。

今回の中東派遣が実施されればどのような位置づけ
になるのかまだわかりませんが、国民世論以前に自
衛官の家族への配慮という観点を忘れず、そのあた
りの細かい検討が求められます。

 しかし、翻れば、後からこうした話が出てくると
いうことは、またも積み上げられていない話なので
は?感がありありです。

自衛官やその家族にとっても大きなことなのですか
ら、「大丈夫なのか?」「ちゃんと考えているのか?」
と思わせてはいけないのです。

また産経新聞の記事では、「派遣隊員向けの保険も
新設する。海上警備行動や在外邦人保護、後方支援
などを対象とする現在の『PKO(国連平和維持活
動)保険』を中東での任務にも適用し、死亡や疾病、
障害などに対する補償を手厚くすることを視野に入
れている」とありました。

 いえ、もちろん悪いことでもないですし、間違っ
たことを言っているわけではないのですが、でも、
この「保険」というのは自衛官がお金を出して加入
するものだって、日本人の皆さんご存じですよね?
と念押しをしたくなります。

 保険を整備すると言うとなんだか聞こえはいいで
すが、危険も伴うかもしれない場所に国のために行
ってもらうのに、その隊員にお金を出させるわけで
すから、本来どう考えても鼻高々に公言できるよう
なことではありません。

 それが当たり前のようになっていること自体が、
本当はヘンなのです。日光の手前止まりです。


 <おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップして
いる「国防ニュース最前線」は、今週はお休みです。

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(つづく)



(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリ
ーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(PH
P研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。


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