配信日時 2019/11/08 20:00

【二つの愛国心─アメリカで母国を取り戻した日本人大尉(32)】「民族の去勢」 加藤喬

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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官
でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽にどうぞ
 
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp
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こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出ました。
今回はMP5です。

「MP5サブマシンガン」
L.トンプソン (著), 床井 雅美 (監訳), 加藤 喬 (翻訳)
発売日: 2019/2/5
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加藤さんの手になる書き下ろしノンフィクション
『二つの愛国心─アメリカで母国を取り戻した日本人大尉─』
の第三十二話です。

加藤さんならではの話が続きます。

胸をえぐられるような内容です。
さっそくどうぞ。

エンリケ


追伸
ご意見ご質問はこちらから
https://okigunnji.com/url/7/


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『二つの愛国心──アメリカで母国を取り戻した日本人大尉』(32)

「民族の去勢」

Takashi Kato

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□はじめに

 先日、読者のUMさんからお便りをいただきました。「西部方面
隊での日米共同演習で、語学学校卒業生とともに通訳としての活
躍を読み感動しました」とありました。UMさんはレンジャー部隊
教官から広報官まで、幅広い職域で長年国防任務に就かれた陸自
退役一佐。1976年には九州で最初に行なわれた日米合同実働
演習に参加されています。当時、DLIは現在のモントレーに移転
したばかり。まだ体系だった語学支援が行なえなかった頃だと思
います。情報参謀だったUMさんのご苦労は今とは比べものになら
なかったことでしょう。DLI語学教育でのメンタルな部分につい
てご質問がありました。他の読者の皆さんも興味を引かれるので
はないかと思い、ここに一部、再録させていただきます。


 メンタルな部分の教育についてですが、わたしは学生に「言葉
だけ完璧に習得できたとしても、相手を不快にさせたり誤解を生
んだりするだけだ」と言ってきました。アメリカでは相手を論破
する積極果敢な弁論が好まれ、英語という言語はこういう好戦的
な話術に適しています。これをそのまま日本語に流用されること
を懸念したからです。

 したがって、約1年半に及ぶ研修中、学生に「武道」「華道」
「書道」「能」「歌舞伎」から「学校制度」「女性の社会的地位」
「食文化」「自衛隊」「警察機構」「政治体制」「娯楽」「スポ
ーツ」など幅広い範囲でリサーチを課し、主題専門家としてクラ
スで発表させました。また、サンノゼやサンフランシスコの日本
人街、大関や松竹梅の酒工場、日本語新聞社(北米毎日)に足を
運んでの研修や、地元短大や大学院に留学中の日本人学生との会
話パートナー提携なども支援しました。

 また、アメリカ人は軍人でも日本人より形式ばらないので、一
対一の会話練習の際は「足を組むな」「仕草は控えめに」「入室、
退室時には会釈を忘れずに」「名字のあとには必ず『さん』か階
級をつける」など、米軍を代表する者として恥ずかしくない礼儀
作法の修得を奨励。ネットの時代になると「漫画やドラマで会話
を勉強する学生」が増えましたが、この時も「貴官たちは幹部学
校や防衛研究所の留学生、語学兵、連絡士官、下士官になる。品
格のある日本語をまず修得すること。くだけた表現や俗語は、日
本で知り合う自衛隊の仲間から習えばいい」と諭したものです。 
 多くのDLIの卒業生が各方面隊の連絡任務で活躍し、またトモ
ダチ作戦時には、日米両政府間の連絡任務や救護所で米軍軍医と
被災者の方々の通訳を務めたと聞いています。佐官、将官クラス
で現役の者もいれば、退役後、日本と取引のある防衛産業やコン
サルタント会社、対テロ機関などに転じ第二の花道を歩んでいる
者もいるようです。語学を武器に世界を駆ける教え子らの元気な
様子に、わたしも触発されています。


□今週の「トランプ・ツイッター」10月29日付

 『レックス:戦場をかける犬』(マイク・ダウリング著/加藤
喬訳/並木書房/2013年)は、イラク戦争に参戦した米海兵
隊の軍用犬ハンドラー(軍犬兵)マイク・ダウリング伍長と爆弾
探知犬レックスの絆を描いたノンフィクションです。ハンドラー
は短いリード(手綱)を通して伝わってくる犬の一挙一動を感じ
とりながら任務を遂行します。爆弾捜索中、狙撃兵に狙われたり、
携帯電話が起爆装置に使われていたりすれば、犬もろとも爆死は
確実です。それでも、長いリードを使って犬だけ危険にさらすよ
うなことはしません。ハンドラーにとって、サービスK9(軍用
犬)はヒトと変わらない戦友だからです。

 「決して仲間を置き去りにしない」。米軍の鉄則はヒトにもK
9にも分け隔てなく適用されます。ちなみにレックスは退役後、
ダウリング伍長の後を継いでハンドラーとなり、レックスととも
に簡易爆弾で負傷した女性海兵隊員ミーガン・リービイ伍長に引
き取られました。短いながら平穏な余生を過ごし、最期は戦友の
腕に抱かれ安らかに逝ったと聞いています。
 
 先日、イスラム国指導者バグダーディ容疑者の自爆でK9が負
傷した際も、ハンドラーはかなり近くにいたのではないかと想像
します。自爆ベストの威力不足なのか、米軍の防弾チョッキのお
陰なのかは分かりませんが、ヒトも犬も無事帰還。トランプ大統
領はこの犬を「アメリカの英雄」と呼び、犬の手をかたどったユ
ーモラスな勲章を授与する写真をツイッターに載せています。写
真は誰の目にも合成と分かりますが、サービスK9に対する感謝
の気持ちが分かる微笑ましいものです。
 
 ちなみに同時多発テロ以来、大物テロリストの殺害はウサマ・
ビンラディンとアブ・ムサブ・ザルカウィに続きバグダーディで
3人目。いずれの場合も、偵察衛星による電子諜報とスパイが現
場からもたらす情報を組み合わせて容疑者の居場所を特定してい
ます。米軍の精鋭特殊部隊と人の1億倍の嗅覚を持つ軍用犬に追
われ逃げ惑ったテロリストらの末路は、さもしくも哀れなもので
す。

「アメリカ人とアメリカに害をなす者には必ず報いを受けさせる」。
党派を超え、歴代大統領が推進してきたテロとの戦いには、文字
通り「異境の果てまで犯人を追い詰める執念」を感じます。理性
が通じぬテロリストには武力行使を厭(いと)わない米国の態度
こそ、国民の生命財産を守る主権国家の矜持と言うべきものでし
ょう。

 かつて「人命は地球より重い」としてテロリストの要求を受け
入れ、いまも拉致被害者救出は米韓頼り・・・そのうえ北朝鮮の
ミサイル発射には「遺憾砲」を空しく撃つだけの日本。軍用犬を
讃えるトランプ氏のつぶやきに、普通の国になりたくてもなれな
い祖国のジレンマを思いました。
 
 本日のツイッター、キーワードは great job。「条件の良い仕
事」とか「よくやった」という意味があり、この文脈では後者で
す。
 
We have declassified a picture of the wonderful dog (name 
not declassified) that did such a GREAT JOB in capturing 
and killing the Leader of ISIS, Abu Bakr al-Baghdadi!

「イスラム国の指導者アブー・バクル・アル=バクダディを拘束、
殺害した素晴らしい軍用犬の写真を機密解除した。良くやった!」


「二つの愛国心─アメリカで母国を取り戻した日本人大尉」(32)

(前号までのあらすじ)
 ヤマサクラ27終了後、旅団長に同行し長崎原爆資料館を訪れ
た。平和公園に鎮座する祈念像の前で、わたしはこんな思いにか
られた。「マッカーサー元帥率いる連合国軍総司令部が行なった
日本人の精神的非武装化は、予想をはるかに上回る成果を上げた
と言わねばならない。民族の誇りと誉ある過去を完璧に否定・抹
殺された日本人が手にしたのは、祖国を憎む倒錯の心理だったか
らだ。皮肉にも、後年わたしは米軍で鍛えられる過程で、心の芯
まで染み込んでいたこの悪しき残渣を洗い落とすことができた。
武器をとって自分の命を守ることが本能であり、天与の権利であ
ることを軍隊で学んだ。言い換えれば、米軍がわたしを『普通の
人間』に作り直したのだ」。

▼民族の去勢

ヤマサクラ27以降も、わたしは日米合同演習や米国視察に訪れ
る自衛官の支援任務に志願した。毎年顔を合わせる自衛官が増え
るにつれ一体感は強くなった。「加藤大尉、わが社の食堂で食べ
ませんか?」そう声をかけられることもあった。

「わが社」とは楽屋落ちの表現で「自衛隊」のことだ。現代の防
人らが見せる仲間意識がうれしかった。

真冬の東千歳駐屯地でのエピソードも忘れがたい。日米両軍の大
佐クラスが居並ぶ戦況ブリーフィングの通訳を終え、頭痛と疲労
でフラフラしながら天幕を出たときだ。見知らぬ少尉が敬礼して
きたので返礼し、そのまま通り過ぎようとした。と、
「キャプテン、敬礼はどうした?」
呼び止められて振り向く。小柄な少尉の隣にはいつ現れたのか偉
丈夫が立っている。野戦帽には星が二つ。演習視察に訪れた将官
だ。少尉は彼の副官だったのだ。
「ご無礼いたしました、少将殿」
わたしは直立不動で敬礼した。たっぷり数秒後、将軍がゆっくり
右手を下ろし、
「任務を継続せよ」
と言い残して天幕に消えた。立ち続けるわたしを少尉が一瞥し、
将軍に続いた。無様な失態・・・急に一杯やらずにはいられない
気持ちになった。

「加藤大尉!」
 演習地区の検問所を足早に通り抜けたところで声をかけられた。
見れば、東部方面総監部付きの陸自2佐が小走りでやってくる。
前年、視察でカリフォルニア州を訪れたとき、わたしがエスコー
ト士官を務めた縁で親しくなった。敬礼を交わすや、いつもの屈
託ない笑顔で話しかけてきた。
「通訳ご苦労さま。『星』に気づかないほどだから、よほど疲れ
ていたのですね。どうです、気分直しに一杯?」
 渡りに船と小躍りしたが、内心を見透かされまいとこう返した。
「お恥ずかしいところをお見せしました。面目ありません・・・
でも東京からいらしたのに、千歳の穴場もご存じとは」
「抜かりはありません。大尉が来道しているとの知らせが入った
もので、昨日、偵察しておきました」
「さすが情報参謀。では、お言葉に甘えてさせていただきます」

 駐屯地正門からタクシーで10分ほどの居酒屋には、まだ客の
姿はまばらだった。清々しい白木のカウンターに陣取るや、厳寒
の晩に相応しい熱燗で乾杯する。松前漬け、ウニ、鮭トバ、ほっ
け、イカそうめん・・・2佐の采配で次々に運ばれてくる北海の
珍味に杯は進んだ。サンフランシスコの思い出話に始まり、最近
の任務状況や近状のやり取りが続く。ほろ酔い加減になるにつれ
心身がほぐれ、律儀な防人との再会が掛け値なしでありがたく思
えた。

 つと、相手が杯を置いた。黒縁眼鏡の奥から注がれる眼差しに、
微かな憂いが帯びている。
「ときに大尉・・・アメリカ軍の人たちは、日本の専守防衛につ
いてどう思っているのですかね」

専守防衛はどう訳しても意味のある英語にならない。アメリカは
こと国益となれば先制攻撃も辞さない国柄だから「攻撃されるま
で防御しない」という態度は弱腰に映る・・・いや理解不能と言
った方が正確だ。もっとも「攻撃は最善の防御なり」が主権国家
の常識であり暗黙の了解であることを考えれば、専守防衛を奇異
に感ずるのは米国だけはあるまい。日本の特異性を蔑視しつつ、
千載一遇の敵失だとほくそ笑む国もあるに違いない。

「仮に非通常兵器が使われれば、第一波攻撃で勝敗が決すること
もあり得ます。とすれば、専守防衛は自衛権の放棄も同じ。『座
して死を待つ』という考え方は、米軍人、いやアメリカ人には理
解できないでしょう」

「やはりそうですか。専守防衛がネックになって、日本を守る米
艦艇や在日米軍基地に発射されたミサイルを撃ち落とすこともで
きないのだから、これは米軍から見れば不公平だ。日本人には国
を守る気概がないと思われても仕方ありません」

「先の大戦から今まで、アメリカは世界の警察官を自認してきま
した。圧倒的軍事力を背景に覇権を守ることが国益であり、また、
超大国の矜持でもあったからです。しかし泥沼化したベトナム戦
争で膨大な戦死者と戦傷復員兵を出した結果『なぜ遠い外国まで
行って戦い、アメリカの若者を死なせなければならないのか』と
の世論が広まりました。91年の湾岸戦争では、ブッシュ大統領
はフセインの牙城であるバグダッドに攻め込まず、わずか100
時間で戦闘行動を停止しています。泥沼化に伴う米軍将兵の犠牲
を何より恐れたからです」
「なるほど」
「中国やロシア、それに北朝鮮がらみの有事でも、似たような心
理が働く可能性はあります」
「日米同盟が機能しない、と?」
「いえ、そこまでは・・・ただ、さきほど貴官が言われたように、
米軍将兵は日本防衛のために戦うが、自衛隊は米軍を守れないと
いう現実が全米に知れ渡った場合、最高司令官たる大統領は苦境
に立たされます」
「つまり『自国を守る意思も矜持もない日本人のために、なぜア
メリカ人の血を流す必要があるのか』という世論のことですね・・・
ことに戦争に赴く息子や娘を持つ母親たちの……」

 2佐の声には自戒の念が聞き取れた。わたしは黙って互いの杯
に酒を注ぐ。
「どうしたもんですかね」杯を干しながら防人が問う。
「政治の判断ですから、われわれでは打つ手がありません。もっ
とも、将軍レベルでも同じでしょうが」
「いったい日本はどうしてこうなってしまったのか……」
 相手は手酌で飲み始めた。

「戦後、進駐軍が画策した日本人の精神的非武装化がうまく行き
過ぎたのでしょう」
「あれは、日本民族の去勢だったか」
「はい。独立国の矜持と民族の誇りを根こそぎにされてしまいま
したから……」
「そのうえマッカーサー元帥は軍備を否定する憲法を押し付けて
おいて、朝鮮戦争が起こるや再武装を強要した。そうこうするう
ち自衛権はあるにはあるが、まず攻撃を受けてからでないと守る
ことも許されないという非常識が国是にされてしまった。これで
は日本国民に健全な愛国心や国家意識が戻るわけがなかった。い
やそれどころか、大国のエゴで二律背反に陥った1億の日本人が
精神分裂をきたし、祖国を憎む心が生まれた。われわれ自衛隊は、
日米両政府が生み出した矛盾の境界面だから、国内の反日勢力に
目の敵にされました……」

「確かに。いわゆる日本軍の戦争犯罪にしても、政府が反証もせ
ずに認め、言われるままに謝罪までしてしまった。これでは旧軍
の流れをくむ自衛隊の立つ瀬がない。それでもこの半世紀以上、
軍隊であって軍隊でない自衛隊と、軍人であって軍人でない自衛
官が、報われない国防任務を果たしてきた……貴官たちの苦悩と
悔しさはお察しします」
防人の顔に笑みが戻った。
「やはり大尉には分かるのですね。いや、今晩、ご一緒できて良
かった」
「それはこちらも同じです。貴官たちと日米両軍の絆を深めてい
かなくては……」
湧き上がる同胞感に再び杯が交わされた。
「もう一本」
2佐が酒場の主人に言う。
窓の外では、漆黒の天空から小雪が舞い始めていた。


(つづく)


加藤喬(たかし)



●著者略歴
 
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。アラスカ
州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省外国語学校
日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―ある“日本
製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、『名誉除隊』
『加藤大尉の英語ブートキャンプ』『レックス 戦場をかける
犬』『チューズデーに逢うまで』『ガントリビア99─知られざ
る銃器と弾薬』『M16ライフル』『AK―47ライフル』
『MP5サブマシンガン』『ミニミ機関銃(近刊)』(いずれも
並木書房)がある。 
 
 
追記
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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス 戦場をかける犬』発売中
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『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
 ⇒ https://okigunnji.com/url/7/
 
 
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専門用語があ
ります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日本人が自衛
隊のブリーフィングに出たとしましょう。「我が部隊は1300時
に米軍と超越交代 (passage of lines) を行う」とか「我が
ほう戦車部隊は射撃後、超信地旋回 (pivot turn) を行って離
脱する」と言われても意味が判然としないでしょう。
 
 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」は
 "Repeat" ではなく "Say again" です。なぜなら前者は
砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに使う言葉だからです。
 
 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍では建物の
「階」は日常会話と同じく "floor"ですが、海軍では船にちな
んで "deck"と呼びます。 また軍隊で 「食堂」は "mess 
hall"、「トイレ」は "latrine"、「野営・キャンプする」は 
"to bivouac" と表現します。
 
 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取りあげ、
軍事用語理解の一助になることを目指しています。
 
加藤 喬
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主催運営するインターネット上のサービス(携帯サイトを含む)
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マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。

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