配信日時 2019/11/07 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (253)】明野駐屯地航空学校(3)

こんにちは、エンリケです。

明野駐屯地航空学校の三回目です。

ラグビーW杯が終わってしまい、
ラグビーロス真っただ中です。
ラグビーにまつわる冒頭文を読んで、
 少し救われました。

さっそくどうぞ


エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (253)
 ― 明野駐屯地航空学校(3)―

         渡邉陽子
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こんばんは。渡邉陽子です。ラグビーW杯が終わってしまいました
ね。ラグビー愛が強すぎて話し出したら&書き出したら止まらない
ので、このメルマガのご挨拶でもSNSでもあえて触れずにきました。
だからひとつだけ。「ラグビーはおもしろい」と思ってくれる人が
増えてうれしいです!
来年1月からトップリーグが始まります。国内のチームを応援して
盛り上げることが選手層の厚さや実力のボトムアップにつながって
いくので、W杯をきっかけにラグビーに興味を持ってくださった方
は、ぜひ会場でトップリーグ観戦を!(会場で見るともっと好きに
なりますよ!)



■明野駐屯地航空学校(3)

先週は陸自のヘリパイになるまでの道のりをご紹介しました。
今週は航空学校長(取材時)の話をご紹介します。とてもわかりや
すく、そして陸自のヘリ&ヘリパイの特性を的確に話されていて、
読み物としても大変おもしろいです!


陸自航空科は陸上作戦を構成するひとつの機能です。地上部隊の作
戦を成功させるために、航空科の『見る・撃つ・運ぶ』、つまり偵
察とヘリ火力、ヘリボンなど人や物を輸送するという機能がありま
す。
海自、空自も同じような機種を保有していますが、それぞれ戦場が
違うので運用も異なります。

陸自ヘリを象徴するような言葉ですが、かつて陸自のパイロットは
『まっぷる』で飛ぶと言われました。
実際のところそれは事実で、どこの書店でも売っているあの地図を
持って飛んでいました。それは『まっぷる』に掲載されている詳細
な地形や地物を確認しながら飛ばないと任務を遂行できないという
ことなのです。

高高度を飛ぶ空自や洋上を飛ぶ海自の航空機とは異なり、われわれ
は地形の『しわ』を確認しながら這うように飛びます。
空自のファイターが陸自のヘリに乗った時、山があっという間に迫
って怖いと言っていました。地面すれすれを飛ぶというのは、実際
の速度よりもずっとスピード感があるんでしょうね。私は『まっぷ
る』で飛ぶことに誇りを持っています。

航空科には5つの特技がありますが、専門性が高く、特技職が強い
のが特色です。
いずれも養成に時間がかかるうえ、横のスライドがきかず代役がで
きません。それが航空科の大きな特色といえます。
また、高卒者については海自・空自のようにあらかじめ航空学生と
して入隊させるのではなく、まずは普通に入隊して部隊に配属、陸
曹になってから初めて操縦士への道が開けるという流れになってい
ます。つまり、自衛官としてある程度できあがった隊員を航空学校
に入れるので、最初から操縦教育に専念できます。
自衛官としてのイロハから学ぶ教育の部分は教育隊はじめ各部隊が
ちゃんとやってきてくれているわけで、「優秀な隊員に育ててくれ
てありがとうございます。立派な操縦士にしますから」といただく
わけです(笑)。

操縦課程の学生に対しては、「魂を伝えろ」と常に言っています。
特技職が強いということは、プライドがあるということです。プラ
イドは言い換えれば魂になる、その魂を磨き、後輩に伝えろと。
一方で、特技職に集中しすぎてしまうと視野が狭まり、それだけや
っていればいいんだと勘違いしてしまいがちです。しかし陸上航空
だけで作戦は遂行できません。色々な人に「陸上航空はこういう風
に使えるよ、こんな風にも使ってみて」と発信し、相互理解を深め
ることで初めて作戦は成功します。ですから大いに発信をしなさい
とも言っています。

そして運用教育をする学生への要望事項は「自ら学び、自ら考え、
自ら行動しろ」。誰かが教えてくれるのを待っているのではなく、
自分で行動することが大事です。それが本人の成長のみならず陸上
航空の発展にもつながっていくのです。


(以下次号)


(わたなべ・ようこ)

※現在連載中

「PANZER」12月号
「神は賽子を振らない」第8回
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「正論」12月号
「自衛隊あってのオリンピック」第6回
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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。

 
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