こんにちは、エンリケです。
九州のおはなし、本当に面白いですね。
この連載で九州ばなしを読み始めてから、
正直、九州の印象が変わりましたよ。
もちろんいい方に。
さっそくどうぞ。
エンリケ
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桜林美佐の「美佐日記」(50)
鎮西(ちんぜい)の眼──脊振山のレーダーサイト
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、
女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』
は今回で50回目です。
先日、海上自衛隊の佐世保総監部で行なわれた記念行事に参加
してきました。海上自衛隊のイベントと言えば、美味しいお料理!
ということで、カレーをたくさん食べることを楽しみにしていた
のですが、結論から言いますと、何一つ、口にせずに、帰って来
ました・・・(息切れしている感じで読んで下さい)。
もちろん、食べ物がなかったわけではないのですが、これまで
と様子が違い、ケイタリングや地元のお店のカレーということで、
数に限りがあり、名刺交換をしたり旧交を温めている間にあら不
思議!まるで蒸発でもしたかのように全てのものが無くなってい
たのでした!
会費を払ったのになんてこったと、誰か言い出すのではないか
と思いましたが、それよりも、海上自衛隊のおかれた状況を案じ
る声が聞かれました。
人員不足の中での任務過多を少しでも軽減するための結果だっ
たようです。また、災害派遣中ということもありましたので、な
おさら、隊員さんたちに負担をかけないようにする必要があった
のではないでしょうか。
こうした行事のために土日返上で働かせるのはいかがなものか
という声はかねてよりあり、また昨今の「働き方改革」に伴う
「ワークライフ・バランス」の考え方からも、今後は全ての自衛
隊で規模の縮小をする傾向も避けられないことでしょう。
私としても、ただでさえ多忙な皆さんには少しでも休んで欲し
いですが、その一方で、今回も参加した陸上自衛官が、海上自衛
官に親切に声をかけてもらってありがたかったと言っていて、部
内外の交流の場としての意味もあっただけに、寂しい気持ちがあ
るのもまた本音です。
いずれにしましても今回の教訓は「お腹を空かせて行事に行くべ
からず!」です!
で、事前に小腹を満たして行ったら、その日に限って豊富に食べ
る物があったということになっても当方では責任を負えませんが
(ありがちなんですよね、そういうことが)!
そして、もう1か所、航空自衛隊の脊振山(せふりやま)分屯基
地も訪問してきました。背振山とは、佐賀と福岡の県境に聳える
山で、標高は1055メートルあります。その山頂に、航空自衛
隊のレーダーサイトがあるのです。
博多湾からよく見える脊振山は、大陸に渡る人々の信仰も集め、
遣唐使に随行した空海や最澄など多くの人々が入山して航海の安
全を祈願したと伝えられています。
福岡か佐賀か、その出発地点により山道の様相がちょっと違いま
すが、佐賀側から行くと、とてつもないワインディングロードで
した。
麓よりも5度ほど低い気温で、平均すると、なんと三沢基地とほ
ぼ同じ気候なのだそうです。寒冷地の手当はないようでしたので、
タイヤ交換など必須であることからも、ちょっと気の毒かなと・・。
ただ、地図上で見ると、福岡の市街地から1時間強の距離なので、
空自のサイトの中でもけっこう便利な場所なのではないかという
印象を持たれるのかもしれません。しかし「起伏」というのは、
素人はなかなか地図上では認識し難いのではないでしょうか・・。
脊振山の名前の由来は諸説あるようです。
(1)天竺の徳善大王の王子、乙天護法善神の龍馬が脊を振り、空に
向かっていなないた(肥前古跡奮起)。
(1)弁財天を乗せて天竺から飛んできた龍が、脊振山の上で背びれ
を打ち振った(神埼市観光協会)。
山岳信仰の聖地と言っていい場所で、基地の中に修験道の祖師と
伝えられる役(えん)の行者像があります。
かつては360度回転できたこの像、向いている方向が豊作にな
るという言い伝えがあり、人々が競って回転させていたのだとか。
それがために争いまで起きたので、現在は固定されているそうで
す。
また、日本茶は、鎌倉時代に臨済宗(りんざいしゅう)の開祖で
ある栄西(えいさい)禅師が宋の国からお茶の種を持ち帰って脊
振山に植えたのが始まりということで、山頂に向かう木立の中に
は、日本に最初にお茶を植えた栄西禅師の記念像が鎮座していま
す。
冬は積雪1メートルにもなるこの山頂において、24時間365日
休むことなく空の警戒監視活動に努めているのです。「鎮西(ち
んぜい)の眼」の異名に相応しい力強さ、そして神々しさがそこ
にはありました。
どこの自衛隊の皆さんも、それぞれの環境の中で頑張っています!
<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしている「国防ニュ
ース最前線」、今週は評論家の江崎道朗さんにご登場頂きます。
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(つづく)
(さくらばやし・みさ)
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。
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(代表・エンリケ航海王子)
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