配信日時 2019/10/28 08:00

【桜林美佐の美佐日記(49)】気づかれなくてもいいから手を振ろう

こんにちは、エンリケです。

きょうも考えさせられるところ多い内容です。

さっそくどうぞ。

エンリケ



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桜林美佐の「美佐日記」(49)

気づかれなくてもいいから手を振ろう

桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、
女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』
は今回で49回目です。

 先日、近所の回転寿司店に入る家族連れと出くわしました。地
元の陸上自衛隊駐屯地の隊員さんでした。翌日から長野県に災害
派遣の交代要員として入るということで、その日はめいっぱい家
族サービスをしようということだったようです。

子どもたちが大喜びで食べている姿を見て胸が熱くなりました。
たかが災害派遣、などと言う人は今や日本にはいないでしょうが、
戦地に赴くわけじゃないんだから、大げさな!と言われるかもし
れません。しかし、九州から長駆し、辿り着く先は気温もぐんと
低い。だいたい災害派遣はいつ戻れるか分からない。そんなこと
を色々と考えてしまい、こんな時こっちはオロオロと待っている
しかないのです。

 福岡県内からいくつかの部隊がすでに派遣され、多くの家でラ
グビーのワールドカップ日本戦を観ている時に、地元からも出発
しました。

 第一陣は午後8時、第二陣は午後9時に、聞けば、演習から戻
ってそのまま準備に入ったようで、徹夜作業もあり疲労困憊の中
での出発だったそうです。

 夜の暗い道路に出て行って待っていると、駐屯地からトラック
などのヘッドライトが見えてきて、次々に出て行きました。

夜の必須アイテム「反射板」を身に付けるのをウッカリ忘れてし
まい、私のことも車両からは見えないと思いましたが、構わず大
きく手を振っていたら気づいて手を振り返してくれた方がいて、
飛び上がって喜んでしまいました。

最初は遠慮して、ただ見ていたり、写真を撮ったりしていただけ
だったので、もっと手を振っていればよかった!と思いました。
これからは気づかれなくてもいいから手を振ろうと決心しました。
簡単でありながら心通えるコミュニケーション、皆さまにもぜひ
お勧めしたいと思います!

 台風19号では観艦式が中止されるという影響もありました。
知り合いの息子さんが海上自衛官になることを考えているという
ことで、親子で参加してもらうことになっていました。彼の進路
を左右する千載一遇のチャンスだと、私も含め周囲の大人は期待
していただけに、中止の発表にはガクッと肩を落としましたが、
これも彼の運命なのでしょう。

災害派遣の映像を見て、こんなにすごい活動ができる自衛官にな
りたいと、思ってくれることを祈っています。

 そうそう、最近ネット上などで「自衛隊を便利屋のように使う
な」といった声が聞かれますね。はい、私もそうした意見をする
ことがあります。しかし、これは全ての案件に当てはまるわけで
はなく、規模の大きい自然災害に際しては、やはり自衛隊しかで
きないことが多くなっています。

 もちろん、いつまでも自衛隊が続けるべきではありませんが、
実際には民間企業に処理をしてもらおうと公募をかけても入札が
不調になり引き受け手がいないということも起きています。

 そこは一刻も早く自治体によって解決される必要があるものの、
とりあえず今すぐに片付けなければならないことが目の前にたく
さんあるわけで、そうなると災害派遣の「3要件」(緊急性・公
共性・非代替性)に、結果的に当てはまるケースが増えているの
ではないでしょうか。

 近年の災害発生状況を鑑みれば、このような自衛隊が必要とさ
れることは今後も減ることはなく、増えるばかりと予想されます。

「こんなの自衛隊がすることじゃない!」と叫んでも、政治も世
の中も受け入れてくれないでしょう。

むしろ問題なのは、荒木先生も指摘されるようにわが国の防衛力
について「現状のままでいい」と考えている日本人が依然として
多い現実です。

 自衛隊しかできないことが増えている環境を目の当たりにしな
がら、確信犯的な人は仕方がないにしても、依然として自衛隊の
強化や増強は「悪」かのように思い込んでいるウスラトンカチな
人々が存在する。そのことが最も深刻な問題なのです。
 
<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしている「国防ニュ
ース最前線」、今週も伊藤俊幸・元海将に解説を頂きます。


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(つづく)



(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。


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