配信日時 2019/10/07 08:00

【桜林美佐の美佐日記(34)】良い行動は周囲に連鎖する

こんにちは、エンリケです。

区長さんの名言、
忘れたころに、またあちこちで
使わせていただきます。

なお、明日(10/8)放映の
DHCテレビ「真相深読み 虎ノ門ニュース」
に桜林さんが出演されます。
非常に注目される番組です。
ぜひご覧ください。

詳細はこちらで
https://tora8.tv/



すぐにどうぞ。

エンリケ



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https://okigunnji.com/url/7

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桜林美佐の「美佐日記」(46)

良い行動は周囲に連鎖する

桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふもの
を、女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐
日記』は今回で46回目です。

 先日、私が住む所から車で15分くらいの、とある町がローカ
ルニュースに登場しました。その内容は「15年ぶりに路線バス
が運行!」というもの。

 この場所はJR、私鉄いずれの駅からも離れていて、交通イン
フラの空白地となっていました。町が目を付けたのは国の「地域
公共交通確保維持改善事業」です。

 この制度を使うことで、運行の赤字部分を国、県、そして関係
自治体が分担して補填することができるのだそうです。

 利用者が少ないと赤字になってしまい、運行を断念せざるを得
ないが、そうなると免許を返上するなどで交通手段を持たない高
齢者はますます困るわけで、こうした路線バスは待ち望まれてい
たのです。

 運行開始当日、バス停には多くの人が集まり、バスが近づくと
大きな歓声と拍手がわき、皆さん、スマホなどで写真を撮ってい
ます。

 集まった方々へのインタビューでは、

「これから定期的にお買い物ツアーをしたいです!」。
「どこへ行きますか?」
「ゆめタウンです!(久留米市の大型ショッピングモール)」と
か、
早速、利用した人には「どこへ行ったんですか?」「久留米駅
です!」「何をしたんですか?」「とりあえず乗ってみました!」
など・・・。

皆さん、バスに乗ることそのものを、実に楽しみにしていたの
だなあという声ばかりでした。当たり前のように買い物に行き、
当たり前のように山手線や中央線に乗って生きてきた、しかも、
ちょっとの遅延で怒ったりして・・・そんな過去の自分を恥じま
した。

 心洗われることがこちらでは数多くあります。

 わが家のすぐ近くの道路は毎朝、この区域の区長(いわば町内
会長)さんが掃除をしています。自衛隊の駐屯地前もきれいにし
てくれることから、自衛官たちもこれを見て周辺のゴミを熱心に
拾うようになったのだとか。

 そんな話に感動しているさなか、米国からのニュースに驚きま
した。トランプ大統領がウクライナ政府にバイデン前副大統領の
調査を働きかけたとして、大統領の顧問弁護士を務めているジュ
リアーニ元ニューヨーク市長に召喚状が出されたといいます。

 ジュリアーニ氏といえば、「割れ窓理論」を以て犯罪を減らし、
名実ともに街をきれいにしたことで有名です。

 「割れ窓理論」とは、割れた窓ガラスを放置しておくと、その
建物はきちんと管理されていないと思われ、ごみが捨てられるよ
うになり、そのうちに地域の環境が悪化して凶悪な犯罪を誘発す
るという犯罪理論で、米国の犯罪学者のジェームズ・ウィルソン
とジョージ・ケリングが提唱したものだそうです。

 ジュリアーニ市長は、地下鉄や壁の落書き、ごみのポイ捨てな
どを徹底的に取り締まり、やがて、殺人・強盗などの犯罪が大幅
に減少したのです。

 落書きを消すことには抵抗する人々もいたようですが、それで
も強い意志でこれを実行したのです。

 これらの軽微すぎる「犯罪」にことさら厳しい注意を向けるこ
とは、兆候を察知するというレベルを超えて、むしろ従来の解決
策に相反するとも見えます。テロの警戒をすべき駅で警官が無賃
乗車の取り締まりをしているようなものですから「大丈夫なのか?」
と思わせますが、結果的には解決に導くことになったのが興味深
いところです。

 今から16年も前に、私は石原慎太郎・当時の東京都知事の構
成台本を書いていたことがあるのですが、その時に「割れ窓理論」
とジュリアーニ市長の話題があり、都知事が非常に関心を持たれ
ていたことを覚えています。

その後、東京都による新宿・歌舞伎町の浄化作戦が実施されま
したので、ジュリアーニ市長の行動は、歌舞伎町にも影響を与え
たと言っていいのではないかと思います。

 私はジュリアーニ氏のことを市長時代のこの功績くらいしか知
らず、人物を評価できる立場ではありませんが、わが家のすぐそ
ばにいるジュリアーニ氏と同じ世代くらいの区長さんが地域を浄
化してくれていて、その恩恵にあずかっていることだけは確かで
す。

 これって、私にとっては「割れ窓理論」というよりも、良い行
動が周囲に連鎖する影響の方が強いようにも感じます。みんな気
分が良く、悪いことを考えません。

 因みにこの区長さん、朝ウォーキングしている私を見て「高校
生のお嬢さんだと思っていました!」と、おっしゃる。気分が良
いのはこの言葉のせいかもしれません・・・。

<おしらせ>
10月8日(火)の百田尚樹さんの『虎ノ門ニュース』に出
演します。https://tora8.tv/

2、YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしている「国
防ニュース最前線」、今週は伊藤俊幸・元海将に解説を頂きます。

 http://okigunnji.com/url/42/



(つづく)



(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。


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おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
 
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