配信日時 2019/09/20 20:00

【二つの愛国心─アメリカで母国を取り戻した日本人大尉(25)】「放射能汚染」 加藤喬


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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官
でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽にどうぞ
 
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp
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こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出ました。
今回はMP5です。

「MP5サブマシンガン」
L.トンプソン (著), 床井 雅美 (監訳), 加藤 喬 (翻訳)
発売日: 2019/2/5
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※大好評発売中


加藤さんの手になる書き下ろしノンフィクション
『二つの愛国心─アメリカで母国を取り戻した日本人大尉─』
の第二十五話です。

さっそくどうぞ。


エンリケ


追伸
ご意見ご質問はこちらから
https://okigunnji.com/url/7/


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『二つの愛国心─アメリカで母国を取り戻した日本人大尉』(25)
 
「放射能汚染」

Takashi Kato

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□はじめに

 書下ろしノンフィクション『二つの愛国心──アメリカで母国
を取り戻した日本人大尉』の25回目です。「国とは?」「祖国
とは?」「愛国心とは?」など日本人の帰属感を問う作品です。
 
 学生時代、わたしは心を燃え立たせるゴールを見つけることが
できず、日本人としてのアイデンティティも誇りも身につけるこ
とがありませんでした。そんな「しらけ世代の若者」に進むべき
道を示し、勢いを与えたのはアメリカで出逢った恩師、友人、そ
して US ARMY。なにより、戦後日本の残滓である空想的平和主義
のまどろみから叩き起こしてくれたのは、日常のいたるところに
ある銃と、アメリカ人に成りきろうとする過程で芽生えた日本へ
の祖国愛だったのです。
 
 最終的に「紙の本」として出版することを目指していますので、
ご意見、ご感想をお聞かせいただければ大いに助かります。また、
当連載を本にしてくれる出版社を探しています。


□今週の「トランプ・ツイッター」9月10日付

「君はクビだ!」
タレント時代のトランプ氏が、人気リアリティ番組『アプレンテ
ィス』のホストだった頃の決め台詞です。スタッフの馘首はホワ
イトハウス入り後も変わらず、大物閣僚がすでに何人もワシント
ンを去りました。先日は国家安全保障担当のジョン・ボルトン大
統領補佐官が罷免され、同ポストの交代は3人目。今回の更迭は
日本の安全保障にも由々しき影響が出そうです。

 ボルトン氏は生粋の保守派でアメリカを世界の雄と見るパトリ
オット(愛国者)。独裁国家に対する体制転換や先制攻撃を積極
的に支持するタカ派として知られています。北朝鮮に関しては、
完全非核化を経済支援の前提条件とする強硬策を主張し、このと
ころ相次ぐ短距離弾道弾発射をめぐっても「国連制裁決議違反」
と断言。これに対し北朝鮮外務省は「ボルトンのような主戦論者
は一日もはやく消え去るべきだ」と反発していました。

 今回のトランプ・ツイッターは、まるでこの北朝鮮側要求に応
じたかのような内容。外交手腕で抜擢されたはずのボルトン氏を
切り捨ててでも、米朝交渉で具体的成果をだす決意の表れです。
アメリカに届く大陸間弾道弾および核弾頭の破棄と引き換えに、
金体制を保証する妥協案が現実味を帯びてきます。

 金正恩に対する大統領の変心や政策変換を「気まぐれ」と断ず
る向きもあります。が、厳密な損得勘定と正確な市場予測で不動
産王に登りつめたトランプ氏への評価としては一面的に過ぎます。
むしろ、傍目には移り気で衝動的な態度にこそ「アメリカ第一主
義の神髄」があるのではないか。言い換えれば、米国を守るため
なら奇策を弄することも厭わない「したたかなパトリオティズム
(愛国心)」です。

 トランプ氏は「国粋主義的愛国者」とは一線を画しています。
資本主義を信奉する「愛国実業家」の方が適切かも知れません。
しかし、不動産王としての成功を可能にした資本主義システムと、
その「容れ物としての米国」に報いようという「報国の志」を見
くびってはいけません。資本主義の牙城アメリカは人間トランプ
と一心同体であり、神聖にして不可分のアイデンティティ。これ
を守るためなら、氏は手段を選びません。

 ならば、ボルトン解任劇を通じて金正恩にメッセージを送り、
米朝交渉再開を促す戦術にも納得が行きます。短距離弾道弾が韓
国全土と日本の一部を射程に収めていることは百も承知で、トラ
ンプ大統領が北朝鮮非核化を長距離核戦力封印に限定し、早期合
意を図ることはあり得ます。恐らくすでに見限られた文在寅政権
は言うまでもなく、盟友安倍晋三の任期切れが迫る日本政府にと
っても、氏の持説「国防は自己責任」が示唆するところは深長で
す。ボルトン更迭劇を反面教師に、日本政府と有権者は「トラン
プ流パトリオティズム」の冷厳さを知るべきです。

 本日のトランプ・ツイッター、キーワードは no longer needed。
「もはや必要とされていない」という意味で、この文脈ではかな
り「突き放した響き」があります。

I informed John Bolton last night that his services are no 
longer needed at the White House. I disagreed strongly 
with many of his suggestions, as did others in the Administration, 
and therefore........I asked John for his resignation, which 
was given to me this morning. 

「昨晩、ジョン・ボルトンに対し、ホワイトハウスでの職務遂行
にはもはや及ばないと伝えた。彼の提案には全く承服できないも
のが多かった。わたしだけではなく、政権内の総意でもあった。
したがって、ジョンの辞任を求めた。彼は今朝、辞任を申し出た」




「二つの愛国心─アメリカで母国を取り戻した日本人大尉」(25)

(前号までのあらすじ)
 四六時中まわりの敵と銃撃戦をかわすハリウッド映画はエンタ
メだ。が、戦場の退屈は豹変する。何の予兆もなしに、金太郎飴
のような日常が死に神の相を帯びることがあるのだ。99日続い
た凡庸な日が、100日目も同じである保証はない。その1つが
クウェートで起きた大爆発だった。数時間続いた誘爆につぐ誘爆
の結果、機甲部隊の車両が百数十両破壊された。わたしの中隊に
与えられた任務は、破損車両の米国移送に先立ち、除染と損傷の
程度を記録することだった。

▼放射能汚染

 翌朝、除染作業開始。太陽の高度が増すにつれ水銀柱も急上昇
する。二次汚染を避けるため全身を防水着でカバーするのが規則
だが、内にこもる熱に悲鳴をあげた整備兵たちは、誰からともな
くズボンとTシャツ姿になる。無理もない。熱中症の怖さは夏の
ルイス基地で体験済みだ。しかも砂漠の気温はワシントン州の比
ではない。全員、戦車から跳ね返る飛沫でずぶ濡れだが、意図せ
ぬ涼を楽しんでいる風もあった。問題なしと判断し、その場の指
揮をラジ軍曹に任せ整備テントにもどる。

「LT(中尉)、ちょっとよろしいですか?」
 午後、整備所の一角をベニアで囲ったオフィスに長身の整備兵
がやって来た。ショートにした赤毛とソバカスの浮いた顔には、
あどけなさと意図せぬ媚が同居している。
「もちろんだ、ケリー特技兵。まあ、座れ」
「中尉殿、気になることがあるのですが・・・」
 そう言ってケリーは口ごもる。
「クリスマスまでに帰れるかどうかの件なら、中尉の自分には分
からんよ」
 思わず相好を崩した女性兵士が答える。
「長くいるぶんには一向にかまいません。むしろ得がたい体験で
す。でも・・・」
「ここだけの話にすればいい。言ってみろ」
「爆発の件です。補給廠に集結していた戦闘車両には実弾が積み
込まれていたのではありませんか?」
 年若い部下の口からでた予想外の質問に、
「これも中尉の自分には分かりかねる。だが、可能性は否定でき
ない」
 と答えるのが精一杯だ。このとき、すでに100時間戦争は終
わっていた。しかし無傷のイラク軍はまだ各地に残存している。
戦闘が再開された場合に備え、戦車や装甲戦闘車に砲弾を積んだ
ままにしていたことは充分ありえた。

 ケリーの鳶色の目がゆっくり頷き、そして続ける。
「爆発の翌日、NBC偵察車がクウェートに向うのを見た者がい
ます。歩哨に立っていた仲間です」
 NBC偵察車とは、核・生物・化学兵器が使用された場合、汚
染状況を調べる車両のことだ。サダム・フセインが化学兵器を使
うシナリオを想定し、KKMCにも配備されている。
「なぜNBC車両だと分かる?」
「LT、われわれは武器科の兵隊です。兵器には精通しています。
しかも目撃されたのはM93フォックス。ドイツ製の6輪装甲車
で、独特のくさび形状ですから見誤るはずはありません」
 この兵は切れる。弾薬を搭載した戦闘車両。火災と爆発。NB
C車両出動。この一連の出来事が指し示すものは・・・
「ケリー、M1戦車の砲弾にはどんな種類がある?」
「対戦車用は主にM829A1サボット付き翼安定徹鋼弾です。
成型炸薬弾とは違い弾頭に爆薬はありません。運動エネルギーだ
けで敵戦車の装甲を貫通するタイプです。」
「弾頭は何でできている?」
「弾頭というより投げ矢のような形状の弾体です。比重が高く極
めて硬い劣化ウランで造られています」
「劣化ウラン・・・放射性物質だな」
「はい。もともと天然でも存在するものですから放射能は微弱で
す。しかし、命中すると激しく燃焼拡散するので環境を汚染しま
す。周りに人や動物がいれば、吸い込んで内部被曝する恐れがあ
ります」
「それは今回のような爆発でも同じか?」
 一呼吸おいて整備兵が答える。
「特技兵の自分には分かりかねます」
「これは一本取られた・・・。わかった。キミの憂慮はもっとも
だ。すぐ大隊長に伝える」
「ありがとうございます、中隊長代理」
 返事もそこそこに、整備兵は除染を続ける仲間たちのもとに帰
って行った。

「カトー中尉、キミの部下には鋭いのがおるな、お見通しだ。」
 KKMCの噴水を見下ろすオフィスで、大隊長は劣化ウラン弾
の件をあっさり認めた。危険を知りながら黙っていた上官に憤り
を覚えた。が、こちらの内心にはお構いなく、指揮官はよどみな
く続ける。砂漠迷彩服の左胸には爆発物処理徽章が見える。武器
科でもエリート中のエリートしかなれない。爆弾の信管を外すス
トレス下でも取り乱さない、氷の冷静さが要求される職種だ。

「弾薬補給車のヒーターが過熱し、積んであった155ミリ榴弾
が爆発した。まずいことにクラスター爆弾を装備した砲弾で、数
万個の小型爆弾がまき散らされ誘爆を起こしたのだ。劣化ウラン
弾をふくめドーハ基地に集積されていたほとんどの弾薬がやられ
た」
「では、化学部隊が出動したのも事実ですか?」
 上官が上目遣いで頷く。
「放射線対策は?」
「M93フォックスの車載探知機では放射能汚染は検出できなか
ったと聞いている。言っておくが、KKMCからドーハに向かっ
たのは化学部隊だけではない。不発弾処理部隊も事故処理にあた
っている。火災の熱で不安定になった砲弾や時限地雷が基地中に
散乱しているからだ。ぐずぐずしていると、本当にイラク軍が隙
を突いてこないとも限らん。現在、優先事項は爆発物の除去。放
射線対策は二の次だ」
「では作業は計画通り進めろと言うことですか?」
 中佐の顔にうっすらと冷笑が浮く。
「われわれはサルベーション・アーミー(救世軍)ではないぞ、中
尉。陸軍は常に危険と隣り合わせだ。それを承知でこの軍服を着
ている。違うか?」
「その通りです、中佐殿。しかし部下は何も知らずに任務につい
ています。せめて放射線レベルの計測を・・・」
「ならば知らせてやりたまえ。防護服も支給してやれば良い。だ
が、手元にあるマスクや防護服ではどのみち放射線は防げない。
皮膚の露出を少なくするというだけのこと。しかも46度を超え
るこの熱気だ。着用して作業すればたちまち熱中症にやられる」
「中佐殿、では部下に何と説明すれば・・・」
「ルーテナント(中尉)」
 階級をことさらゆっくり発音し、大隊長が畳みかけてくる。
「キミの仕事は『説明』ではない。部下を動かし任務を遂行する
ことだ。もう下がって良い」
「しかし大隊長殿・・・」
「下がって良し、ルーテナント」
 すごすごと退散するわたしに、中佐が追い打ちをかける。
「明日は将軍が視察にお見えだ。作業が遅れては困る。この意味
が分かるな」
部下には劣化ウラン弾の件も含め事故のあらましを告げ、防護装
備一式を提供すると伝えた。が、実際に着用しようとする者はい
ない。放射線の危険は低いかも知れず、影響が出るにしてもずっ
と先のことだ。他方、熱中症は確実に起きる。ならば、今の安全
が大事。戦場の兵は極めて実務的に物事を考える。ラジ軍曹やケ
リー特技兵も例外ではなかった。

兵の身を本気で案じるなら、放射線測定を主張し続けるべきだっ
た。が、作業が遅れ、大隊長が将軍の前でメンツを失えば、わた
しの軍歴はそこで潰える。高圧ホースと格闘する整備兵たちを遠
目に、ラジ軍曹に作業のペースを上げるよう命じた。

翌日、視察は難なく終わった。首がつながったと胸をなでおろし
ていると、午後になってケリー特技兵が倒れたとの報告を受けた。
KKMCの病院に赴き軍医に容態を尋ねる。かなり血圧が低下し
ているとの答えだ。戦車の砲塔内で意識を失ったのだという。
「軍医殿、放射線のレベルは検知できないほど低かったそうです
が・・・」
「中尉、劣化ウランは重金属だ。放射線は弱くても化学的な毒性
がある。狭い砲塔内でマスクもせずに作業するべきではなかった」
砂漠迷彩のうえに白衣を羽織った大尉がため息まじりに言う。わ
たしは自分の無知を恥じ、呪った・・・そして、恐らくはこの事
実も知っていたに違いない大隊長に怒りを向けた。
「軍医殿、ケリー特技兵に会えるでしょうか?」
「中隊長の見舞いなら彼女も心強いだろう。行ってやりなさい」
病室には数名の兵士が点滴ボトルに囲まれ簡易ベッドに横たわっ
ている。ケリーは窓際のベッドにいた。
「LT・・・・」
起き上がろうとするケリーを手で制する。
「気分はどうだ?」
「それが・・・まだ、フラついています」
「大変な目にあったな」
「ゴメンナサイ」
プロの兵士ではなく、うら若い女性の声だった。
「謝らなければならないのはわたしの方だ。すまない」
アイルランド系のケリーはもともと色白だが、目の前の顔は赤毛
とのコントラストが痛々しいほど透き通っている。
「わたしなら大丈夫です。すぐ任務に戻ります。ラジ軍曹にそう
伝えてください」
「了解。だが、もうしばらく休んでいろ。部隊の方は仲間がカバ
ーしてくれる」
 笑みを浮かべてはいても、体力の消耗は隠せない。特技兵は視
線を外し目を閉じる。ほどなく、かすかな寝息をたて始めた。わ
たしは部下の行末を案じつつ、病室を出た。

整備所に戻る道すがら、一連の出来事を反芻した。繰り返すごと
に、大隊長への怒りが矛先を変えていくことに気づいた。
そして・・・アラスカ大のジョン・ジャニロが口にした言葉が蘇
った。

「軍にはひどいのもいた。部下の命を預かる責任感など微塵もな
く、的確な状況判断もできない。自己保身と昇進にしか興味がな
い士官連中だ」

あの日、ベトナム戦傷復員兵がほのめかしたのは、このことだっ
たのか。


(つづく)


加藤喬(たかし)



●著者略歴
 
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。アラスカ
州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省外国語学校
日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―ある“日本
製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、『名誉除隊』
『加藤大尉の英語ブートキャンプ』『レックス 戦場をかける
犬』『チューズデーに逢うまで』『ガントリビア99─知られざ
る銃器と弾薬』『M16ライフル』『AK―47ライフル』
『MP5サブマシンガン』『ミニミ機関銃(近刊)』(いずれも
並木書房)がある。 
 
 
追記
「MP5サブマシンガン」
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『チューズデーに逢うまで』発売中
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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X 
 
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
 ⇒ https://okigunnji.com/url/7/
 
 
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専門用語があ
ります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日本人が自衛
隊のブリーフィングに出たとしましょう。「我が部隊は1300時
に米軍と超越交代 (passage of lines) を行う」とか「我が
ほう戦車部隊は射撃後、超信地旋回 (pivot turn) を行って離
脱する」と言われても意味が判然としないでしょう。
 
 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」は
 "Repeat" ではなく "Say again" です。なぜなら前者は
砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに使う言葉だからです。
 
 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍では建物の
「階」は日常会話と同じく "floor"ですが、海軍では船にちな
んで "deck"と呼びます。 また軍隊で 「食堂」は "mess 
hall"、「トイレ」は "latrine"、「野営・キャンプする」は 
"to bivouac" と表現します。
 
 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取りあげ、
軍事用語理解の一助になることを目指しています。
 
加藤 喬
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そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。

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