配信日時 2019/09/02 08:00

【桜林美佐の美佐日記(41)】ハリス大使とハンバーガー──高度な情報戦?

こんにちは、エンリケです。

ハリスと聞くと、
タウンゼント・ハリスを
思い浮かべてしまう私ですw

もちろんそうじゃありません。

さっそくご覧ください。

エンリケ




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桜林美佐の「美佐日記」(41)

ハリス大使とハンバーガー──高度な情報戦?

桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、
女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』
は今回で41回目です。

最近、とにかく耳を疑うようなニュースが多いですよね。韓国が
GSOMIAを破棄したこともそうですが、その韓国が米国のハリー・
ハリス駐韓大使を呼びつけて「失望や懸念を表明することを自制
して欲しい」と要請したのだとか。

GSOMIA破棄については、米国務省が「米国の安保利益と同盟国に
否定的な影響を及ぼす」と明らかにし、次いでランドール・シュ
ライバー国防次官補などの高官が相次いで韓国政府を批判してい
ました。

そのことについて、韓国はハリス大使にクレームをつけたという
わけです。しかもメディアに公開してのことです。何ということ
でしょう。「unbelievable!」という言葉くらいしか見つかりま
せん。

また、韓国が竹島周辺で行なった軍事訓練について、米国務省が
8月27日に「日韓の問題を解決するためには生産的ではない」
と公開コメントを出したことについても「独島は誰の領土か? 誰
かに認めてもらわないといけない土地ではない」と不快感を示し
た上で「自国の主権と安全を守るための行為について、簡単に話
をしてはならない」と批判したそうです。「ひえっ、そこまで言
うか」と青ざめたのは私ばかりではないでしょう。

ハリス大将が太平洋軍司令官を勇退し、韓国大使に就任された時、
これは米韓および日韓の鎹(かすがい)として相当な期待を帯び
ての人選なのだろうと思いました。

今回GSOMIAの件については、いわば大使の顔に泥を塗ったような
もので、最初はこの「ハリス大使呼びつけ」ニュースは、ハリス
さんが韓国政府の誰かを呼んで指導したのかと思いました。

ハリス大使は、翌日に韓国在郷軍人会で「朝鮮半島と米韓同盟」
をテーマに講演する予定でしたが、急きょ中止されています。

団体側の意向かのように伝えられていますが、ハリス大使が一連
の韓国の態度に不快感を示したからではないかとも言われていま
す。

もし実施していたとしても、太平洋軍司令官時代にGSOMIAにも深
く関わっていたであろうハリス大使に、そのことについてまった
く触れずに講演しろということですから極めて失礼な話でしょう。

とにかく、尋常ではない状態になっているわけですが、さらに驚
いたのはその講演当日のハリス大使のツイッターです。

なんとそこには楽しそうに「Shake Shack(シェイクシャック」の
オープニングイベントに参加している様子が投稿されているでは
ありませんか!

Shake Shackとは新しいミサイルでも戦闘機の名前でもありません。
日本でも大人気のニューヨーク生まれのハンバーガー屋さんです。

ハンバーガー大好きの私は東京の神宮イチョウ並木にある店舗に
行ったことがありますが、韓国にもあったんですねえ。

Shake Shackのビーフパティには成長ホルモンや抗生物質が投与さ
れていない米国産のアンガスビーフが100パーセント使用されてい
るのだそうです。なので「安心して食べられる」が売りとのこと。
フライドポテトも遺伝子組み換えではないなど、「健康志向?」
のお店です。

それはともかく、そこでハリスさんがハンバーガーをほおばろう
としている写真が投稿されていて、あまりにお茶目な光景に思わ
ず笑ってしまいました。

こんなにハリス大使を怒らせて、これが本国やトランプ大統領に
伝わるとどんなことになるのか、ハラハラしながら見ている人た
ちがたくさんいるというのに・・・。

ハリス大使が今後どのようなコメントを発信するか、相当な注目
を浴びているというのに・・・。

そんなさなかのハンバーガー。これはかなり高度な情報戦と捉え
ていいのでしょうか??

とにかく日米韓の関係は一体どうなってしまうのでしょうか。た
だ、認識しておかなくてはならないのは、米国においてこのGSOM
IAの問題はさほど大きく取り扱われていないということです。ど
うしても自分たちのことに米国はいつも関心を持ってくれている
と思いがちですが、私たちが思うほどに関心があるわけではない
と知っておいたほうがいいのでしょう。

まして、トランプ大統領にGSOMIAがどうのこうのと言っても、熱
心に耳を傾けるとはちょっと想像し難い。

日本国内の報道では「トランプ大統領の沈黙の意味するところは
何か!」と騒いでいますが、ちょっとズレているかなと・・。

そんな中、私が住む九州北部では大雨に見舞われていました。前
線が停滞して線状降水帯が発生、それが甚大な被害をもたらすと
いうここ数年の傾向は台風の到来より厄介です。

台風ならば一定期間で過ぎますが、前線がいつまでも停滞して留
まったり、また押し戻されたり、極めて予測が困難です。

佐賀県で油が流出し、これが有明海でも確認されているようです。
有明海ではオスプレイの配備を巡り、海苔やコハダなどに影響を
及ぼすとして漁協の同意を得られていませんでした。そこが油の
被害に遭ってしまったというのは何とも皮肉なことですが、早期
の回復を祈るばかりです。


<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしている「国防ニュ
ース最前線」、今週はお休みです!

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(つづく)



(さくらばやし・みさ)



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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。


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(代表・エンリケ航海王子)
 
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