こんにちは、エンリケです。
誰も知らない歴史の内幕を
きょうあなたは知ることになります。
(大げさ?w)
さっそくご覧ください。
エンリケ
ご意見・ご感想はコチラから
↓
https://okigunnji.com/url/7
─────────────────────────────
桜林美佐の「美佐日記」(38)
軍歌を教えてくれた祖父の思い出
桜林美佐(防衛問題研究家)
─────────────────────────────
おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、
女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』
は今回で38回目です。
夏祭りの季節になりました。自衛隊の駐屯地などで行なわれる
ものも地元にとっては風物詩であり、地域ふれあいの場になって
いると思いますが、神社でのお祭りも日本では欠かせないですよ
ね。
実は、これまではそんなに身近ではなかったのですが、福岡に
来ると、この辺りには非常に多くの小規模の神社があり、夏の間
は各週末に集中的にお祭りが開催されています。
とある地区のお祭りでは、地元自衛隊による音楽演奏がありま
した。自衛隊に頼むなんて大胆!・・・と思われるかもしれませ
んが、こういうリクエストをどんどん自衛隊にしてもいいのでは
ないでしょうか。何ができるか、話し合うだけでも良いコミュニ
ケーションになりますよね。
ある神社ではステージでベトナム人女性たちによる舞踊や歌な
ども披露され、ちょっと驚きましたが、近くに彼女たちの職業訓
練所と寮があり、このところ毎年参加しているのだそうです。
寮生活は厳しく、彼女たちは門限をきちんと守り、翌朝には境
内の掃除に来てくれるのだと地元の長老の皆さん感心していまし
た。
前回、戦後占領下における日本の様々な解体について書きまし
たが、こうした寺社を中心としたコミュニティも同様に切り崩さ
れました。
しかし、こうしてしっかり残っている。それは、台風で根こそぎ
やられてしまったに違いないと肩を落としていた目の前に、翌朝
広がっていたあの「稲の力」と似ています。
私たちはいまだに占領下の神道指令の呪縛が解けず、現憲法2
0条の政教分離の原則の曲解により、公務員や役所が祭りに関わ
ってはいけないなどという警戒心があるようですが、夏祭りなど
行事を巡る寺社コミュニティは宗教とはかけ離れた集まりであり、
そのまま防災・防犯にも活かすことができるという面も併せ持つ
わけです。国籍や信仰にかかわらず、誰もが顔を出して欲しい場
です。
政教分離にからむ話をすると、むしろ私は、自衛隊にもチャプ
レン(聖職者)が存在していいとすら思っています。いかなる国
の軍人も、国のため危険を顧みない誓いをしているのだと思いま
すが、これは非常に重いことです。自衛隊の服務の宣誓にもある
「身をもって責務の完遂に務め」は、いつ聞いても、ズシリとく
る言葉です。
しかし、人間はそのような崇高な誓いに見合っているものなの
か。本当は弱い心があるのに、あまりにも高い理想に身丈を合わ
せなければならないと、苦しむ人だっているはずです。
日本には昔から「武士道」などの規範意識があることはいいです
が、それに付いて行かれない、とてもそんな人格になれないと感
じている人についてはケアされないような気がしています。
話が逸れました。寺社コミュニティの解体など、戦後の話を思
い出すことが続きましたが(もちろん生まれる前のことですので、
全て聞きかじりです!)、荒木肇先生のメルマガでもそのあたり
の興味深いお話が続いていますので、触発され、ちょっとした身
内話をしてもいいでしょうか?(許可を求められても困ると思い
ますが)
実は、私の母方の祖父は「特高」の刑事でした。しかしこの人は
実のおじいちゃまではなく、祖母が再婚した相手です。本当の祖
父もまた警察官でしたがインパールで戦死。その後、祖母はやむ
を得ない事情で籍を抜き、同じ麻布警察(旧鳥居坂警察)の上司
で妻を亡くしたばかりだった人の家に入りました。
20歳も年上の相手は、祖母にとっては戦争未亡人と遺児を引き
取ってくれた親切な人であり、私も、自分が実の孫ではないと知
ってからは幼な心に分をわきまえて接していたのですが(お小遣い
をあげると言われても、いらないと遠慮してみたり)、なぜかこの
おじいちゃまは他の実孫たちを差し置いて、私にだけに「軍歌」
と「クーデター」の話をしてくれていたのです。
小学校に上がる前くらいのことで、うっすらとした記憶ですが、
おじいちゃまと一緒に「鳩ぽっぽ」などの唄を歌っていた中で、
「同期の櫻」も教えてくれました。その時に言っていた話だけは
覚えています。
「2.26事件というのがあってね、おじいちゃまはそこに(警
備に)行っていたんだよ。その時の仲間とこうやって肩を組んで
歌うよ・・・」とかなんとか・・。多分「同期の櫻」は終戦間近
になってから今のような歌詞になっているはずですので、同期と
歌っていたのは2.26事件のずいぶん後のことだと思われます
が、細かいことはともかくとして、この会話だけが妙に私のメモ
リーに刻まれてしまいました。因みに他のことはほとんど覚えて
いません。
祖父が他界してから「特高」というのは取り調べで厳しく拷問な
どして「憲兵」と同じ存在だと聞かされたことで、とても悪いイ
メージを持ってしまいましたが、荒木先生にしっかりと解説頂き
ありがたいです。
実は、この祖父には大きなエピソードがあります。国鉄が関係す
る3大事件の一つである「下山事件」で下山(しもやま)総裁が
最後に立ち寄ったとされる「末広旅館」を定年後、足立区の五反
野駅からほど近い場所で営んでいたのです。
そのため、当時の夫人とともに激しい取材攻勢に遭い、夫人は衰
弱しほどなく亡くなってしまったため、私の祖母が後妻に入った
のです。
「下山事件」を巡る記事は膨大、また書籍も数多くあり、その中
には祖父が元「特高」だったことから、警視庁と口裏を合わせて
いたのではないかとか、はたまた旅館の宣伝に利用したとか、揣
摩憶測が飛び交っています。
このネガティブキャンペーンにより、旅館も店じまいし、その後
は不動産業をしていたのですが、私は遊びに行くたびに張り紙に
「お風呂が付いていることを表す」温泉マーク(*)を書くお手伝
いをしていました。周辺には「風呂、トイレ別」というアパート
が多いのです。
(*)
https://allabout.co.jp/gm/gc/476982/photo/1504013/
線路上で轢死体で発見された下山総裁、自殺だったのか他殺な
のか、今なお謎のままです。こんな事件があったよ、と幼稚園児
の私にちょっとでも話してくれていたら、今頃ノンフィクション
でも出していたかもしれませんが、何も聞かされませんでしたの
で悪しからずご了承ください・・・。ちょうど最近「三鷹事件」
の再審請求棄却というニュースがありましたが、戦後の闇はまだ
続いているということのようです。
<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしている「国防ニュ
ース最前線」、今週も伊藤俊幸・元海将に解説して頂きます。
http://okigunnji.com/url/42/
(つづく)
(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
↓
https://okigunnji.com/url/7/
【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個人情報を伏せ
たうえで、メルマガ誌上及びメールマガジン「軍事情報」が主催
運営するインターネット上のサービス(携帯サイトを含む)で紹
介させて頂くことがございます。あらかじめご了承ください。
PPS
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。その他すべての文章・
記事の著作権はメールマガジン「軍事情報」発行人に帰属します。
最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。
●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
---------------------------------------
発行:
おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
メインサイト
https://okigunnji.com/
問い合わせはこちら
https://okigunnji.com/url/7/
Copyright(c) 2000-2019 Gunjijouhou.All rights reserved.