こんにちは、エンリケです。
軍のなかでも食事の分野は、
いちばん身近な話かもしれません。
「まんぷく主義」の私ですが、
あらためていろいろ反省しました。
さっそくご覧ください。
エンリケ
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桜林美佐の「美佐日記」(36)
バランスの良い献立改善への取り組み
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、
女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』
は今回で36回目です。
先日、自衛隊の糧食費が17年ぶりに1食あたり20円値上げす
る件について、これまでの材料値上げやこれから予定している消
費増税を考えれば、内容の向上は期待できないのではないかと書
きました。
実はコラムを連載している『SATマガジン』でも、これではおか
ずの数は増えないのではないかと書いてしまったのですが・・・、
もしかしたら、おかずが増えるかもしれません!
「桜林が増えないと言っていたのに、1品加わったぞ」とお叱
りを受けたら甘んじて受けるしかありません。今回の増額の実相
は、たまたま消費増税を見据えたようなタイミングではあります
が、栄養基準見直しのニーズに応えたもののようです。
荒木肇先生の『脚気と軍隊』には、わが国の陸海軍における栄
養摂取の実態が明らかにされていますので非常に勉強になります
が(近々のメルマガでの「国鉄」の話も深く頷きながら読んでお
ります)、かねてより私は自衛隊の食事の中でも特に陸上自衛隊
のものは、今となってはよく知られる言葉「糖質」が比較的多い
のではないかなーと漠然と思っていました。
くわしく調べたわけではないのですが、栄養に関する情報が溢
れる近年「糖質オフ」や「高たんぱく、低炭水化物」といった用
語が世に出回り、ご飯を残したり食べない自衛官も見かける中で、
自衛隊のメニューはみんなに「ウケる」のかなあと、思うことが
よくありました。
「陸軍に入ればごんごう(五号)めしが食べられる」という環境
とはガラリと変わっていますので・・。「ウケる」かどうか、と
いうのは些か軽率な言い方ですが、でも献立によって気持ちが盛
り上がることって大事ですよね。
ところで、自衛隊では営内で生活する隊員さんは1日3回の食
事が支給されますが(お給料から天引きされています)、部隊の
外に住む人が食堂で食べる場合は事前に登録して代金を支払って
いるということで、全ての方が一緒に食べているわけではありま
せん。
お弁当を作って行く人、これはまだいいかもしれませんが、カ
ップラーメンで済ましているケースもあるという実情を知ると、
「有料喫食」はもったいないという気持ちも分かりますが、やは
り、しっかり栄養管理されている食事を摂って欲しいと思います
(オマエが言うかという声が聞こえてきそうですが・・)。
で、そのためにも、モチベーションが上がってバランスの良い
献立が必要になってくるわけです。
そこで今回、従来の栄養基準を見直すことになったとのこと。
実は、この栄養基準というのは、1972年に作られ2002年
に改変されたもので、ざっくり1日のエネルギー量は3200カ
ロリーということだけが定められているものなのだそうです。
10歳代から50歳代という年齢の幅、女性と男性の差、仕事
量の違いなどにかかわらず献立が決められていますので、自分で
コントロールをすることになります。そうなると、「同じ金額を
払っているのに~」と考え、有料で食べている人は、だったら自
分で用意しようということになるのはやむを得ません。
そのような現状把握は、ほかに課題山積の自衛隊にとっては後
回しにされ、これまでも問題提起はあったようですが、このたび
やっと改善への取り組みがスタートできるようになったというこ
とのようです。
陸上幕僚監部の栄養専門官の方が全国の部隊での活動状況を調
査し、粉骨砕身の努力をした末、今年(2019年)3月に「中
隊等における栄養管理の実施要領について」という通達が出され、
この通達によって、いずれは個人の特性に応じたタイプ別給食の
提供が可能になりそうです。
確かに、カロリーに重点を置いた献立ですと安く上がります。
本当かどうか分かりませんが、自衛隊の食費が刑務所よりも安い
と言われて久しく、人数が多いからそうなるのかなと思っていま
したが、古い栄養基準を継続していたことがその要因だったわけ
です。
わずか20円の話ですが、これが自衛隊の画期的な栄養改革に
つながることを期待します。併せて、消費税対策はなされるべき
と思いますので、こちらもお願いしたいところです。
因みに米軍では、肥満を防いだり任務のパフォーマンスを上げ
るために低糖質・高脂質の「ケトダイエット」を取り入れる提案
があり、真剣に検討されているようです。
これはパンやポテト、果物など糖質はほとんど摂らないものの油
っぽいものは食べてもOKというもの。そうなると、ピザもハンバ
ーガーもポテトも食べられません。う~ん、これは難しそうです
ね~~。私は無理だと思いますが・・・。
<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしている「国防ニュ
ース最前線」、今週は伊藤俊幸・元海将に解説して頂きます。
http://okigunnji.com/url/42/
(つづく)
(さくらばやし・みさ)
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。
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(代表・エンリケ航海王子)
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