こんにちは、エンリケです。
桜林さんの日常風景が垣間見れるこの連載。
今回は、田園風景の中の桜林さんを
お楽しみください。
自衛隊をめぐる話も新鮮です。
さっそくどうぞ。
エンリケ
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桜林美佐の「美佐日記」(30)
自衛隊の熱中症対策は大丈夫?
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、
女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』
は今回で30回目です。
梅雨に入る前に草むしりをしようと、近所のおじいちゃんおばあ
ちゃんたちが計画していましたので(というほど大げさなもので
はありませんが)、これはお手伝いしなければ!と、張り切って
行って来ました。
若い力(相対的に、という意味です)がないと大変だろうと。で
も私がいずれいなくなったらみんな困るでしょうから、あまり活
躍すると期待値が高まりかえっていけないのではないか・・など
と妄想を膨らませて行きましたが、予想とは全く違う結果が!
まず、ここ(福岡や佐賀)で生きている方々は、高齢ではあれ家
庭菜園など持っている人が多く、そもそも見渡す限り豊かな田園
風景のこの地では草を刈ったり運んだりすることなど、まさに
「朝めし前」(実際、早朝に散歩していると何やら作業している
光景をよく見ます)なのです。
そんなわけで、気温30度ほどの中、最も動きが悪いのは私だけ・・・
ということにならぬよう、必死にみんなの動きについていったと
いうのが実情で、鍬などは使ったことがないので、大物?を刈る
のはおばあちゃんたちにお任せしました。
可愛い白い花がたくさん咲いていたので、これは残すんだろうな
あと思いきや「ドクダミは刈らないといかんばいっ」と根こそぎ
引っこ抜いていく・・・。地球の裏まで根が伸びていると言われ
るほどに強力なのだとか。
そのうちに、「もう、よかよか!」と、お茶を飲み始め、最後ま
で掃き掃除をしていたら「そげなことしても、どうせ葉っぱが飛
んでくるとよ」と、お茶タイムへのお誘い。ゆとりを持つことが
肝要なんですね。長袖を着て行ったのですが、素人の私は無意識
に腕まくりしていたようで、以来、どうしたわけか腕がかぶれて
痒いです。ああ・・・。
このように尊敬すべき年配者の皆さんもいる一方で、トンデモお
じいちゃんにも遭遇しました。
道を歩いていたら車道から「すみません」などと呼びかけられた
ので「もしや、ナンパか!?」と立ち止まると、もみじマークを
付けた車が私の横でいきなり止まり、後続車が次々にブレーキを
踏む事態に!
もしかしたら、立ち止まってはいけなかったのかと思いましたが、
そもそも声をかけてきたのは運転手のほうで私には非はないはず
で本当に迷惑な話です!そして何を言うかと思ったら「中学校ど
こ?」と言います。
「あのねー!」なんで私に聞くのよ、私は東京もんだって見れば
分かるでしょう~っ、といきなり東京者を主張(心の中で)。
だいたい40年以上住んだ東京で道を尋ねられても、この方向音
痴ではまともに答えられたためしがないというのに、よりによっ
て!と思いましたが、じいちゃん車の後続車が大変迷惑してクラ
クションを鳴らし始めたので、とりあえずまっすぐ進んで下さい
と教えて?あげました。もちろん、その先に中学校があるのかど
うか確信はありませんでしたが。
話は飛ぶようですが、以前、この日記で書いた「就職氷河期」世
代がにわかに話題になっています。実はこのような私の身近にも
たくさんいる高齢者の、その子供世代がだいたいそうしたケース
に当てはまります。あるご夫婦は数年前に免許を返上しましたが、
家にひきこもりがちな息子さんは運転免許もなく、買い物など外
出も不自由にしています。
川崎でのカリタス小学校を狙った無差別殺傷事件や元農水次官
の長男殺害事件などからも、就職氷河期世代や中高年の「ひきこ
もり」の問題は今後ますます取り沙汰されるのではないかと思わ
れます。
この世代が50代になり、80代くらいの親が支えなければなら
ないことを「8050問題」として、やっと世間でも知られるよ
うになったようです。この原因を拙劣な経済政策だったと言う専
門家の指摘もありますし、有名な所への進学や就職こそが大事だ
という親世代の価値観に対する誹(そし)りもあるようですが、
とにかく今、40歳から64歳までの「ひきこもり」の人の数は
推計61万人にのぼることが内閣府の調査で分かっている、それ
だけは確かな現実です。
実は私の家の場合もそうなのですが、すべての老人が年金を受
給していると思ったら大間違いで、もらっていない親もいるでし
ょうから、想像以上に困窮している場合も多いのではないかと想
像します。社会保障費捻出のためだという消費税の増税は、こう
したいわば社会保障の枠外にいるような人々にとっては打撃以外
の何ものでもないと思います。収入がほとんど消費に回っている
人は、結局、収入が10%減るようなもので、戦々恐々ですよね・・。
消費増税が「8050問題」に与える影響はどうなのか、その
あたりも気になっています。
そうしたなか、今年度になって自衛隊の食費が隊員1人あたり
1日20円増額になったのだとか。陸海空自衛隊や職種によって
も差はありますが、平均で1日あたり(1食ではありません)8
50~950円くらいだったはずですので、この金額の中でいか
に必要な栄養を満たすか栄養士の皆さんが苦労していることを考
えれば増額は朗報ですが、そもそも消費増税分はどうするつもり
なのだろうと思っていた私としては、まあ当然かなと、つい冷め
た受け止めをしてしまいました。
消費増税は装備品調達にもかかりますが、これまでの増税では
「飲み込み」でした。そう考えると、消費税はこれまで上がって
きているのですから、防衛費はその分、上がるのが当たり前です
よね?補正予算でケアした面もあるのかもしれませんが、どうな
っているのでしょうか。特に下請企業は直接訴えられないのでは
ないかと思いますので、こうした部分も含め確実なケアがなされ
るべきでしょう。
さて、前回の「総理のスピーチライターになったら」には、ま
たも反響を頂き嬉しい限りです。米大統領になるような人はメモ
を見て喋ったりしないそうです。いかに聴衆の心に響くか、が何
より大事だと教えてもらいました。
また、「予備3曹」さんから次のようなお便りも。
「我が国を取り巻く環境はますます厳しく…の件、全く同感です。
必ずこのワードを駐屯地でのスピーチで聞かされます。ではこの
ワードは慣用句として使われているのか、それとも事実なのかち
ょうど考えていたところなのです!」
やっぱり、そうでしたか!予備3曹さんは、いつの時代も取り巻
く環境は厳しさを増しているとして「つまり事態は刻々と変化し
ており、常に備え(国防)を怠らないことが肝要と結論づけてみ
ました。国家百年の大計とはまさにこのこと。」としています。
本当にその通りですよね。ありがとうございました!
全国各地で梅雨入りの季節となっています。暑さも増しています。
寝苦しい夜が始まりますが、自衛隊内で生活する隊員さんは就寝
中は経費の問題でエアコンを切らなくてはなりません。防衛問題
というと、「サイバー、宇宙、電磁・・・」が緊急課題でありま
すが、自衛隊の熱中症対策もそれに並ぶ喫緊の課題かと思ってい
るのは私だけでしょうか・・
<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしている「国防ニュ
ース最前線」は今週はお休みです。
http://www.chclara.com
(つづく)
(さくらばやし・みさ)
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。
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(代表・エンリケ航海王子)
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