こんにちは、エンリケです。
<「積極的平和主義」を実行するための「積極的広報」はなされて
いない>
とのご指摘は重要ですね。
さっそくどうぞ。
エンリケ
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桜林美佐の「美佐日記」(28)
陸上自衛隊ケニア派遣へ──メディアの関心はなぜ低い?
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、
女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』
は今回で28回目です。
福岡は暑いというイメージをお持ちの方が多いようです。私もそ
のように思っていましたが、実はけっこう寒いのです。
そこで昨年の冬に石油ストーブを購入し、暖を取っていました。
しかし!このところ夏日や真夏日などということになってしまい、
気づくと灯油が余っている・・・。なんとかしてこれを消費して
しまいたい~ということで、朝の気温が低い時間に必死にストー
ブをつけている日々です!灯油を使うことが目的化し、本来の暖
房機器のあるべき姿を完全に逸脱しています。
さて、先々週から車の運転について書いていましたが、いつも以
上に反響を頂いております。
Iさんからは、「マスコミがあまり報道しない情報を書きたいと思
います。報道を見ていると、今すぐにでも自動運転が実現しそう
な感じがしますが自動運転が広く普及するにはまだまだあと何十
年もかかるでしょう。自動車よりも鉄道の方が、条件が限定され
ていて鉄道の自動運転化が簡単なはずですが、鉄道の自動運転が
全面的に実現されていないところを見ると、自動車の自動運転化
はまだまだ到底無理です」とのこと。
また、自動運転の致命的欠陥として、燃費が普通の自動車の半分
になってしまうことを指摘され、現状ではまだ現実的ではないと
しています。積極的に公共交通機関を使うべきということも。都
心部などそれが容易にできる所では意識を変えたいものですよね。
また、個人的には私の「ちょっとハードなドライビングスクール」
構想(別に私の専売特許ではありませんが!)への賛同意見を、
学生時代に自動車部で活躍されていた方から頂戴し感激しました。
この日記に書く前に家人に話した時は「ふ~ん」「へえ~」「無
理じゃない~?」という反応だったことを考えると、がぜんやる
気が出てきました(何に!?)。
それはともかく、その方も指摘されていたのですが、世の中には
何かと「本来の目的が曖昧になっている」ことが多いと感じます。
灯油を使い切るための暖房使用とか、ひどいケースの代表例です
が、こうした、手段が目的化するようなことや目的を見失ってい
ることについては自衛隊の活動に関しても一家言ある方、多いか
と思います。
最近、それを感じたのは、5月22日に福岡県内で行なわれた
陸上自衛隊ケニア派遣の壮行会をめぐる人々の反応です。
これは国連PKO活動に参加意欲を示すアフリカやアジアの国の要員
に重機の操作など教育を施すもので、今回で7回目の派遣となり
ます。
道路やインフラ整備の面でPKOの活動をしたいけれど重機の扱いが
できない人たちにブルドーザーや油圧ショベルの使い方を教える
のです。今回はウガンダ軍の人たちが対象です。
新聞の地方版やテレビのローカル放送で壮行会の様子が報じられ
ましたが、現時点では未だ全国版で取り上げられていない様子。
7回目にもなるので話題性がないのか、しかし、そもそもこの事
業が始まった当初からあまりニュースになっていなかったよう
な・・・。
なぜ、あれほど南スーダンPKOでは騒ぎになったのに、同じ海外へ
の派遣でも関心が薄いのかというと、メディアとしては面白みが
ないからかもしれません。行く先はケニアといっても国際平和支
援訓練センターの中という安全な場所ですし、自衛隊が直接PKOの
活動をするのではなく、PKOに将来参加したいというアフリカの工
兵の人たちに基礎的な教育をするというものなので、地味な印象
があります。このための法律が作られたわけでもなく、通常任務
の延長線上にあり、現実に派遣隊員さんは出張扱いのようなので・・。
なんとなく、ですが、南スーダン派遣では日報問題で紛糾したこ
ともあり、政府あるいは自衛隊側としても、あまり大きく取り上
げられなくてもいいという思いがあるのかなとも感じます。
もちろん、「教えてやったぞ」などと誇示する必要はなく、むし
ろ上から目線ではない自衛隊の支援こそが、昨今派手に進出して
いる中国との違いとして歓迎されているわけですから、粛々と継
続されればそれのほうがいいのです。ただ、問題は、いかなる任
務であれ自衛隊が海外に派遣されることを「キケン」「いけない
事」だと認識している人があまりにも多い現実です。
派遣隊員の家族にミッションの意義を説明する役割である指揮官
のお母さんが「あなたそんな所に行って大丈夫なの??」なんて
話もしばしば聞きます。今回のように、急に報道で目にすると、
「これは何?」と不安がる人がいるのです。
現に私にも自衛隊を心配するメールが届きました。その原因は、
「積極的平和主義」を実行するための「積極的広報」はなされて
いないから、と言わなくてはならないでしょう。
あら探しや痛くない腹をえぐられるようなことがないためにも、
やはり積極的な意義の啓蒙で理解者を広げておく必要はあるのだ
と思います。海外派遣をネタに自衛隊や政権攻撃をしようとか、
またそうされないようにガードしようとかいう動きはいずれも本
来の目的を大きく外れています。また、国民のことも無視してい
ます。ぜひ、ご注意頂きたいものです。
さて、前回少し触れた皇室のことについても、感想を頂きまし
た。国内の識者にもイギリスのようにすればいいという意見があ
るが、「イギリスの王位継承権はステュアート家の血を引いてい
る者に限ります。日本では貴族はいませんから、真似できません。
愛子様、眞子様、佳子様個人に皇室活動をお願いするのはいいこ
とだと思います。ただ、御主人、お子様をどう扱うか、よく考え
る必要があると思います」というご意見を、いすけ屋さんから頂
きました。本当ですね。どうしても世の中は何かと「女性〇〇誕
生」とか「美人〇〇」という言葉に踊りますが、同じように考え
られては困りますね。ありがとうございます!
<おしらせ>
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしている「国防ニュ
ース最前線」、5月25日(土)も伊藤俊幸・元海将の解説です。
http://www.chclara.com
(つづく)
(さくらばやし・みさ)
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。
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(代表・エンリケ航海王子)
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