配信日時 2019/05/13 08:00

【桜林美佐の美佐日記(26)】令和元年の「憲法記念日」に思う

こんにちは、エンリケです。

<特番を聴きながら>

のひとことに、「ラジオ人の矜持」を感じたのは
私だけでしょうか?

さっそくどうぞ。


エンリケ

追伸
国防ニュース最前線の最新回
『対馬リポート』。
現地に行かれた桜林さんの体当たりレポートです。
これは必見です。




ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
https://okigunnji.com/url/7

─────────────────────────────
桜林美佐の「美佐日記」(26)

 令和元年の「憲法記念日」に思う

桜林美佐(防衛問題研究家)
─────────────────────────────

おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、
女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』
は今回で26回目です。

1回お休みしている間に、元号が『令和』となり、新天皇陛下が
御即位されました。日本中が祝賀ムードに包まれ、大型連休を晴
れ晴れとした気持ちで過ごされた方が多いのではないでしょうか。

私も、もちろんその一人です。昨年まで非常勤ながら働いていた
ラジオ局では報道部員総出で改元の特別番組に向けて取り組んで
いたようで、ゆっくり過ごしている申し訳なさも感じましたが
「置かれた場所で咲きなさい」の大好きな言葉に従い、夜10時
から始まった特番を聴きながら、いつの間にかぐっすり眠ってし
まいました。

仕事仲間たちが各地でリポートするということで、楽しみにして
いたはずなのに! 元号が変わる瞬間を共有したかったのに!こ
れが果たして、置かれた場所で咲いていると言えるのかどうか疑
問に思われそうですが、英気を養ったということで・・・!

連休の前半は原稿を書いてあっという間に過ぎ、3日の憲法記念
日は大阪で講演をして来ました。この日は各地で憲法に関する集
まりがあり、特に今年は「憲法改正」に対する賛否それぞれの会
合に熱が入ったものとみられます。

安倍総理は、2020年は新しい憲法で迎えたいとしていますが、や
っとのことで憲法審査会が開かれたものの、野党の抵抗は強く難
航必至です。

また、与党である公明党の慎重姿勢は依然としてあり、公明党や
母体である創価学会の理解を得ることは不可欠な要素です。

憲法改正の国会発議は衆参両院で3分の2以上の賛成が必要です
ので、公明党の考えひとつで発議はできない、そのことをよくよ
く知っているからこそ、強気であり、煮え切らない姿勢で構えて
いるようにも見えます。

その背景には創価学会の反発があるといわれます。安保法制など
で「妥協」してきたのだからこれ以上は認められないという空気
が強いのだということですが、ああそうですかしょうがないです
ねと投げやりになるわけにはいきません。

「平和の党」を標榜(ひょうぼう)する公明党ならば、本来、平
和のために憲法を見直すということに積極的であるべきです。そ
の空気が生まれないのは、憲法を変えれば平和が乱されるといっ
た誤解や恐れを持つ人がいるから。だとしたら、同党や創価学会
に対する働きかけ語りかけが必要です。

そもそも安倍総理が自衛隊を明記する「加憲」を提起したのは、
公明党の考え方に則ったからのはずなのですが、そのあたりどの
ように理解されているのか、私自身も知りたいところです。

いずれにせよ憲法記念日の集会には、その動きを進めたい人たち
だけで意志を確認し合うのではなく「解らない人との分かち合い」
の日にすることはできないのか、そんなことを夢想しています。

こうしたなか、橋下・元大阪市長が立ち上げた『維新の会』は
「改憲の妨げになっているのは公明党」「公明党を潰しにいく」
と明言しています。先のダブル選挙を制した勢いで「都構想」賛
同と引き換えに公明党への対立候補を立てるのか、公明党の支持
を受ける自民党議員はどうなるのか、公明党を説得しきれない自
民党にとっての追い風になるのか・・・、とても気になりますが、
とにかくこのように改憲を主張する『維新の会』が勢いを増して
いる状況は悪くないことだと思いますし、ありがたいことでもあ
ります。

しかし、述べたように、今、論点となっている憲法改正は決して
公明党の方針に反するものではなく、対立の構図にさせるべきで
はないと思います。

そうなったら、安倍総理の発案は全く意味を為さない。公明党に
は支持母体のコンセンサスに向け汗を流してもらう必要は、やは
りあるのです。ぜひ、党利を超えた真の「平和の党」になって欲
しいと願います。

話題変わって、前回(2週前)にお伝えした『防衛大学校の闇』
についてお便りを頂きました。

「(前略)・・・いじめが防大で常態化している事、その実効あ
る対策はどうするのか、係争中だとしてもそこをうやむやにしな
いで桜林さんには積極的に取り組んでほしいと思います。11年間
で164人は表に現れた数字で裏にはもっと多くのいじめがあるのは
確実ですし、防大だけではなく、自衛隊そのものにもいじめがあ
ると思います。Nさんの個別問題にしてしまうとあらぬ疑いが増え
てしまうように思えます。こういう問題を解決していかないと、
ますます自衛官のなり手が無くなってしまいます。今後の配信を
期待しています。」

との内容でした。ありがとうございます!Nさんの個別問題として
取り上げたように受け止められてしまったことは私の文章の拙さ
ゆえ反省しきりです。もちろん、組織全体の問題だと思います。
しっかり見ていかなくてはなりません。

 さて、薫風の季節となり、やっと外を歩くようになりました。
実は福岡の寒さにまいってしまい、つい最近までは朝の散歩やジ
ョギングも中止、出かけるのは車という生活でした。福岡で?
寒さが辛いって??とよく言われますが、けっこう寒いんです。
今日も朝から石油ストーブをつけています! そして、冬~春は
朝も暗い! 反射板と懐中電灯は必須ですが、歩道がない道も多い
ので、あまり安全ではないのです。

東京の池袋や滋賀の大津市で非常にショッキングな交通事故が起
き、あらためて車はどんなに小さくても人の命を奪う凶器にもな
り得ると思いました。これらの事故を受けて、自動運転化を進め
て、ドライバーの免許制度をもっと厳しくすべきなどの議論が出
ています。

私はそれらも妙案だと思いますが、さらに思うのは、少しハード
なドライビング体験講習の受講を制度化し、無料でできるように
したらどうかということです。

 かつて私はテレビ番組の取材でBMWを使ったドライビング講習を
受けたことがあるのですが、たとえば凍結路面でスピンするとか、
猛スピードで走って急ブレーキとか、普段ではできない経験をし
たことは貴重でした。

 地方で暮らすと車は生活必需アイテムです。高齢者も女性もみ
んな運転しています。返納した方もいますが、とても不便な生活
となり、買い物もままならないのです。その人たちが車に乗るハ
ードルを上げることはいささか現実的ではないですし、試験を厳
格にしてその時はパスしても、女性や高齢の方はその時のコンデ
ィションでフト集中力を失ったりすることもあるのではないかと
思います。いえ、若い人だって同じでしょう。

 また、とくに女性や高齢者は咄嗟の動きには弱いため、むしろ、
そうした経験をする場があったほうがいいのではないかと思うの
です。私自身がそうなので「女性は」と言ってしまうと能力のあ
る女性には大変失礼ですが、スピンした車で「ハンドルはこっち
に切るように!」と指導されても、気が動転してすぐに反応でき
ないとか、説明されてもよく理解できない、といったことがある
のではないでしょうか。

 少しハードな経験をするドライビングスクールで「想定外」の
事態を訓練することで、ドライバーの意識は自然に高まり、いざ
という時に少しでも被害を少なくするための対処法を知っておく
ことだけでも意味があるのではないかと。

高度な運転技術を教えられる人材はいるはずですから、既存の教
習所を使い、講師の報酬と諸経費を捻出するだけでそんなに莫大
な予算はかからないのではないか、そんなことを考えました。と
にかく、高齢化が進むなかでこうした悲しい事故が増えることも
考えられるだけに、具体的かつ迅速な対策が必要だと思います。

<おしらせ>(1)
『自衛官が語る災害派遣の記録』(並木書房)好評発売中です!

<おしらせ>(2)
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしている「国防ニュ
ース最前線」、5月4日のアップデートは、私の『対馬リポート』
でした。声が入らないといけないと意識しすぎて、顔のどアップ
が続いてしまい辛い映像になっております・・・。

http://www.chclara.com




(つづく)



(さくらばやし・みさ)



桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。

https://okigunnji.com/url/7/

 
【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。


PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個人情報を伏せ
たうえで、メルマガ誌上及びメールマガジン「軍事情報」が主催
運営するインターネット上のサービス(携帯サイトを含む)で紹
介させて頂くことがございます。あらかじめご了承ください。
 
PPS
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。その他すべての文章・
記事の著作権はメールマガジン「軍事情報」発行人に帰属します。
 
 
最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。



●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
 
 
---------------------------------------
 
発行:
おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
 
メインサイト
https://okigunnji.com/
 
問い合わせはこちら
https://okigunnji.com/url/7/
 
 
Copyright(c) 2000-2019 Gunjijouhou.All rights reserved