配信日時 2019/05/09 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (230)】第一空挺団平成31年降下訓練始め(2)

こんにちは、エンリケです。

第一空挺団平成31年降下訓練始め
のニ回目です。

さっそくどうぞ

エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (230)
 ― 第一空挺団平成31年降下訓練始め(2)―
         渡邉陽子
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〇〇さま

こんばんは。渡邉陽子です。令和という元号、好きです。元号を用
いているのは世界でも日本だけとどこかで目にしましたが、実はこ
れまで「なんで元号が必要なんだろう。西暦で統一してくれればい
いのに」と思う気持ちが圧倒的に強かったです。仕事でも元号と西
暦と混在しているのが不便で面倒で、西暦に変換するアプリをいつ
も使っていました。恥ずかしながら、初めて元号というものを大切
に感じたのは、平成から令和へ変わることになってからです。なぜ
気持ちに変化があったんだろうと自分でも不思議に思っていたとき、
参議院議員だった松田公太氏のブログを読んで「これだ」と思いま
した(松田氏、いつかまた政治の世界に戻ってきて欲しいです)。
松田公太 平成から令和へ
https://ameblo.jp/koutamatsuda/entry-12458152340.html
令和の時代が安寧でありますように。

■第一空挺団平成31年降下訓練始め(2)

今年の降下訓練始めの注目は、空自のC-2輸送機と陸自の水陸機
動団の水陸両用車、AAVが初参加することです。また、今回のテ
ーマが「日米空挺の絆」だけあり、2017年に初参加したアメリ
カ陸軍の第1特殊部隊群第1大隊、通称グリーンベレーが3年連続
で登場することになっています。グリーンベレーの展示降下の目的
は「日米間の相互信頼の醸成および祝賀」です。

当日は朝やや強めだった風も次第に弱まり(強風で降下できないこ
ともあります)、好天に恵まれました。一般の来場者も続々と演習
場に集まり、売店も並んでにぎやかさを増してきました。

今回の訓練は、島しょ部に上陸した敵に対してまず空挺部隊が降り
立ち、その後装甲車や戦車などが上陸して奪還するという設定です。
それを念頭に置いて状況を見ていると、空挺部隊が離島に上陸する
ための準備から始まり、先遣部隊、主力部隊と順に降下して目標地
域に潜入、その後はヘリボン部隊や水陸機動団も離島に上陸し、最
後は後方からの火力支援という一連の流れがわかりやすくなります。

11時、第1空挺団長と米陸軍部隊指揮官によるCH-47からの
指揮官降下で展示が始まりました。岩屋毅防衛大臣を迎えた後、い
よいよ11時半から地上展示の開始です。

地上展示は「(1)着上陸準備」「(2)海岸堡の設定」「(3)海岸堡設
定以降の攻撃」という3段階で構成され、それぞれの段階でさらに
細かな設定がされています。
最初の(1)では「偵察部隊等の派遣」として、P-3CとLR-2が
航空偵察。続いてCH-47から日米の先遣隊が自由降下しました。
次に「事前制圧」として74式戦車、96式装輪装甲車、87式偵
察警戒車、UH-1とAH-1Sによる艦砲射撃とヘリ事前制圧を
実施。
続いて「先遣部隊の派遣」として先遣隊による空挺降下が行なわれ、
ここでC-2輸送機が初めて登場しました。

降下に使用する傘は空挺傘と自由降下傘の2種類があります。
空挺傘は円形でオリーブ色をした13式空挺傘で、降下訓練では高
度約340m、速度時速210kmからの降下を実施します。これは
「新幹線に乗って東京タワーの高さから飛び降りる」とよく表現さ
れます。
ちなみに米軍の通常降下用の落下傘は四角でグレーのT-11です。
自由降下傘は操縦ができ、偵察部隊などの隊員が高高度から隠密・
ピンポイントに降下する際に使用します。降下訓練では酸素マスク
を付け、最大6000mの高度から降下します。6000mってキ
リマンジャロですよ。酸素マスクが必要なほど空気が薄いことはわ
かります。1000m高度が上がると気温は約6.5℃下がるとい
いますから、標高0mが20℃のときだったら-19℃! 

さて、続く(2)では「空挺団による第1次目標線の確保」として主力
の空挺降下を実施。
わずか5分間ほどの間にC-1、C-130H、C-2の輸送機か
ら、秒刻みで隊員たちが次々と降下する光景は「降下訓練始め」の
ハイライトともいえます。
最大時は40~50もの落下傘が空中を舞い、しかもC-130H
からは米軍も降下しているので、日米異なる落下傘が空中に混在す
るさまは、今回のテーマである「日米空挺の絆」を具現化したもの
といえます。


(以下次号)


(わたなべ・ようこ)



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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。

 
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