こんにちは、エンリケです。
考えさせられるところ多い内容です。
さっそくどうぞ。
エンリケ
追伸
次週(5/6)の配信はお休みです
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桜林美佐の「美佐日記」(25)
勇気ある告発──希望ある未来へ
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、
女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』
は今回で25回目です。
このところ「言葉」について思うことを書いていますが、読者の
Oさんから感想を頂きました。「私も音に関わる仕事をするものと
して、明らかな言葉の間違い、ら抜き言葉、アクセントの平板化
など、とても気になり危惧もしています」ということで、まこと
にありがとうございます。
さらに続きがあり「今回の桜林さんの文章中にも気になる箇所が
あったので、指摘します。
「『話題に全くついていかれなかったからでした』これは『話題
に全くついていけなかった』で良いのではないでしょうか。もう
ひとつは『もちろん、間違えではないですし』これは、『もちろ
ん、間違いではないですし』ではないでしょうか。細かい事かも
知れませんが、日本語の乱れに関する事を書かれている文章の中
に間違いがあるのはいかがかなと思い指摘致しました。今回書か
れている内容に関しては、ほぼ同意致します。」
まさに「わが意を得たり」のようなご指摘でした。実は・・・いず
れも誤用ではないのです!
まず、「いかれる」については「いく」の可能形として本来は
「いかれる」、「歩く」も
「歩かれる」なのですが、時代の変化とともに言い方も変わり、
そのうちに変化したほうが定番化され「いける」「歩ける」とな
ったようです。ただ、それも室町時代にはすでに変化し始めてい
たといいますし、現代では「いける」「歩ける」のほうが圧倒的
に多数になっていますので、勘違いされても致し方ありません。
年配の方にはまだ「いかれる」「歩かれる」とおっしゃる方がい
ますが・・・(私は年配者に属するようです)!
そして「間違い」が正しい(ややこしいですね!)というご指
摘ですが、これも・・・実は「間違え」も「間違い」もどちらも
正しいのです。ただ、これも間違えることを名詞化する場合「間
違い」のほうが多く使われていますので、多く使われているほう
が一般化しているという観点では、「間違い」を使った方が多く
の方に受け入れられそうですね。
言葉は変化していて、祖父母の時代には非常識だった言い方が
いつの間にか当たり前の使い方になっていたり、面白いですね。
前回ご紹介した私の師匠は「そこそこ」という言葉を数字の後に
つける以外の使い方(「そこそこの学力」とか)には常に否定的
でした。
また、全く次元の違う話ですが、「天皇制」という言葉を当然の
ように使っている場面に遭遇すると残念な気持ちになります。当
メルマガを読んでいる皆さんはご存じかとは思いますが、これは、
ソ連共産党が指導する国際組織であるコミンテルン用語で「反対」
「打倒」という言葉とセットになっていました。「天皇制維持」
とか「天皇制を守る」とかいった表現は昔の日本にはなかったの
です。ああそれなのにそれなのに・・・という現状です。
この手の話はキリがありませんので、このあたりにして、ここで
先日観たテレビ番組のことについてひと言。
深夜に放送しているNNNドキュメントで『防衛大学校の闇』と題
し、防大在学中に暴力を受けたとして裁判を起こしたNさん(2
4歳)の証言などを中心にした番組を放送していました。
Nさんが上級生から強要されたとしていることは「全裸で写真を撮
る」「街で知らない人と写真を100枚撮る」「ラー油の一気飲
み」など。そして、ミスがあると「粗相ポイント」が加算され、
ポイントが溜まると「風俗店に行きその行為を全て撮影する」よ
うに言われ、命令に従わなかったので「陰毛にアルコールをかけ
て燃やされた」と証言しています。
国の責任を問う裁判の係争中でもあり、多くを語るつもりはあり
ませんが、これまで数々のラジオドキュメンタリー制作に関わっ
た経験から思うのは、裁判に訴えるということは誰も、そのよう
にしたいと思っていないということです。
しかし、そうした手段を取らざるを得ないのは、実態を知っても
らうためという理由がほとんどです。Nさんのお母さんは教官に
は言わないで欲しいという息子の強い要望があったのもかかわら
ず教官に相談してしまったことで、さらなる暴力という名の指導
を誘発してしまったとひどく悔やんでいます。下痢や嘔吐が止ま
らなくなって休学し、痩せ細って帰って来た息子が毎日悪夢にう
なされて机の下に潜り込む、そんな姿を見て平気でいられる親は
いないでしょう。また、その間に息子さんの遺影のような写真が
lineで送られてくるという出来事もあったようです。
Nさんが自衛官を目指そうと思ったきっかけは、2009年に発生
した九州地方での豪雨で避難所にいた時、中学生だったNさんたち
に毛布を差し出してくれた自衛官への感謝の気持ちからだったと
いいます。地元の空手やマラソン大会で優勝するなどスポーツが
得意だったNさんは、自身をもっと鍛えて助けを求める人を救いた
いと考えたのです。そのように、ひとりの中学生の心を動かした
当時の自衛官を、数人の防大生が裏切るような結果になってしま
いました。
現在、弁護士を目指して勉強をしているというNさんは言います。
「この裁判が防大の悪しき伝統を次の世代の若者たちに引き継が
せない、断ち切ることに繋がるように司法における公正な判決を
下して頂けることを信じ願っています」と。いじめと言っていい
指導を繰り返した先輩もまた同じ経験をして変わってしまったに
違いない・・・、という言葉も番組では紹介されていました。
辛い思いをして憧れた制服を脱いだのだから、自衛隊はダメだ、
いじめた人を辞めさせるべき、といった批判はいくらでもできた
でしょう。しかし、Nさんのコメントは「希望ある未来を示して
ください」と締めくくられており、それを関係者は重く受け止め
ることになるはずです。
Nさん親子の勇気ある告発が、現在のあるいは未来の幹部自衛官
にとって実りあるものとなるように強く祈っています。
<おしらせ>(1)
『自衛官が語る災害派遣の記録』(並木書房)が書店にない場合
は、お店にリクエストして頂けるとありがたいです!どうぞよろ
しくお願い申し上げます。
<おしらせ>(2)
YouTubeチャンネルくららで毎週土曜にアップしている「国防ニュ
ース最前線」、今回も続伊藤俊幸・元呉総監の解説です!
http://www.chclara.com
(つづく)
(さくらばやし・みさ)
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。
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