こんにちは、エンリケです。
F-4の記事2回目です
わがF-4部隊の変遷がよくわかります。
「センター」の例えには、思わず笑ってしまいました。
さっそくどうぞ
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (226)
― 航空自衛隊ファントムの軌跡(2)―
渡邉陽子
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〇〇さま
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■航空自衛隊ファントムの軌跡(2)
ファントムは1971年に2機を完成輸入し、続く11機を三菱重
工業でノックダウン生産、127機をライセンス生産により国産と
しました(ファントム4のライセンス生産が許可されたのは日本だ
けです)。
装備総機数は当初104機でしたが最終的には140機となり、さ
らに1974年には偵察機RF-4Eを14機輸入。1981年に
生産終了するまでに合計154機を調達しました。
2019年3月現在、航空自衛隊に所属する戦闘機の中でもっとも
古い機種です。
米本国でも20年以上前に退役している機種が、なぜ日本では今な
お現役の戦闘機として運用できたのか。
それは三菱重工によるライセンス生産で、国内での部品生産や整備
が可能だったという点が大きいです。
もしもファントム全機がすべての部品を輸入して組み建てだけを日
本で行なうノックダウン生産だった場合、ここまで長期の運用は難
しかったでしょう。
1973年に百里で第301飛行隊が創設されたのを皮切りに、1
974年に第302飛行隊(千歳)、1976年に第303飛行隊
(小松)、1977年に第304飛行隊(築城)、1978年に第
305飛行隊(百里)、1981年に第306飛行隊(小松)と6
個飛行隊が新編され、ファントムはF-15Jが導入されるまで日
本の防空を担う主力戦闘機として運用されました。また、偵察柄の
RF-4E(Rは偵察Reconの頭文字です)は第501飛行隊(百里)
にRF-86Fの後継機として配備されました。
ところが1986年にF-104Jが実戦部隊から退役してからは、
空自の防空任務はF-4EJではなくF-15Jが主力戦闘機とな
ります。下世話な言い方をすれば、これまで日本の防空を担うファ
ントム様と崇められてきたのが、第4世代のイーグルの登場によっ
て「ファントムさんはもう古い機種なんで」と、センターのポジシ
ョンから降りることになったわけです。
第303~306の各飛行隊は順次F-15Jに機種更新(第30
6飛行隊は小松から三沢へ移動)、第302飛行隊は千歳から那覇
へ(1987年12月9日、ソ連軍の偵察機が沖縄上空で領空侵犯
をした際に自衛隊初の実弾警告射撃をしたのが、当時那覇基地に所
在していた第302飛行隊のファントムです)、第301飛行隊は
百里から新田原に移動。さらに2009年には北海道から沖縄へ移
動していた第302飛行隊が、2016年には第301飛行隊が百
里に移動。偵察部隊の第501飛行隊と合わせ、空自のファントム
部隊すべてが百里に集結するというファントムネストが誕生したの
です。
しかし、時代はすでに第5世代。第301飛行隊・第302飛行隊
は百里基地でアラート任務に就きスクランブルも行なってきました
が、そもそも2018年1月から三沢基地へ配備されているF-3
5Aはファントムの代替機として導入されたもの。両飛行隊は第3
世代のF-4EJからF-35Aへ機種転換することが決まってお
り、2020年度までにはすべてのファントムが退役することにな
っています。
(以下次号)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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