こんにちは、エンリケです。
思うところ多々ありますね。
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エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (223)
― 陸上自衛隊第14旅団協同転地演習(3)―
渡邉陽子
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〇〇さま
こんばんは。渡邉陽子です。
読売新聞に「海自艦 災害時病院船に 20年度にも ヘリ搬送、
応急処置」 という記事が出ました。南海トラフ巨大地震などの大
災害が起きた際、海上自衛隊の艦艇を災害時多目的船(病院船)と
して、被災地の医療機関が被害を受けた場合洋上から病院機能をバ
ックアップ。いずも型とひゅうが型の護衛艦、そしておおすみ型輸
送艦の計7隻のうち1~2隻を被災地に投入するという構想です。
記事には「病院船は、東日本大震災をきっかけに導入が検討されて
きた。震災当時は岩手、宮城、福島の被災3県の計380病院のう
ち300の病院が全壊・一部損壊し、患者の受け入れを制限したと
ころも少なくなかったためだ。米国や中国、ロシアは病院船に特化
した艦船を保有している。しかし、新たな病院船は建造費や維持管
理費がかさむため、国内での導入は断念した。カーフェリーなどの
旅客船の活用も、借り上げに時間がかかるといった理由で見送った」
ともありました。
阪神淡路大震災で得た苦い教訓が、国や自治体、自衛隊の意識を変
え、法も改正されました。そのおかげで、東日本大震災では自衛隊
により多数の命が救われました。しかしやはり、反省や課題があり
ました。
日本から自然災害がなくなることはありません。その被害をいかに
最小に止めるか、それを追求するための検討や努力にゴールはない
と改めて感じています。
■陸上自衛隊第14旅団協同転地演習(3)
呉基地における車両搭載訓練は天候が危ぶまれていたのですが、当
日は朝まで降っていた雨も上がり、日中は時には晴れ間が見えるよ
うなこともありました。
ところがその後、呉市の天候は一変。「おおすみ」が出航後は大雨
特別警報が発表され、広島県知事から災害派遣要請が出るほどの豪
雨となるのです。そう、西日本に甚大な被害をもたらした「平成30
年7月豪雨」です。
ちなみに私はカメラマンの車に便乗させてもらい現地に行ったので
すが、往復とも名神や山陽の高速では局地的にかなり激しい雨が降
りました。けれど帰宅した翌日には局地的どころの話ではなく山陽
道が全線通行止めになってしまいましたから、1日ずれていたら大
変な事態になっていたと思います。
揚陸先の静岡県沼津市も荒天が続いており、7日に揚陸作戦ができ
ない可能性もありました(8日が予備日に当てられていました)。
幸い7日の揚陸訓練時には雨が降ることもなく、海はやや白波が立
っていたもののLCACの運航は可能ということで、訓練は予定通
り実施されました。
ただ、全車両の揚陸が終了し、各車両が国道へ展開する頃にはかな
り強い雨が降っていたことを考えると、今回の14旅団は「肝心な
ところでは雨が降らない」という幸運に恵まれていたといえるかも
しれません。
また余談ながら、呉から沼津までの道中はほとんど荒天だったはず
なので、「おおすみ」は相当に揺れたはずです。海自の隊員にとっ
ては日常茶飯事の揺れだったかもしれませんが、陸自の中には船酔
いで苦しんだ隊員がいたかもしれません。というよりも、間違いな
くいたことでしょう。
同時期に協同転地演習を実施している13旅団が展開した北海道は
演習場環境に恵まれているため(中部方面隊のエリアには大規模の
演習場が少ないのです)、大規模部隊で実動訓練を行なえたり、F
H70の射撃訓練も行なえたりといった利点があります。
一方、14旅団の展開先はLCACによる揚陸訓練が本土で唯一行
なえる貴重な海岸(傾斜が6度を超えない平坦な砂浜、かつ海中は
急深等の条件があります)を擁する訓練場です。
2018年3月の陸自改編により、第14旅団には第15即応機動
連隊が発足しました。南西諸島の離島防衛において、最初に展開す
る水陸機動団を増援するのが即応機動連隊であることを考えると、
ここでの揚陸訓練はまさに現在の14旅団にふさわしい訓練場とい
えます。
ここで15即機連について少し触れておきます。
即応機動連隊とは、機動力と戦闘力を高めるため、従来の普通科連
隊を改編して諸職種(普通科・特科・機甲科・高射特科など)をひ
とつのパッケージにまとめて即応力を高めた、これまでの陸自には
なかった新しい概念の部隊です。
昨年3月の陸自改編によって、8師団の第42普通科連隊と14旅
団の第15普通科連隊が初の即応機動連隊となりました。
改編前の14旅団は15連隊、14特科隊、14戦車中隊等で編成
されていましたが、改編後は旅団隷下に15即機連があり、機械化
された連隊は本部管理中隊、3個普通科中隊、1個機動戦闘車隊、
120mm重迫撃砲等を装備する1個火力支援中隊等で構成されてい
ます。
「おおすみ」に搭載されるのもLCACで揚陸するのも今回が初と
いう16式機動戦闘車隊は、旅団にあった戦車に代わる装備品とし
て、15・42即機連発足時に部隊配備されました。
装輪の装甲車に戦車砲を搭載し、高速道路を時速100kmで走行でき、
軽量化により空自輸送機C2による空輸も可能、離島などの遠隔地
にも迅速に展開できます。車体の上に搭載された105mm砲は、7
4式戦車と砲弾を共有できます。なお、74式戦車を扱っていた部
隊が最新ハイテク車を運用することになります。さらに諸職種協同
部隊になったことで、普通科・特科・機甲科そろっての訓練がやり
やすくなるというメリットもあります。
(以下次号)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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