配信日時 2019/02/08 20:00

【加藤大尉の軍隊式英会話】◆「最新兵器の一騎討ち ──F-16戦闘機 vs グリペン戦闘機(3):火力

───────────────────
ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官
でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽にどうぞ
 
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp
────────────────────
こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出ました。
今回はAK-47です。

『AK-47ライフル』
G.ロットマン (著), 床井 雅美 (監修), 
加藤 喬 (翻訳)
http://amzn.to/2FVniAr
※大好評発売中


加藤さんの

<北朝鮮が米国にとって無害になれば、親中・反米傾
向強めつつある韓国にも長居は無用。トランプ氏は越
境攻撃に脆弱な在韓米軍の撤退を模索します。とすれ
ば・・・米国が進める対中戦略の最前線が日本になる
事態もあり得るわけです。与野党がいまのうちから真
剣に考慮すべき近未来シナリオだと思います。>

との言葉は重いですね。

韓国に痛快な態度を示すことにばかり汲々とする
朝野の姿を見て正直暗然たる思いです。

対馬海峡に最前線が下りてきたとき、
わが国は核武装せざるを得ません。
その準備と覚悟と備えはできているのでしょうか?


さっそくどうぞ。


エンリケ


追伸
ご意見ご質問はこちらから
https://okigunnji.com/url/7/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
加藤大尉の軍隊式英会話     Takashi Kato

◆「最新兵器の一騎討ち
 ──F-16戦闘機 vs グリペン戦闘機(3):火力」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□今週の「トランプ・ツイッター」

 世の中には日米が共有する価値、たとえば道理や信義、思いや
り、誠実といった「徳」が通じない国があります。これらの国々
が理解するのは武力のみ。したがって、協調主義に傾斜し力の外
交を疎(うと)んじたオバマ大統領は足元を見られる傾向があり
ました。

 中国が太平洋に対する覇権野望を隠さなくなったのも、北朝鮮
が核爆弾と弾道ミサイルの開発に踏み切ったのも、オバマ氏の
「戦略的忍耐」が誤ったメッセージを送ったからだと考えられま
す。

 先の米朝会談後、北朝鮮の非核化が滞っているとの批判が内外
にあります。しかし少なくとも、彼の国が核実験と弾道ミサイル
発射を凍結しているのは事実。米歴代政権が成しえなかった成果
は、2017年11月、3つの空母打撃群と戦略爆撃機を極東に
集結させ「すべての選択肢がテーブルの上にある」と迫ったトラ
ンプ流砲艦外交が効いている証左です。

 米朝会談後、日を置かずして金正恩委員長と親書をやり取りす
る間柄になり「気まぐれ」と揶揄されるトランプ大統領ではあり
ますが、実はこれ、相手を混乱・当惑させて気勢を削ぐ交渉戦術。
予測不能なうえ「十倍返し」を信条とするワイルドカード・プレ
ジデントが相手では、得意の瀬戸際外交カードも怖くて切れない。
これが北朝鮮の本音でしょう。

 中国やロシアはもとより、韓国も陰で制裁破りに加担している
とされる現状では、北朝鮮非核化の先行きは不透明だと言わねば
なりません。しかし、この破天荒な大統領は米国の安全と国益に
全政治生命をかけています。マスコミと主流社会から長年にわた
り泡沫候補と愚弄された末、ついにホワイトハウスを射止めた
「奇跡の男」ならやり遂げるでしょう。

 ちなみにトランプ政権は、米軍将兵が多大な犠牲を払ったシリ
アとアフガニスタンからの地上部隊撤退を検討しています。北朝
鮮が米国にとって無害になれば、親中・反米傾向強めつつある韓
国にも長居は無用。トランプ氏は越境攻撃に脆弱な在韓米軍の撤
退を模索します。とすれば・・・米国が進める対中戦略の最前線
が日本になる事態もあり得るわけです。与野党がいまのうちから
真剣に考慮すべき近未来シナリオだと思います。

 本日のトランプツイッター、キーワードは Time will tell。
「時間がたてば分かる」「しばらくしてみないと分からない」と
言う慣用句です。

...Time will tell what will happen with North Korea, but 
at the end of the previous administration, relationship 
was horrendous and very bad things were about to happen. 
Now a whole different story. I look forward to seeing Kim 
Jong Un shortly. Progress being made-big difference!

「北朝鮮との一件がどうなるかは、しばらく時がたってみないこ
とには分からない。しかし前政権当時、米朝関係は見るも悲惨な
有様で、一触即発の状態だった。それが今、完全に変わった。ま
もなく行なわれる金正恩との再会談を心待ちにしている。事態は
進展しており、この違いは大きい!」

 それでは本編に入りましょう。

 F-16はもともと軽量戦闘機(lightweight fighter)。全幅約9.5
メートル、全長約15メートル、自重約8.2トンと小兵ですが、度重
なる近代化改修によって装備できる兵装は多様です。

 空対空ミサイルは定番のAIM-9サイドワインダーに加え、オフボ
アサイト射撃能力(ミサイル発射後に敵機に照準を合わせること
ができるので、横にいる敵も攻撃可)をもつイスラエル製のパイ
ソンも使用可能。空対地ミサイル(air-to-surface missile)と
対艦ミサイル(anti-ship missile)のほか、レーザー誘導爆弾
(laser guided bomb)やクラスター爆弾(cluster bomb)も搭載
できます。また、右側主翼の付け根に20ミリバルカン砲 
(Vulcan cannon)を固定装備しています。

 グリペンは、F-16よりさらにコンパクトな機体で、自重も約7ト
ンに過ぎません。しかし、サイトワインダーやパイソンなどの視
程内射程(Within Visual Range: WVR)ミサイルのほか、視程外
射程ミサイル(Beyond Visual Range: BVR)のAIM-120アムラム
とミーティアや空対地巡航ミサイル(air-to-surface cruise missile)、
対艦ミサイル、精密誘導爆弾などを搭載し多様な任務をこなすこ
とができます。固定武装は口径27ミリのリボルバー式機関砲
(revolver cannon)で、空対空および空対地攻撃に使えます。

教材ビデオ:
https://www.youtube.com/watch?v=B9SjyVXfz7k&list=WL&index=19

(火力の比較は7:19から始まります)

基本語彙(カタカナ発音表示はおおざっぱなものです)

Integrated with(インテグレイト ウィズ)統合装備する
Armed with(アームド ウィズ)?で武装した

シナリオ(カウンターを 8:33に合わせてください)

The Gripen II can also be integrated with a number of 
guided and unguided air-to-surface weapons. 
(グリペンIIはまた、多数の誘導および非誘導空対地兵装を装備
できる)

The aircraft is also armed with 27 mm high velocity gun 
providing both air-to-air and air-to-surface attack 
capability.
(同機は砲口初速の高い27ミリ機関砲で武装しており、空対空と
空対地攻撃能力がある)

英語一言アドバイス:
armed with 日本語になっている「アーム」は腕を指しますが、
英語には「武器」という意味もあり、「武装する」という動詞と
しても使えます。armed withは「?で武装している」になります。
「拳銃/刀で武装している」は “armed with a handgun/sword”
です。

発音サイト 
armed with a handgunの発音:
https://www.howtopronounce.com/armed-with-a-handgun/
armed with a sword: https://www.howtopronounce.com/armed-with-a-sword/

参考サイト
サーブ39グリペン 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%96_39_%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%9A%E3%83%B3

F-16ファイティング・ファルコン
https://ja.wikipedia.org/wiki/F-16_(%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F)



加藤喬(たかし)


●著者略歴
 
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。アラスカ
州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省外国語学校
日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―ある“日本
製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、『名誉除隊』
『加藤大尉の英語ブートキャンプ』『レックス 戦場をかける
犬』『チューズデーに逢うまで』『ガントリビア99─知られざ
る銃器と弾薬』『M16ライフル』『AK―47ライフル』(いず
れも並木書房)がある。 
 
 
追記
『AK-47ライフル』
http://amzn.to/2FVniAr
※大好評発売中

『M16ライフル』発売中♪
http://amzn.to/2yrzEfW

『ガントリビア99』発売中!
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633456/
 
『アメリカンポリス400の真実!』発売中
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633405
 
『チューズデーに逢うまで』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063326X
 
『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X 
 
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
 ⇒ https://okigunnji.com/url/7/
 
 
---------------------------------------
 
日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専門用語があ
ります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日本人が自衛
隊のブリーフィングに出たとしましょう。「我が部隊は1300時
に米軍と超越交代 (passage of lines) を行う」とか「我が
ほう戦車部隊は射撃後、超信地旋回 (pivot turn) を行って離
脱する」と言われても意味が判然としないでしょう。
 
 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」は
 "Repeat" ではなく "Say again" です。なぜなら前者は
砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに使う言葉だからです。
 
 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍では建物の
「階」は日常会話と同じく "floor"ですが、海軍では船にちな
んで "deck"と呼びます。 また軍隊で 「食堂」は "mess 
hall"、「トイレ」は "latrine"、「野営・キャンプする」は 
"to bivouac" と表現します。
 
 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取りあげ、
軍事用語理解の一助になることを目指しています。
 
加藤 喬
----------------------------------------
 
 
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個人情報を伏
せたうえで、メルマガ誌上及びメールマガジン「軍事情報」が
主催運営するインターネット上のサービス(携帯サイトを含む)
で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承くださ
い。


最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。

-----------------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)

メインサイト:
https://okigunnji.com/

問い合わせはこちら:
https://okigunnji.com/url/7/

メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に置
き換えてください) 
------------------------------------------
 

配信停止はコチラから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
 
----------------------------------
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権はメー
ルマガジン「軍事情報」発行人に帰属し
ます。

Copyright (C) 2000-2018 GUNJIJOHO All rights reserved.