こんにちは、エンリケです。
<あまり憲法改正に凝り固まってしまうようなことも、
私としては心配です。>
に同感ですね。
さっそくどうぞ
エンリケ
追伸
桜林さんの意外な素顔が垣間見れます。
ほっこりした気分になれたのはなぜでしょう?
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桜林美佐の「美佐日記」(12)
偏差値が高い大学ほど「憲法改正」に反対?
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、
女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』
は今回で12回目です。
昨日、長崎に行ってきました!強行軍で、朝から博多まで車と電
車とバスを乗り継いで行き九州の経営者の皆さん向けのセミナー
で講演、そしてそのまま博多駅から特急に乗り長崎へ。
夜まで時間があったので市内観光に案内して頂いた後に大学生た
ちとお話しし、長崎大学で講演してまた特急に乗って帰路につく
という1日でした。
私は「現場が大好き」で、寸時を惜しんででも多くの場所に足を
運びたがっている、と思われていることがよくあるのですが、実
際は全く逆で、お出かけするのは最低限がいいタイプ(どんなタ
イプじゃ)。
なので、このような過密スケジュールの日があるとグッタリしま
す。そう、今まさにこの日記をグッタリした状態で書いておりま
す。何がグッタリするって、人と話をすることです。これは何人
かの人に気づかれているようですが、私は人とお話しすることも、
人のお話しを聞くことも決して得意ではありません。
では、何なら得意かというと「猫と話をすること」です。猫だっ
たらいつまでも話ができます。
長崎大学のキャンパスにはかなり多くの猫がいるらしく、ちょっ
と歩いただけで何匹もすれ違いました。普段なら、「にゃーにゃ
ー」と猫語で話しかけるところですが、大学生に猫語ができるこ
とを悟られてはいけないので、仕方なく人間の言葉で話しかけま
した。
そんなわけで、普段使いのニャー語ではなく、1日中とおして人
間の言葉を話し続けたため、脳疲労は半端ではなく、頭が痛くな
ったのです。
その猫たちがくつろいでいる横に講演会の看板が立てられていま
した。「桜林美佐トークライブ 6000人の自衛官と話をした
美人キャスター」などと書かれています。「ちょっとちょっと、
これ何? 6000人の自衛官ってどこから出てきたの??」と狼
狽する私に、学生たちは「さあ?」「どこかに書いてあったみた
いです」などと首をかしげるばかり。主催の学生も講師紹介コメ
ントで「6000人」を強調していたので、「まあ、延べ人数で
すかね・・・、それくらいは、いってるかもしれませんね・・・」
などと、話を合わせるしかありません。そんなにたくさんの人間
とはお話しできない私なのですが・・・。
一方、学生たちは真面目で優秀で、今回の講演のテーマは「憲法
について考える」ということでした。そして自衛隊の役割につい
て多くの人に知らせる必要性があると、全国の大学の学食に潜入
し、憲法への自衛隊明記について、その是非をアンケートしたの
だそうです。
まだ調査は継続中ということでしたが、現在のところ多くの主要
な大学生が8割以上「賛成」と答える中で、東大生だけが目立っ
て賛成が少なく、国防について意見を求めると国を守るために戦
うなど考えられない、早々に降伏すべきといった回答が多かった
のだとか。
仮に、偏差値が高い大学ほど、そのような考えの学生が多い傾向
が認められたなら、学歴社会は日本の防衛に何ももたらさないば
かりか、障壁になりますね。
また、調査を実行した学生たちは、取りつく島のないような相手
でも「まあ、ちょっと話を聞いて下さい」と憲法改正についても
っと関心を持ってもらうべく、自衛隊の活動についての話をして
回ったそうです。その結果、回答を変えた学生も少なからずいた
ようです。
あまりにも偉いので、私は頭がクラクラしてしまいました。しか
し、大学も含めた教育現場では依然として自由奔放な「平和教育」
が横行しているようで、たとえば長崎では被ばく者の方が授業を
して「憲法を変えると戦争になるので阻止しましょう」「徴兵制
になって学生さんたちも兵隊に取られます」などと教えていると
いいます。それだけに、正しい情報を知ってもらうのは大変重要
なわけです。
とはいえ、あまり憲法改正に凝り固まってしまうようなことも、
私としては心配です。講演後の質疑応答では「防衛費が足りない
原因は憲法と関係ありますか?」とか「領海侵犯しても何もでき
ないのは憲法のせいですか?」といった質問がありました。もち
ろん、いずれも憲法の問題ではありません。政治判断が最後は左
右するということも知ってもらわなくてはなりません。
ところで、講演の中で少し「長崎事件」の話をしましたが、皆さ
ん知らなかったようです。
これは、明治19年に「定遠」「鎮遠」など4隻からなる清国の
北洋艦隊が何の予告もなく無許可で長崎に入港し、500人もの
水兵が上陸した事件です。
集団で遊郭に入ろうとしたものの断られると建物をめちゃくちゃ
に破壊し、その翌日も300人もの集団で上陸、こんどは各所で
警官を刀で襲いかかったというのです。傍若無人の狼藉に我慢し
かねた市民との間で大乱闘となり、清国水兵にも死者が出ました
が、長崎の警官や市民が殺害されました。
石光真清の『曠野の花』には当時の様子が描かれていて、「市民
は戸を固く閉ざしてふるえあがり、一日も早く艦隊の去ることの
みを祈った・・・」とあります。
この事件は長崎の人々の記憶に深く残ることになり、のちの日清
戦争の遠因になったと聞いたことがありましたが、もはや「深く
記憶に残って」いたのも過去の話となったようです。
当時の日本はまだ清国に抗するほどの軍事力が整備されていなか
ったため、「ふるえあがり」「去ることを祈る」しかありません
でした。
現在の中国も軍事力が右肩上がりですから、日本が手を抜いて、
あるいは米軍の存在が縮小されるなどで力の均衡を崩すとどのよ
うなことになるか、歴史は教えてくれています。
真実の歴史が教えられない、個人の感想が事実として語られる、
ということはなんと恐ろしいことなのだろう・・・そんなことを
考えさせられる長崎紀行となったのでした。
<おしらせ>
YouTubeチャンネルくらら『国防ニュース最前線』は毎週土曜の夜
にアップデートされています。1月26日は伊藤俊幸・元海将の
解説です。
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(つづく)
(さくらばやし・みさ)
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、
ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを
中心に取材・執筆。著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続け
た海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語ら
なかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守
れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わら
ないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』
(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出
版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワ
ニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を連載。
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