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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官
でもあります。
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http://wos.cool.coocan.jp
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こんにちは。エンリケです。
加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出ました。
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エンリケ
追伸
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加藤大尉の軍隊式英会話 Takashi Kato
◆「最新兵器の一騎討ち(10)
──ユーロファイター・タイフーン対SU-35:結論」
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□今週の「トランプ・ツイッター」
米国では、昨年末から連邦政府機関の一部閉鎖が続いています。
「選挙公約である国境の壁の建設を実現させる」とするトランプ
大統領と、「壁は実効性がない」と主張する民主党重鎮らの対立
が原因です。給与遅配の対象となる政府職員80万人の反発は必
至。きわどい政治的危険を冒してまで、大統領が譲らないのはな
ぜでしょうか?
麻薬の流入、不法移民による殺人や暴行強姦といった「いまそ
こにある危機」の根絶に加え、独立国の矜持がトランプ氏の動機
になっていると思います。
固有の言語、歴史と伝統、食文化を含む風俗習慣などは国家と
国民をまとめる箍(たが)。これらを物理的に守るものが国境で
す。国境がなくなって人の出入りが無制限になれば、早晩、国の
箍が外れてしまいます。これをグローバル化とか多様化と呼んで
暢気(のんき)に構えるのは誤りです。人々のアイデンティティ、
すなわち共通の価値観で結ばれた帰属感や同胞感が損なわれてし
まいます。
海という天然の障壁に守られてきた日本は、陸続きで外国と接
する大陸や半島の国々に比べ「国境意識」が希薄です。しかし、
いよいよ多くの外国人が定住・帰化する時代が目前に迫っていま
す。祖先が長年育んできた類まれな文化、たとえば爽やかで清く
はっきりしたものを貴ぶ「さやけしの心」を守る、見えない国境
も必要なのではないか・・・昨今、陸続きのメキシコを眺めなが
らそんな思いに駆られます。
本日のトランプのツイッター、キーワードは humanitarian crisis。
麻薬組織や不法移民による犯罪を「人道の危機」と呼んだもので
す。週末を地元に帰って過ごす民主党議員らに向けられたツイッ
ターは、トランプ氏の真摯な訴えかけでしょう。
Democrats should come back to Washington and work to end
the Shutdown, while at the same time ending the horrible
humanitarian crisis at our Southern Border. I am in the
White House waiting for you!
「民主党議員の諸君は政府閉鎖を解消するため首都ワシントンに
戻るべきだ。それは同時に、南部国境で起きている恐ろしい人道
危機を終わらせることでもある。わたしはこの瞬間もホワイトハ
ウスで待っているぞ!」
それでは本編に入りましょう。
有視界外戦闘(Beyond Visual Range)では、ユーロファイター
が上昇性能(climbing performance)と高高度巡航超音速能力
(high altitude super cruising)でスホイ35を凌駕していま
す。より高い位置からより速い速度で中距離ミサイルを撃つ一撃
離脱戦法をとれば、ユーロファイターの勝ちでしょう。しかし先
制攻撃が失敗しドッグファイトにもつれ込んだ場合、スホイ35
のスーパー空戦機動(supermaneuverability)が有利だと考えら
れます。
両戦闘機とも、ヘルメット搭載照準器で敵機を見るだけでミサ
イルを発射できる「オフ ボアサイト」機能を持ち、また搭載さ
れているミサイルは極めて高い機動性を有し、いったん発射され
たら回避が困難です。
では現実にはどちらが勝利するのか? 本ビデオの示唆すると
ころは「相討ち」(mutual kill)です。得意分野はことなるもの
の、全般的にほぼ同等の性能を持つ戦闘機同士が戦うのですから、
パイロットの練度、実戦体験、技能が勝敗のカギを握ることにな
るのでしょう。
教材ビデオ:
https://www.youtube.com/watch?v=zb_ni5-ZKhw&index=16&list=WL
(両機の最終比較は9:23から始まります)
基本語彙(カタカナ発音表示はおおざっぱなものです)
Mutual kill(ミューチュアル キル)相討ち
Situation(シッチュエーション)状況 状態
シナリオ(カウンターを 8:30に合わせてください)
So it could be a mutual kill situation for both fighter jets.
(したがって、双方の戦闘機にとっては相討ち状況になりえる)
英語一言アドバイス:
mutualは「お互いの」「相互の」という意味です。米ソは冷戦時
代、仮に先制核攻撃を受けても核報復能力を温存することで相手
国を確実に破壊する政策をとっていました。この「死なばもろと
も」戦略によって、両超大国は全面的な軍事衝突を避けていたの
です。Mutual Assured Destruction(相互確証破壊)と呼ばれ、
頭字語はいみじくもMAD(狂気)でした。
発音サイト:
Mutual Assured Destruction(MAD)の発音(三番目の発音を聞い
てください)
https://www.howtopronounce.com/mutual-assured-destruction/
参考サイト
ユーロファイター・タイフーン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%BC_%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%B3
スホイ-35戦闘機
https://ja.wikipedia.org/wiki/Su-35_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
Mutual Assured Destruction(MAD)相互確証破壊:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E4%BA%92%E7%A2%BA%E8%A8%BC%E7%A0%B4%E5%A3%8A
加藤喬(たかし)
●著者略歴
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。アラスカ
州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省外国語学校
日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―ある“日本
製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、『名誉除隊』
『加藤大尉の英語ブートキャンプ』『レックス 戦場をかける
犬』『チューズデーに逢うまで』『ガントリビア99─知られざ
る銃器と弾薬』『M16ライフル』『AK―47ライフル』(いず
れも並木書房)がある。
追記
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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
『レックス 戦場をかける犬』発売中
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『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320
オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
加藤さんが監訳され、大反響を巻き起こしている
『チューズデーに逢うまで─介助犬と帰還兵の深い絆』
の映画化が決まりました!!
http://okigunnji.com/url/j06kg2eq/
監訳者の加藤喬さんが全4回にわたり
『チューズデーに逢うまで─介助犬と帰還兵の深い絆』
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きょうの記事への感想はこちらから
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専門用語があ
ります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日本人が自衛
隊のブリーフィングに出たとしましょう。「我が部隊は1300時
に米軍と超越交代 (passage of lines) を行う」とか「我が
ほう戦車部隊は射撃後、超信地旋回 (pivot turn) を行って離
脱する」と言われても意味が判然としないでしょう。
同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」は
"Repeat" ではなく "Say again" です。なぜなら前者は
砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに使う言葉だからです。
兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍では建物の
「階」は日常会話と同じく "floor"ですが、海軍では船にちな
んで "deck"と呼びます。 また軍隊で 「食堂」は "mess
hall"、「トイレ」は "latrine"、「野営・キャンプする」は
"to bivouac" と表現します。
『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取りあげ、
軍事用語理解の一助になることを目指しています。
加藤 喬
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