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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官
でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽にどうぞ
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hirafuji@mbr.nifty.com
WEB
http://wos.cool.coocan.jp
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こんにちは。エンリケです。
加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出ました。
今回はAK-47です。
『AK-47ライフル』
G.ロットマン (著), 床井 雅美 (監修),
加藤 喬 (翻訳)
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※大好評発売中
マティスの辞任がもたらす影響は、
加藤さんのご指摘通りと思います。
危険度が増しますね。
軍事はお上がやることで庶民とは無縁です。
と考え、口にする軍事無関心日本人が増えるたび、
わが国は弱くなり、他国の介入を許し、
結果、庶民は貧しくなり、最後のババを引か
されることになります。
さっそくどうぞ。
エンリケ
追伸
ご意見ご質問はこちらから
http://okigunnji.com/url/169/
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加藤大尉の軍隊式英会話 Takashi Kato
◆「最新兵器の一騎討ち(8)
──ユーロファイター・タイフーン対SU-35:火力比較2」
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□ご挨拶
2018年が足早に過ぎ去ろうとしています。
ひるがえって日本を取り巻く情勢に目を向けると、米中対立の
顕著化に米ロ冷戦構造の復活、先が見通せない北朝鮮非核化問題、
ハードルが上がる一方の北方領土返還交渉など、難題が目白押し
です。
軍事面でも反日路線に舵を切った韓国との関係はもはや修復不
能でしょうし、トランプ政権のブレーキ役といわれたマティス国
防長官が年明け早々に辞任することで、ワイルドカード大統領の
行動がいよいよアメリカ第一主義に傾く可能性大です。来年は、
日本が真の独立国としての胆力と矜持を問われることになるので
はないかと思います。
今年も「加藤大尉の軍隊式英会話」をご愛読いただき感謝の念
にたえません。2019年も読者の方々の軍事情勢判断の一助に
なるメルマガを目指していきます。引き続きよろしくお願いしま
す。
良いお年をお迎えください。
加藤 喬
アリゾナ州ハーフォードにて
□今週の「トランプ・ツイッター」
1950年代に提唱されたドミノ理論は、ある国が共産主義化
すると近隣諸国も次々に倒れるドミノのように共産化するという
考え方です。アメリカのベトナム戦争介入を正当化する理論とし
て使われました。類似した考え方は、フセイン政権を打倒するこ
とでイラクが民主化し、そのドミノ現象が中東全域に広がるとの
希望的観測も生みました。しかし、いずれの場合もアメリカは戦
争の泥沼に引きずり込まれ、多大な人的・財政的損失を被る結果
に終わっています。
敵対する主義主張を封じ込めるにせよ、民主主義を世界中に伝
播するにせよ、異なる価値観を持つ人々を軍事力のみで変えるこ
とはできない。高い代償を払って学んだこの教訓を、トランプ大
統領は肝に銘じているのでしょう。世界の警察官という超大国の
役割を返上し、国益第一主義を打ち出した背景でもあるはずです。
この視点から捉えるなら、トランプ氏の「シリア撤退宣言」は
既定路線。過激派組織「イスラム国」壊滅という具体的目標を達
成した以上、誰が何のために誰と戦っているのかすら判然としな
いシリア内線から一刻も早く手を引くことが、米軍将兵の犠牲を
回避し国益にもかなうという判断です。
米軍撤退後の政情不安を憂う声や、撤退発表がマティス国防長
官の辞任につながったという報道が聞かれますが、ベトナムとイ
ラクの二の舞を避けたいとするトランプ氏の決断は妥当だと、わ
たしは思います。
今年最後のトランプツイッター、キーワードは appreciate。
「感謝する」「評価する」という意味です。
Does the USA want to be the Policeman of the Middle East,
getting NOTHING but spending precious lives and trillions
of dollars protecting others who, in almost all cases, do
not appreciate what we are doing? Do we want to be there
forever? Time for others to finally fight.....
「アメリカは中東地域の警察官になりたいのか? 他国を守るた
めに貴重な人命と何兆ドルもの金を費やしながら見返りはゼロ。
しかもほとんどの場合、わが国の犠牲と貢献は感謝されることが
ない。いつまでも駐留するのが良いのか? いや、いまこそ(米
国が撤退し)ほかの連中に戦わせるべき時だ・・・」
それでは本編に入りましょう。
スホイ35にはハードポイントが14か所あり、空対空ミサイルや
対地攻撃用兵器を多様な組み合わせで装備することができます。
ユーロファイターとの仮想空中戦(hypothetical dogfight)で
は、長距離ミサイル、中距離ミサイル、短距離ミサイル、そして
固定装備の30mm機関砲を使用することになります。スホイ35が秀
でる有視界ドッグファイトでは、ことに赤外線追尾誘導のR74ミサ
イルが威力を発揮します。同ミサイルには推力偏向コントロール
能力(thrust vectoring capability)があり、ロケット噴射の
方向を変えることで旋回半径を極めて小さくできます。敵機から
見れば、いったん発射されると振り切ることが難しいということ
です。そのうえ、照準(targeting)には機首を敵機に向ける必
要がなく、ヘルメットに装備された光学照準器で相手を見るだけ
で発射準備完了です。この機能はオフ・ボアサイト(off boresight)
と呼ばれています。
教材ビデオ:
https://www.youtube.com/watch?v=zb_ni5-ZKhw&index=16&list=WL
(スホイ35の飛行シーンは8:13から始まります)
基本語彙(カタカナ発音表示はおおざっぱなものです)
Infrared(インフラレッド)赤外線
Off boresight(オフ ボアサイト)銃腔軸を照準に合わせる必要
がないの意
シナリオ(カウンターを 8:30に合わせてください)
For short range engagements, the R74 infrared guided missile
is capable of targeting off boresight that means the pilot
can shoot down his opponents by simply looking through a
helmet-mounted optical sight.
(近距離での空中戦では、赤外線追尾型のR74ミサイルがある。こ
れはオフ・ボアサイト、つまり、ヘルメットに装着した光学照準
器で敵機を見るだけで狙いをつけることができる)
(スホイ35の飛行シーンは9:10まで続きます)
英語一言アドバイス:
infrared は infra(下の)+ red(赤)で、赤の下にある光、つ
まり赤外線です。日本語になっているインフラはinfrastructure
(下部構造)を略したもので、ガス、電気、水道など社会の基盤
となる設備を指します。
発音サイト
infraredの発音(二番目の発音が聞き取りやすいようです)
https://www.howtopronounce.com/infrared/
Infrastructureの発音(最初の発音が聞き取りやすいようです)
https://www.howtopronounce.com/infrastructure/
参考サイト
ユーロファイター・タイフーン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%BC_%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%B3
スホイ35戦闘機
https://ja.wikipedia.org/wiki/Su-35_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
R73赤外線追尾ミサイル(R74の先代モデル)
https://ja.wikipedia.org/wiki/R-73_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB)
加藤喬(たかし)
●著者略歴
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。アラスカ
州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省外国語学校
日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―ある“日本
製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、『名誉除隊』
『加藤大尉の英語ブートキャンプ』『レックス 戦場をかける
犬』『チューズデーに逢うまで』『ガントリビア99─知られざ
る銃器と弾薬』『M16ライフル』『AK―47ライフル』(いず
れも並木書房)がある。
追記
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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320
オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
加藤さんが監訳され、大反響を巻き起こしている
『チューズデーに逢うまで─介助犬と帰還兵の深い絆』
の映画化が決まりました!!
http://okigunnji.com/url/j06kg2eq/
監訳者の加藤喬さんが全4回にわたり
『チューズデーに逢うまで─介助犬と帰還兵の深い絆』
の魅力をお伝えするメルマガはこちらです
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※無料です
きょうの記事への感想はこちらから
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専門用語があ
ります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日本人が自衛
隊のブリーフィングに出たとしましょう。「我が部隊は1300時
に米軍と超越交代 (passage of lines) を行う」とか「我が
ほう戦車部隊は射撃後、超信地旋回 (pivot turn) を行って離
脱する」と言われても意味が判然としないでしょう。
同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」は
"Repeat" ではなく "Say again" です。なぜなら前者は
砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに使う言葉だからです。
兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍では建物の
「階」は日常会話と同じく "floor"ですが、海軍では船にちな
んで "deck"と呼びます。 また軍隊で 「食堂」は "mess
hall"、「トイレ」は "latrine"、「野営・キャンプする」は
"to bivouac" と表現します。
『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取りあげ、
軍事用語理解の一助になることを目指しています。
加藤 喬
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最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
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しています。ありがとうございました。
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