配信日時 2018/12/09 21:00

【短期連載】米中AI大戦(4):「AIに賭けるしかない」中国の事情 ~変えられない民族の秩序観~ 兵頭二十八

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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官
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こんばんは、エンリケです。

短期連載「米中AI大戦」の第4話です。

ここまでお届けしてきた短期連載記事はいかがですか?

わかりやすいでしょうか?
疑問の解消に役立っているでしょうか?
AIに対する視座が少し変わってきましたか?

ご意見ご感想お待ちしています。
http://okigunnji.com/url/372/

次代の世界覇権をめぐるプレーヤーとして
考えられるのは、現実的に見て米と中共になりますね。

より正確にいえば
「米に対する中共の挑戦」
と見たほうがいいのでしょう。

それはなぜか?
の根幹が、今日の記事で記されています。

なお、米中AI大戦で、わが国が無縁ということは
考えられません。忘れてはならないポイントです。


きょうの記事も、非常に示唆に富む内容です。
さっそくどうぞ。

ご感想やご意見ご質問があったら、
いつでもお知らせくださいね。


さっそくどうぞ。


エンリケ


ご意見・ご感想はコチラから
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【短期連載】米中AI大戦(4)

 「AIに賭けるしかない」中国の事情
  ~変えられない民族の秩序観~

    兵頭二十八
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 この世に「対等の他者」など絶対に認めない儒教の総本山の継
承者として中国共産党は、「いつかはアメリカ合衆国を軍事でも
経済でも超克せねばならない」という長期的な信念を一貫して保
持している。それはいかにも野望に見えるが、彼らの自然な使命
感なのである。

 アメリカ人は何世紀ものあいだ、儒教圏人の秩序観がなかなか
理解できなかった。が、近年、経済交流と人的交流が非常に進ん
だおかげで、次第々々に、中国人の表面とは異なった裏面の考え
方を知るようになった。

 中国人の胸中には、常に、消えることのない「克米」の感情が、
確乎として秘蔵されているのだ。

 たとえばの話、もしも先の大戦直後に?介石が国共内戦に勝利
し、南京を首都とした「中華民国」が引き続いてシナ大陸の覇者
であったとしても、結局いつかは、いまとほとんど同じ「米中対
決」のムードを呈したであろう。

 対等の他者の存在は、儒教圏人には我慢がならないのだ。他者
は、皇帝のように目上であるか、奴婢のように目下であるか、ど
ちらかでなくてはならないと彼らは考える。2千年前に彼らはそ
う考えていた。そしていまも、そう信じている。したがって、近
代的な「法の下での平等」は、彼らにはとても居心地が悪い。居
心地は悪いけれども、生存のための一時的な便法として、彼らは
近代世界に対応したような演技だけは学ぶのである。

 1989年の天安門事件は、レーガン政権時代の、米国から中
国に対する気前のよい軍事技術贈与を、いっぺんに終了させた。

 この事件では、天安門前広場の周辺から、数千人にのぼる学生
の死体が消えた。いまだにその死体の行方は知られず、その姓名
すらも明らかではない。また、その殺害に直接関わった将兵の証
言は、ただのひとつも外部へ漏洩していない。

 北京政府はこの大掛かりな弾圧スキャンダルをなかったことに
しようとしたが、偵察衛星と通信傍受により「大虐殺」を確信し
た米国政府は、それにつきあわなかった。

 そこで1990年代に中国は、産業スパイを含む、合法・非合
法なあらゆる手段を尽くして、広範な技術分野で米国に追いつこ
うとする路線を走り始める。

 多くの分野で、留学生とスパイたちの努力が実った。しかし、
20年経っても米国にはまったく追いつけそうに無い分野があるこ
とも、理解されてきたのである。

 そのひとつが「経験工学」の分野だった。


(次回に続く)


(ひょうどう・にそはち)


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【著者紹介】
兵頭二十八(ひょうどう・にそはち)
1960年長野市生まれ。高卒後、北海道の陸上自衛隊に2年間勤務し、
1990年、東京工業大学 理工学研究科 社会工学専攻博士前期課程
修了。現在は作家・評論家。著書に『あたらしい武士道』
『精解 五輪書』『属国の防衛革命』 『日本の戦争 Q&A』
『【新訳】孫子』『【新訳】名将言行録』『自衛隊「無人化計
画」』 『逆説・北朝鮮に学ぼう!』『ニッポン核武装再論』
『陸軍戸山流で検証する日本刀真剣斬り』『予言日支宗教戦争』
『もはやSFではない 無人機とロボット兵器』『「地政学」は殺
傷力のある武器である』『北京が太平洋の覇権を握れない理由』
『日本史の謎は地政学で解ける』 『AI戦争論』 など多数。
函館市に居住。

 
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