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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官
でもあります。
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こんばんは、エンリケです。
短期連載「米中AI大戦」の第3話です。
きのうの「フェイク」の話、怖かったですねえ。
無意識のうちにいま時代のベクトルが、そういう方向に動いている
というのがまた怖いです。
読者さんからも、
「昨日の話、怖かったです。AIやIT技術の発達は、便利になるか
らいいなあとばかり思っていましたが、こういう面からもみない
と足元をすくわれますね。
不安が減るどころか拡散する一方になるとの指摘は、
先端技術と国防や安保の関係をいまいちど考え直す必要が
あるんじゃないか?と思わせられました」
というメールが届いています。
「わが国は、AI技術とどう取り組めばいいのでしょうか?」
との質問も頂きました。
きょうの記事は、世界の覇権の行方とAI技術の関わりを
考えるうえで重要なヒントを与えてくれます。
さっそくどうぞ。
ご感想やご意見ご質問があったら、
いつでもお知らせくださいね。
さっそくどうぞ。
エンリケ
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【短期連載】米中AI大戦(3)
シンプルな現実
兵頭二十八
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宣伝に熱心な中国人は、あたかも「中国製AIの水準はいまや
米国に肉薄しているところ」であるかのように語る。
だが、世界を見回せば、そもそもAIを学ぶために米国の大学
に留学する中国人学生はゴマンといても、その逆の話はほとんど
聞かれないだろう。
学問のジャンルを問わないで留学生の数を横断的に2016年
度の統計で比較することができる。米国国内の大学へは35万75
5人もの中国人学生が留学中であったのに対して、中国国内の大
学へは2万3838人の米国人学生が留学していただけであった。
AIへの設備投資や、誰にも引用されないディープラーニング
論文の量産で中国が米国を追い抜いたという宣伝と、「先端的A
I理論の発明と技術総力では米国が断然に突出して世界をリード
している」現実とは、単純に両立する話なのだ。2017年時点
で、中国のAIプロが総勢5万人なのに対し、米国は85万人を誇
っている。
それに対して中国は、まだ研究途上の段階にある半熟な国産A
Iシステムであっても、中共政府が製品の積極的な買い手となり、
また中共政府が特定企業に資金を保証してやることで、外資を排
除しつつ、人権を無視して人民をモルモットにしながら実用化を
進めてしまえるというところに、米国や西側諸国には真似のでき
ない強みがある。
中国バージョンのIT企業と、中国バージョンのAI企業は、
中共中央の《警察経済政治》と同衾することによって楽々と資金
を集め、巨大化し、ライバルの「非国策企業」を排除することが
できる。
この構造は、AIに先立つ「IT」産業界に、すでにハッキリ
と現れていた。
(次回に続く)
(ひょうどう・にそはち)
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【著者紹介】
兵頭二十八(ひょうどう・にそはち)
1960年長野市生まれ。高卒後、北海道の陸上自衛隊に2年間勤務し、
1990年、東京工業大学 理工学研究科 社会工学専攻博士前期課程
修了。現在は作家・評論家。著書に『あたらしい武士道』
『精解 五輪書』『属国の防衛革命』 『日本の戦争 Q&A』
『【新訳】孫子』『【新訳】名将言行録』『自衛隊「無人化計
画」』 『逆説・北朝鮮に学ぼう!』『ニッポン核武装再論』
『陸軍戸山流で検証する日本刀真剣斬り』『予言日支宗教戦争』
『もはやSFではない 無人機とロボット兵器』『「地政学」は殺
傷力のある武器である』『北京が太平洋の覇権を握れない理由』
『日本史の謎は地政学で解ける』 『AI戦争論』 など多数。
函館市に居住。
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発行:おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
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