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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官
でもあります。
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こんばんは、エンリケです。
短期連載「米中AI大戦」の第2話です。
今朝のメディア報道をご覧になりましたか?
のきなみ「中国ハイテク企業排除」がトップを飾っています。
これぞまさに兵頭さんの言う「ソフトウエアカーテン」ですね。
(昨日お届けした連載第一回を復習してください)
あまりのグッドタイミングに震えることしばし・・・
きのうの第一回はいかがだったでしょうか?
AI、IT分野で世界に何が起ころうとしているのか?
への理解は深まりましたか?
わかりやすかったですか?
面白かったですか?
心配しています。
いきなり兵頭さんというビッグネームが登場されたから
ビックリしたかもしれませんね。
きょうの記事も、面白くてためになりますよ。
さっそくどうぞ。
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エンリケ
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【短期連載】米中AI大戦(2)
フェイクの時代に暮らす
兵頭二十八
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IT環境と結合するAI技術は、「サイバー攻撃」や「サイバ
ー工作」との親近性がすこぶる高い。
このため、AIは世界を(あるいは社会を)、安定させるのか。
はたまた、混乱させるのか──と問われれば、答えはあきらかに、
後者である。
敵の陣営内に、疑心暗鬼を生じせしめるルーモア(噂)の流布
と、サイバー攻撃は、連動される。それらのルーモアは、疲れを
知らぬAIマシーンが、おびただしく製造してくれるのだ。
ルーモアがルーモアにすぎないことを検証する作業は、さしも
のAIにも重荷だろう。敵陣営は、それによってわが陣営のAI
システムに負荷をかけ続けることができるわけだ。
話題の「量子」技術も、敵の画策する「混乱戦術」に対する切
り札にはなりそうにない。
たとえば大手ITプラットフォーム企業のグーグル社などが営々
と開発と実験を進めている「量子コンピュータ」。
従来型のスーパーコンピュータでは「総当たり」アルゴリズム
による暗号解読に時間がかかりすぎて非現実的だとみなされてい
たような複雑高度な暗号でも、一定時間内に解読ができるように
なるのではないかとの期待がかかっている。
すると、量子コンピュータとマンモス・サーバーを所有して駆
使できる巨大IT組織(おそらくは政府機関と企業の連合)の前
に、量子コンピュータを随意利用できない他の国家や企業や個人
は、どんな秘密も保つことはできなくなってしまうかもしれない。
それで世の中に、不安はなくなるのだろうか?
また、「量子通信」という新技術が実用化されれば、ある通信
の途中で第三者が盗聴やデータ変造をしようと試みたときに、そ
の介入の事実を送信側でも受信側でも即時に検知ができるのだと
される。
だが、AIと量子コンピュータを結合させれば、他者の正規の
通信局になりすます偽計が、飛躍的に、容易になってしまう。
また、害意ある第三者のなりすまし工作により、肝心の送信機
や受信機がハッキングされたなら、途中の通信経路だけがいくら
アンタッチャブルであっても、こちらが送信した秘密はそっくり
そのまま敵に進呈することになるだろう。外部から送られてきた
偽のメッセージやデータを、ホンモノだと信じ込まされることに
もなってしまう。
こうなると、真正の通信であっても、受信した側としては、そ
れがホンモノかどうか、最後まで確信は抱けないことになろう。
とうてい、人々が安心して暮らせる世の中が簡単にやってくる
だろうとは、思えないのである。
(次回に続く)
(ひょうどう・にそはち)
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【著者紹介】
兵頭二十八(ひょうどう・にそはち)
1960年長野市生まれ。高卒後、北海道の陸上自衛隊に2年間勤務し、
1990年、東京工業大学 理工学研究科 社会工学専攻博士前期課程
修了。現在は作家・評論家。著書に『あたらしい武士道』
『精解 五輪書』『属国の防衛革命』 『日本の戦争 Q&A』
『【新訳】孫子』『【新訳】名将言行録』『自衛隊「無人化計
画」』 『逆説・北朝鮮に学ぼう!』『ニッポン核武装再論』
『陸軍戸山流で検証する日本刀真剣斬り』『予言日支宗教戦争』
『もはやSFではない 無人機とロボット兵器』『「地政学」は殺
傷力のある武器である』『北京が太平洋の覇権を握れない理由』
『日本史の謎は地政学で解ける』 『AI戦争論』 など多数。
函館市に居住。
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発行:おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
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